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中学校の僕たち。その2
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インハイが終わって
僕の怪我が治って、復活した。
「優!」
朝、道路を歩いていると、
後ろから影山が来た。
インハイの日にあんな試合だったから、
正直凹んでるかと思っていたけど、
そんなことなかったみたい。
「今日から練習、出れんだろ?」
「うん、行けるよ?ごめんね、心配かけちゃって…」
「まあ、なんにせよ、戻って来てくれて、嬉しい…///」
「…っ…!///」
嬉しい。
怪我した僕を捨てることなく、
待っていてくれた。
正直入院中だったから、
捨てられると思っていたけど、
安心した。
「…また、よろしくね…」
「ああ。」
学校へ着くと、
クラスの皆が、心配してくれた。
僕はクラスの人とはあんまり喋らないから、まさか心配してくれるなんて思わなかった。
でも、1番うれしいのは、
やっぱり飛雄のあの言葉…。
飛雄が部活に遅刻するなんて、珍しい。
北川第一のバレー部に引退の言葉など、ない、新学校に行くために、3年生は引き続き、練習をする。
「…飛雄、見てくる…」
「あ、おいっ!優!」
僕は金田一君の声を無視して、
探しに行った。
どこだろう、
体育館裏を探していると、
すすり泣きみたいなものが
聞こえた。
「…なんで…なんでなんだ…オレに合わせたら…勝てたのに…くそ…優さえいたら…インハイは…負けなかった…」
飛雄の声だった。
人に涙を見せない。人知れないところで泣いている。
やっぱり、辛かったよね…
だって、トスをあげた場所に誰もいなかったんだもん…
僕は足音をたてず、
立って泣いている飛雄の体に手を回した。
「!!っ…優!?」
「もう、怪我しない…飛雄に辛い思いさせない…ごめんね、飛雄。」
もう2度と怪我なんてしない。
君の涙は見たくない。
「ねえ、飛雄、一緒の高校に行こう…そこで、また一緒に全国、目指そう?」
「…っ…ああ…ありがとう…優…」
こんな飛雄を見るのは
もう嫌だ。
だけど、僕だけに心を開いてくれる彼が
僕は大好きだ。
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