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「……も、しもし」
若干声が震えている。
<もしもし……え、?>
「あ、えっと……えー、…」
言葉が出ない。
<………理央?>
どきっと、心臓が動く。
「そ、そう!ゆ、優木理央です」
<はは!何で敬語なんだよー、面白いわー。……電話ありがとな。お前の番号知らなくてさ……でもこないだ理央と一緒にいた奴に俺の番号渡したけど……まさか、と思った>
「……うん」
やべぇ、超絶緊張する。電話かけただけだぞ俺。ありがとう、なんて。
琳の声聞いた瞬間頭の中が真っ白になってどうしていいか分からなくなった。
「えーと、……あの、…」
<理央……>
「………」
<会いたい>
ぎゅう、っと胸が締め付けられた。
そんな哀しい声で言うなよ。
「この間は…ごめん」
<ん?…ああ!いいって。だからこそまた会ってほしいって言うかさ……話したい事あるしな。色々と。お前もだろ?>
「うん……あるよ」
その色々を聞くのが怖くて今まで逃げて来たんだよな。今こそ向き合う時なんだよ。一生のうちのチャンス。
<明日空いてる?あ、学校か>
「ここ最近は行ってない…」
「まじかよ、行けよー。んじゃあ明日の…2時くらいでいっか。駅前の噴水の前ね。いい?」
「おう…」
<待ってるよ……じゃーなー>
ピッと電話が切れる。
ものの数分しか話していないのに俺には何時間にも感じた。むしろ時が止まってたかのように。俺何話してた?半ば記憶が飛んでいる。それ程までに緊張していたのだろう。
明日また琳に会う。
その日の夜は色んな事を考えてしまい緊張して中々眠れなかった。
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