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優の存在
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影山said
「…ん…」
「あ。やっと起きたねー」
オレの前には体を起こした優がいた。
昨日、精密検査と、治療が終わった優に一晩付き添っていた
オレはいつのまにか寝ていた。
結果なんて知らない。
生きていることに感謝した。
「優!!!!!!」
「わー!静かに!病院だよ!!!」
慌てて優は、オレの口に手を当てた。
あ。忘れてた。
病院だ。
「…すまん、…起きて大丈夫か?」
「うん。ケガしてるの、右足だけだしねー?」」
オレは
早く謝らないとと、思った。
「…優、オレのせ「ありがとう」え?」
「かけつけてくれてありがとう。飛雄。」
優は怒っていなければ、
泣いてもいなかった。
ほほえんでいた。
「…謝んないで…飛雄のせいじゃない。
僕の不注意なんだ。
迷惑かけてごめんね…。
それと、昨日、ごめん。
飛雄を傷つけた。
ほんとに…ごめん…っ…
僕、飛雄に必要とされたくて…
別に、飛雄がイヤじゃないんだ!
日向がうらやましくて…
高校あがって、全然飛雄のボールうてなくてさ、
それが悲しくて…
もう、いらないんだなって、思っちゃってさ…
あ。でも、今年も…無理そうかなあ…」
ポロポロと優は涙を流していた。
昨日とは違う言い方。
やわらかい言い方。
オレは優を抱きしめて言った。
「…オレは優を不必要って思ったコトは一回もねえ。
お前と同じで、オレのボールを取れるやつに出会った。
少し興味を持った。
アイツを育てたら、一歩、全国に近づけれると思った。
だから、コンビを組んでいるだけだ。
それに、今だけだ。
いつか、今の攻撃も効かなくなる。
その時の優だろ??
優との速攻は誰にもみせてねえ。
それとな、
お前の相棒は、今も、昔もお前だけだ。優。」
「飛…雄…」
「日向は、確かに、優より、跳ぶし、速い。けど、完璧じゃない。優には勝てない。
それは、オレが保障する。」
「…うん…」
「それに、オレの傍にずっと、いてくれたのに、
今更捨てるかよ…
むしろ、傍にいろ。絶対、誰にも渡さない。及川さんにも、金田一にも…
だから、足、治せ。
オレはいつでも待ってるから。」
「っ…うんっ…」
優はうれしそうに返事した。
オレは優に泣かれると困る。
どうしたらいいか、わからなくなる。
タイミングよく、
先生が入って来た。
親がいないため、入院は困難。
だから、自宅療養となった。
病院の先生に挨拶して、
オレらは帰った。
先生はオレに優の面倒を見るように頼まれた。
ま。
家でこけても、誰も助けてくれねえしな。
幸い、車椅子ってわけでもないから、
松葉杖状態。
「…優、家にしばらく泊まれ。」
「…え?」
「お前、危なっかしいし、
拒否権はねえから。」
「…あい。」
コイツの返事の『あい』は
正直、かわいいと昔から思う。
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