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教えてくれ
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朝起きて、カビルンルンたちといつも通りに「おはよう」と言って、皆で朝ご飯を食べて、と、そこまで今日を過ごして昨日よりも冷静になった俺様はとある事に気がついた。
少なくとも好きでも何でもないアンパンマンとは、キスとかそういう恋人がするような事が出来たのに、何でカビルンルンたちとは出来ないと思ったんだろう。
俺様は絶対にアンパンマンなんかよりもカビルンルンたちの方が好きだ。
なのに、アンパンマンのしてきた事は最終的には受け入れられて、カビルンルンたちのしてきた事は受け入れられなかった。
おかしい。
普通は逆じゃないのか。
しかも、アンパンマンに見られていると分かった途端に急に恥ずかしくなったのも、何でなのかよく分かっていない。
分からないことだらけだ。
ああもう、俺様こういう考えごととか苦手なのに。
ダイニングのテーブルに突っ伏して考えていると、飲み物でも取りに来たのかホラーマンが入ってきた。
そうだ、コイツに聞いてみよう。
1人で悩んでるよりもいくらかはマシだろ。
「ホラ、ばいきんまん居たんですか〜、ドアはちゃんと閉めてく──」
「話がある」
「ワタシが話してたんですけどね〜」
苦笑いしながらホラーマンはドアを閉めると、冷蔵庫から水を取り出して2つのコップに注ぎ、一方を俺様の方へ置きながらイスに座った。
そして水を飲みながら目だけで「話せ」と言ってくる。
お前なんだその態度は。
水はありがたいけれどムカつくぞ。ホラーマンのくせに。
そうは思っても一応これから相談に乗って貰うわけだし、文句は言わずに話し始めた。
「なるほど〜、つまり、家族同然の人にされて嫌だった事をその人にならされても嫌じゃなかったという事と、他の人なら平気なのにその人の前だと見られているのが恥ずかしくなるという事、の2つが自分では理解出来ないから教えて欲しいと」
「んー、まあ、そんな感じだな」
色々とはしょっている部分はあるけれど、まとめてしまえば大体そんな感じだろ。
「そんな感じって…、ばいきんまんアナタ本当に自分で分からないんですか〜?」
ホラーマンは嘘だろう、とでも言いたげな目で見てくる。
何だその目は、嘘ついて何になるってんだ。
「分かってたらお前なんかに聞かないんだよ、そんな事言ってるんならお前は分かったんだろうな?」
「分かりますよ〜」
「えっ」
いかにも当たり前だろうという風に答えてきたから、驚いてホラーマンの顔をアホみたいに見てしまった。
そんなにすぐ分かることなのか。
気になる、教えて欲しい。
「教えてくれ」
「え〜?でもこれは、ワタシが言っていい事なのかどうか〜」
俺様が思わず詰め寄ると、困ったような顔で言うか言うまいか考えている。
何でお前がそんな顔してるんだ、困っているのは俺様の方だぞ。
「いいから」
「しょうがないですね〜」
ようやく承諾したホラーマンは、いつものヘラヘラした笑顔を止めて至って真剣な顔をすると、こう断言した。
「それは恋です」
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