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「他に金使うとこあんじゃねぇの?」
とか思いながら旅館の料理に舌鼓を打っていた。生徒会長の俺が学校の予算の事までは流石に口出しできないから、まあそこはしょうがないとしか思えないんだけど。
「会長さーん」
「?」
部屋の入り口の襖から声が聞こえた。この声は、井下?
「なんだよ、井下…と、理央…と…」
襖を開けるとそこに立っていたのは井下と理央を抱きかかえている金髪の男だった。
見慣れない顔と理央を抱えてる事に顔をしかめる。
理央は心地よさそうに男の胸元に擦り寄っていた。
「神戸ー、理央の奴まあ色々あってな、酔ってるんだよ…それで手が付けられなくて…引き取って欲しい」
「はぁ?色々って…てか、そっちの…」
「あぁ、こいつは白木って言うんだけど昨日理央が倒れた時に助けてくれたらしい。たまたまこの旅館に泊まってて」
「よろしゅー、てか翔君この人会長って生徒会長?」
「そー、神戸会長」
「すげぇ、俺んとこの会長なんかむっちゃ髪の毛もさくて暗くてパッとしない奴なんやで?…こないイケメンの会長さんとか羨ましいわ」
「んで、こいつ理央の保護者みたいなもんだから。こいつに理央渡しといて」
「保護者って翔君とちゃうん?」
「ばーか、さっきのは冗談だよ」
けらけらと2人とも笑いながら話している。白木と呼ばれるこの男は理央を助けてくれたらしい……が、
「理央ー、降ろすでー。保護者さんとこ着いたからな」
「んー…?」
「なんや、眠いん?眠そうな顔も可愛ぇなー」
なんか手付きとか理央を見る表情が普通の男友達に対するものとは違うのは俺から見たらすぐにわかった。
僅かに顔が引き攣る。井下を見れば俺の方を見て苦笑いをしていた。
「神戸…?さん?、理央お願いします~」
「んー、…ん?」
「理央またな~」
目をこすりながら壁にもたれる理央の頭を撫でる白木。
「じゃ、神戸。頼んだ」
「ほななー、…ん」
「?」
「??!!!」
白木が理央の頭に唇を寄せた。
「おま、おい!白木!とっとと戻んぞ!……じゃ、じゃあな!神戸!」
「ちょ、翔君、そんな引っ張らんでやー!」
バタバタと出て行った2人。
白木……あいつ……。
「おい、理央…お前酔ってんの?」
「ぅー……んー?あれー?こー、し…?」
「……酔ってんな」
「おい、白木!お前何してんだよ!」
「はぁ?何って、頭にちゅーしただけやんか」
「だけって……」
「なになに、なんやの」
「お前…理央のことどう思ってんの」
「えー?可愛ぇなー、思っとるけど」
「……あんま、神戸の前でそういうことすんなよ?」
「なんでなん」
「いや、まー、……保護者っつったけど、違うっつーか……そう言うことだよ」
「……………へぇ」
ニヤリと口角が上がったことを俺は知る由もない。
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