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夕飯の時間になり指定されたホールへ行くとたくさんの料理が用意されていた。
「うまそ、やっば、サーロイン焼いてくれるらしいぜ!」
「あ、おい!だから危ねぇって!走んな!」
サーロインステーキをその場で焼いてくれるサービスをいち早く発見した前田は一目散に走って行った。それを倉沢が慌てて追いかける。昼間の事を学習してないんだろうか…。
食べる席は一応クラスごと固まっているようだった。
「お前そんだけ?」
「うん」
「少なっ…」
和食と洋食、中華とあったが俺は基本的に和食が好きだからご飯(茶碗半分)と出し巻き卵一切れと味噌汁(器半分)と梅干しとお茶を取った。少ない?これ。
「いつもこんなんだけど…」
「さっきちゃんと食えって言っただろ?」
「………」
「あ、優木これ食えよ!」
「んむぐっ?!」
「サーロイン~!」
翔にプチ説教を受けていると向かいの前田にサーロインステーキの一切れを口に突っ込まれた。
「どう?」
「…おいし」
「だろ~?あ、この付け合わせのポテトもめっちゃうまいから食ってみ?」
「…ん」
「……(か、可愛いぃぃぃい!!)」
前田が小鳥の雛に餌をやってるみたいできゅんきゅんすると思っている間にも倉沢は辛そうな中華料理を食べまくり翔はそれ人の量じゃねぇだろ…ってくらいのさすがスポーツマンと言わせる量の料理を、前田もさっきから肉ばっかを食べていた。
俺に食べろって言うのはいいけど…偏食もいいとこだな…。
自分はもう食べ終わったので翔達が食べ終わるのを待っていた。ふと二つ隣のクラスの机を見ると、
「神戸く~ん、これすっごく美味しかったよ~」
「浩志、ご飯の後抜け出そー?」
女子に囲まれ食事をする浩志がいた。
「じゃあ、俺も食べてみようかな」「抜け出すのは禁止されてるから…ごめんね?」
俺的には猫被り丸分かりの対応も女の子達にはどストライクみたいで…笑顔にノックアウトされてた。
いーなー…楽しそう…。俺も浩志と話したい…。
この旅行に来てから浩志とは一回も喋れてない……。
って、何、俺っ、気持ち悪っ!乙女かよ!!
「おい、優木どーしたんだ?」
1人で椅子をガタガタさせてたら倉沢に怪訝な顔をされた。
浩志が席を立った時に目が会った。
「?」
口パクで何か伝えて来たけど………、ケータイ?
スマホを取り出すとLINEの通知が来ていて、
〈どう、研修旅行。楽しい?〉
うん、て返そうと思ったけどなんかそっけないかなーなんて考えて
〈うん。でも、浩志と喋れてない〉
だから寂しい、とは付けれなかった、って言うか付けなかったのはなんか俺の中での変な意地。
浩志がすぐにスマホを見ると、なにやらニヤッと笑って
〈俺の部屋来れば?先生達と同じフロアだから〉
部屋番号も最後に書かれていた。
久しぶりに浩志と会って喋れると思うとちょっと嬉しかった……。
いや、かなり。
「おい…今度は何ニヤニヤしてんだよ」
「っ…何でもねぇよ!」
またしても倉沢に怪訝な顔をされてしまった。
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