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楽しい時間
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由邦に強制連行された。
「ここのなケーキめっちゃうまいんやで?」
「へー」
寺とか庭とかは見てきたからそういう所じゃないとこ見たいって言ったら穴場スポットだったり若者に人気のある雑誌に載ってたりする場所に連れてってくれた。
…浩志とも来たいなあ…。
自由行動があると行っても中々クラスが違うと一緒に行動するのは難しかった。
「そろそろえぇ時間やなぁ…」
「戻るのか?」
「おん…理央も連れんとこ戻るんやろ?」
「そーだな、連絡するわ」
「迷子ならへんでな?」
「ならねぇよ馬鹿」
由邦と過ごしていると大分時間が経っていた。そろそろ翔達の元に戻った方がいいかもしれない。
「えっと、ありがとう……楽しかった」
「……!」
「あと、助けてくれてありがとう」
由邦との時間は有意義に過ごせたと思う。それに彼が助けてくれなかった大事に至っていたかもしれない。
「そんな可愛ぇ顔せんでやー、好きんなりそーやわ」
「は、はぁ?!」
「せや!連絡先教えてや、こうやって出会えたのも何かの縁やろー?」
ケラケラと笑う彼なりの冗談なんだろう。そう思い驚きながらもスマホを取り出した。
「あ、おい!」
「ついでにメアドと番号も入れたるわーそしたらLINEも入るやろ」
勝手にスマホを取り上げられ手早く操作されはい、と返された。
「いやー、俺もほんま楽しかったわ」
「悪かったな、迷惑かけて」
「全然そんなこと思っとらんて、それに」
「?」
「謝るくらいならお礼言って欲しいわー」
「……そうだな。ありがとう」
「そーゆーことや」
スマホを見れば翔から了解と返信が来ていた。
「京都にいる間また会えたらええなぁ」
「そんな偶然ないだろ」
「ん?連絡取ればええ話やろ?」
「…まあ、そうだけど…」
「俺は会いたいんやけどなー」
「何だよそれ……」
「あ、バス来てもーたわ」
少し離れた所にあるバス停にバスが来た。
「ほな、俺行くわー!LINEするな!」
「おう、気をつけてな」
「さんきゅー…あ!そうや、理央耳かして」
「?」
何だ?とそのまま素直に由邦の方に耳を向けると、
「………は?」
「あ!バス乗り遅れるわ!ほななー!」
駆け足でバス停に向かう由邦。そしてその場に1人取り残された俺。残るのは頬に感じた柔らかい感触………。
「あいつ……」
出て行ったバスをボーッと見る事しかできなかった。
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