アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
過去1___春
-
_____.....
中学2年。
春。桜が満開に咲き乱れ校庭の周りは薄いピンク色で囲まれていた。風が吹けばひらりひらりと桜の花びらが舞い落ちる。甘い花々の匂いがそこらから感じられる。暖かな太陽の日が心地良いと思える季節。
そんな穏やかな情景に似つかわしくない鈍い音がそこでは聞こえた。
「うっ……ぐっ…」
「うぜぇんだよ…早くどっか行けよ」
「くそっ……」
殴り飛ばせば口の端から血を流し頬を抑えながら走り出しす男。
たいして強くもねぇくせに……。
「つまんな」
「理央ー、お前本当向かうとこ敵無しだな」
「いや、今のは明らかあいつが弱ぇだろ」
始業式も録に出ないで校舎の裏で溜まってたら3年の先輩3人が絡んで来た。前々から目障りだった、とか言われても知らねぇしまずお前ら誰だよ。そんなこんなで殴りかかってきたやつらを順番に返り討ちにしてやった。こういう奴は大抵口ばっかだ。たいした殴り合いもでき無いくせに突っかかってくるからすげえ腹立つんだよ。
「理央ちんさーすがー。謙虚謙虚」
「馬鹿にしてんのかよ…」
「してないって!なー、祐!」
「してねぇよ。俺らもお前には喧嘩では勝てないと思う」
暇さえあれば、っつーか授業中でも適当に抜け出して、この祐(たすく)と隆(りゅう)とダラダラしていた。
1年の春。同じクラスだった祐と隆。気付けばいつの間にかいつも3人でいた。違うクラスに幼馴染の井下翔がいたが学校では殆ど顔を合わせなかった。翔とは小学校まではよく話していたし家族ぐるみの付き合いもしていた。でも中学に入るとあいつはバスケ部に入り会う機会も減ったし何より俺とあいつでは人間として大きな差がありすぎた。勉強も運動も出来る翔と特に秀でた物がない俺。
自然と俺の方から避けていたんだと思う。そうしたらあいつも俺に構う事はなくなっていた。
「てかさ!てかさ!隣のクラスの美保ちゃんがすっげぇ可愛いんだって!」
「あー、あいつね」
「もうねー、やっばいんだよ!!」
「……うるせぇ…」
隆はおちゃらけてるけど愛嬌があったしそれなりに人気者だった。何でこんな俺とつるんでるのかは分からないし色んな奴に俺といると良くないと言った類の事を言われてるらしかった。それでもこいつは気にしないと言って俺についてくる。
祐は頭もきれるし喧嘩も強かった。いつも隆のくだらない話を聞かされてうんざりと言った顔をしてるけどなんだかんだ毎回聞いてあげてる優しい奴だ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
115 / 231