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同じ部屋のあいつ
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「なぁ東雲、お前の同室の奴ってあの久我なの?」
「はい?」
「だから、お前の寮の同室の奴だよ!あの久我燈なの?」
「あー、そんな名前だった気がする」
俺は高校にスポーツ特待生で入ったから、朝練部活と忙しくて同室の奴なんか気にして無かった。
それに二年になって部屋替えになったばっかだし、今年はレギュラー狙う気でいるし、特に同室の奴と会話が無くてもあんまり気にならなかった。
ちなみに一年は四人部屋で二年は二人部屋だ。
二年になったら下宿する奴もいるしな。
「お前、久我っつったら、風紀委員の久我だろ?」
「風紀委員?あのゴリマッチョ軍団?」
アレ?同室の奴ってそんな体格だっけ?
久我という名前で俺の周りに人が増えていく。
俺の記憶だと、同室の奴は勉強ばっかしてる気がする。
俺が朝練行く時と同じ位に起きてきて予習、帰ってくると復習ってカンジだ。
おはようとか、おやすみとか、そんな会話くらいしかしてない。
「何?久我って、何かあんの?」
「お前、久我って言ったら有名人だろうが!入学早々風紀委員にスカウトされたんだぜ」
「つーか、風紀委員自体会った事ねーし」
周りの奴らが顔を見合わせる
「お前、部活バカだもんな」
「休み時間も昼寝してるしな」
「校則違反にゃ程遠い所にいるもんな」
「何だよそれ」
「でもお前、久我くらい知っとけよ。風紀委員で学年トップだぜ、つーかお前の同室だろ」
「待てオラァァァ!」
廊下に響く怒鳴り声。
クラスメイトの古市が俺の制服を掴む、
「久我だ!」
他の奴と一緒に野次馬しに行くと、明らかに頭の黄色いヤンキーと揉めてる奴がいた。
ゴリマッチョとは程遠い、中肉中背。
揉めてるというか、ぶっちゃけそいつがヤンキーフルボッコだった。
で、戦意喪失したヤンキーを引きずって行った。
「どこ連れて行くんだ?」
「職員室だろ」
「相変わらずスゲーな、容赦ねぇよ」
「あんな綺麗な顔から想像つかねーな」
そういや顔見て無かったな。
古市が何か熱っぽい視線で久我の上って行った階段を見ている。
「久我、カッコ良いなぁ」
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