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ヤンデレ
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僕が何をしようとしたか、話したらヤマトに嫌われるだろう。
きっと別れることになるんだと思う。
だけど、言わないでいることはできなかった。
キクコちゃんは正直に話してくれたのだから。
「…キクコちゃんを殺そうとした」
「えっ」
やはり、ヤマトは目を見開いた。
「キクコちゃんとずっと、なんていうか、ちょっとうまくいってなくて…それがなんかだんだん溜まってっちゃって」
出し切ったと思った涙が再び涙腺を上がってきた。
「それで、殺そうって思って…でも…殺せなかった…やっぱり、人を殺しちゃいけないと思って…」
ヤマトの指が僕の涙を拭う。
「ヤマト、嫌いになったでしょう…?こんな、こんな、妹を刺し殺そうとする男なんて…」
「ううん」
ヤマトは首を振った。
「嫌いにならないよ。俺がミノルを嫌うことなんて何があってもないよ」
僕を落ち着けるように何度も頭を撫でた。
「俺のほうこそごめんね。キクコと仲が悪いなんて思ってもなかったから」
「ううん、すれ違いがあったみたいっていうか…思い込みみたいなので…」
ヤマトは小さな声で「そっかぁ」と言った。
「あの、ナイフさ」
ヤマトはカバンを指差した。
「ナイフ、貰ってもいい?あんなの、ミノルが使ったらだめだよ」
「…あれ、多分持ってるだけでも違法なものだよ」
「大丈夫。うまくやるから」
それはいい考えのように思えた。
僕が持っていたらまたいつか使いたくなる日がきてしまうかもしれないから。
「…うん。ヤマトが持っていてくれるなら」
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