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(カイside)
薬と冷えピタ、飲み物、リンゴとか買って教えられた場所まで来た。
にしても…
ボロいアパートだなぁ。
最初廃墟かと思ったし。
錆びた階段を上がって部屋の番号を探しながら奥のドアの前まで来た。
「…ココだよね?」
「あー、そうだな」
颯斗と番号を確かめ合って、インターホンないからノックした。
「葵?きたよー」
少し間をおいてギィッと古びたドアが開く。
「悪りぃな。サンキュ」
「ホントだよ。いきなり!」
出てきた葵に買ってきた袋を渡す。
「綴、大丈夫なのか?」
「んー、今寝てるけど。熱下がんねぇからさ」
そう言って心配そうな表情を浮かべる葵。
…他人に対してこんな表情できんだ。
と内心思った。
チラッと葵の肩越しから部屋を覗いたら、狭い部屋に布団が一式敷いてあるだけ。
「…ホントに真緒んち?」
「はぁ?当たり前だろーが」
そうだけどさ!
そこじゃなくて…
口にして言おうとしたら颯斗に止められた。
「もう遅いし、帰るぞ」
「えー!真緒のお見舞いしてこーよ」
せっかく来たのに!
そう言ったら颯斗に溜め息つかれた。
「熱も下がってねぇのに、これ以上悪化したらどうすんだよ」
「…でも、」
「いーから。ラーメン食い行くんだろ?」
「は!そうだったっ」
思い出したら急に腹減ってきた。
「んじゃ、マジでありがと。それと、コイツの具合良くならなかったら明日俺休むから。高山さんには朝連絡入れとくけど」
「え…!?」
「気を付けて帰れよ。おやすみ」
そう言ってパタンとドアを閉めた。
「………うそ…」
あの葵が…
他人に興味すら、寧ろあんな毛嫌いしてた真緒の為に!
仕事まで休むとか!
「…あんな葵初めて見たわ」
颯斗が呟いた言葉に俺は深く頷いた。
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