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真緒に近付いて目の前に立つ。
目は赤いし、痩せたのが見て分かる。
「っ、何ですか…?俺、もう…」
俯く真緒の声はあの日と同じで震えていた。
「悪かった。色々酷い事言って、たくさん傷つけて」
「今更謝ったってな…!」
「…流記夜」
口を開いた流記夜を颯斗が静かに止める。
俺はまた真緒と向き合った。
「嫌いってお前に言われて、やっと気付いた」
「……………」
黙って俯く真緒に自分の中で見つけた答えを
言葉にしていく。
「離れてからずっとお前の事ばっか考えてたよ。バカみたいに、毎日」
苦笑しながら真緒の頬に触れる。
相変わらず冷たい体温に何故か安心した。
そう思えるのも、きっと…
「…好きだよ。真緒」
「っ…」
俺の言葉に顔を上げる。
その目は涙で濡れていた。
「流記夜の言う通り今更過ぎるけど、お前もまだ俺の事そう思ってくれてんなら…結婚して欲しい」
その言葉と一緒にポッケから箱に入った指輪を見せる。
コイツと同じ髪色のシルバーリングと、色違いのゴールドのリング。
「はぁ!?結婚!?お前、色々ぶっとん「煩い。流記夜」」
叫ぶ流記夜の口を背後から手で塞ぐ颯斗。
「…なんで、俺なんか……」
「…真緒?」
聞き取れなくて名前を呼ぶとボロボロと涙を流し始めた。
「貰う資格、ないです…!俺、たくさん迷惑かけたのにっ…」
「迷惑だなんて思ってねぇよ。今思えば、全部俺の意思でしてた事だし」
「っ、葵さ…」
落ち着かせるように頭を撫でる。
その時は分からなかった自分の感情が今なら分かる。
「好き。多分、自分が思ってる以上にお前の事愛してんだよ」
「ふっ…ぅ…!」
我慢できなくて強く抱き締める。
今にも折れそうなほど痩せていた。
「…返事は?」
再度聞くと、弱々しく腕が背中に回ってきて。
「俺も、好きです…嫌いなんて言って、ごめんなさい…っ」
泣きながら言葉にする真緒。
…やっと聞けた。
自然と口元が緩む。
もう絶対離さねぇから。
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