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嘘と隙
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タクミはあえて乗ってやることにする。
「着る」
予想通り、マコトは驚いた顔を見せた。その子供っぽい表情に思わず気が緩みそうになる。だがタクミは己を叱咤し、口元だけで笑った。隙を突くなら今だ。
「下着とかも俺のだよ。それでも良いの?」
「洗濯してあるだろ。そんな事気にしないさ」
もちろん嘘だ。そんなものを身に着けると考えるだけで、吐き気がする。
「貸してくれないか?」
タクミは下手に出て、マコトに懇願した。
「あぁ、すぐに持ってくるよ。ここで待っててね」
マコトはタクミに笑いかけ、扉に向かう為に背を向けた。
その一瞬をタクミは見逃さなかった。
一気に距離を詰めマコトが振り返る前に後頭部を掴み、壁に向かって思い切り顔面を叩きつけた。
「ぐっ…!」
完全に油断していたマコトは、その衝撃をまともに受ける。
タクミはすぐに手を離し、出口へ向かって駆け出した。
しかし数歩走ったところで背後から腕を掴まれ、床に押し倒された。
頭を打ちつけて意識が朦朧としている間に、マコトはタクミの胸に跨がり、両手を首に巻きつけた。
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