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同じ部屋のあいつ
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放課後、部活を終えて部屋に戻る。
「ただいま」
「おかえり」
いつもの素っ気ない返事。
俺が部屋の奥まで入って行くと、勉強中の久我が立ち上がって俺の側に来た。
「…病院、行って来た」
「大丈夫だったか?」
「ああ、腫れてるだけだ」
「良かった!」
「あとな」
久我が俺の肩に手を置いて、俺の腹に正拳突きをかました。
「うげ、ちょ…」
「今日のはこれでチャラな」
「キツ…」
「これでも手加減してんだけど」
ふいっとまた勉強に戻る久我の背中を見て、
「明日も一緒にメシ食おうぜ」
と声をかけると
『何言ってんのお前』
という表情で振り返った。
「俺、お前とメシ食えて楽しかったし、古市もすげえ喜んでたし、またお前と一緒にメシ食いたい」
「あ、そ」
興味無さげな返事をして勉強机に向かった久我の顔が、少しだけ嬉しそうに見えた気がした。
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