アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
イントロ
-
夕暮れに照らされた路地裏の曲がり角
猛暑日の蜃気楼の先に続く道
宵闇の中に立つ電柱の陰
朝焼けに煙るひと気のない十字路…
ふと、視線を感じて立ち止まる。
その場を注視し、何もない事に胸を撫で下ろすなんて経験は誰にだってあると思う。
大抵の場合は"ナニカ"の視線なんて気のせいだ。
しかし、中にはその小さな歪みや暗闇の中に一般的には理解され難い物を見出してしまう者もいる。
俺はと言えば、そんな物は全く見えない。
でも、俺には、その視線をとても気のせいだと片付けられない理由があった。
それは、気の迷いでも、単なるオカルト好きの興味とも違う。
むしろ、恐怖よりも懐かしさに似た感覚なのだ。
ふと"ナニカ"の視線を感じた時、俺は自分の服の裾を握る。
調度、右脇腹辺り——
こういう状況で、"アイツ"がいつも握ったその場所を——
その手を宥める様に包んだ自分の手を思い出す様に…
"アイツ"は"ケモノ"に好かれていた——
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 42