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同じ部屋のあいつ
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部活上がりに風呂に入って寮の食堂で夕飯をかっ込んで部屋に戻る。
部屋の扉の横に
『久我燈』
『東雲心十郎』
というネームプレートがぶら下がっている。
そーっと部屋に入り、ただいま、と言うと、おかえり、と返ってきた。
相変わらず勉強の虫になっている。
「久我?」
「ん?」
久我がチラリと振り返り、頭に装着されてるヘアバンドに目が釘付けになった。
「ヘアバンド?」
「ああ、前髪ジャマだから、100均で買ってきた」
「あ、そうじゃなくて、えっと、足、大丈夫か?」
「………見てたのかよ」
そのままふいっと視線を参考書に向ける。
「だって、釘バット折っただろ?平気なのかよ」
「平気なワケねーだろ、マジで痛ぇよ」
「病院行ったか?」
「行った」
「ヒビとか折れてたりとか無かったか?」
「ねぇよ」
「そっか、良かった」
「は?」
久我が俺を振り返る。
あ、近くで見たらスゲー美人。
「心配だったから」
「………ああ、そう」
そっけない言葉を吐いてまた久我が机に向かう。
「なあなあ、何か飲むか?」
「ああ?」
「足痛いんだったら買いに行くの大変だろ?買ってくるよ」
「じゃあブラックコーヒー」
そう言って久我が自分の机の引き出しを開け、小銭を探す。
「いいよ、おごるよ」
「買ってきて貰うんだから俺が出すよ」
意外と義理硬いんだなこいつ。
「じゃあさ、明日おごってよ。一緒に昼メシ食おうぜ」
「俺とメシ?つまんねぇだけだぞ」
「同じ部屋なんだし、一回くらいいいじゃん」
「………分かった」
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