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手紙
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侑は携帯やパソコンを所持していないため中学が別れた、または転校していった友人から手紙がよく来る。なので珍しくもない。
古風すぎて彼らには申し訳ないが卒業までの辛抱だ。高校の合格・入学祝いに、東雲に携帯を買ってもらう約束を既にしている。
「だーれっかな~と…あれ、差出人の名前ないし」
自室に入り封筒を裏返した侑は眉をひそめる。うっかり書き忘れたのかまっさらだ。
個人情報を守っているようでダダ漏れな社会だ、マジで変な企業からだったらどうしようと恐る恐る封を開けた。放置しても良いが万が一、友人からだったら困る。
「おわっ!」
半端に重量があったからだろうか、封を開け傾けると一気に中身が出てきた。片手で受け止めきれずに畳にバラバラと落ちる。
「やっべ…」と、拾おうと手を伸ばした侑は一瞬停止し後ろに飛び退いた。勢い余って壁に後頭部をぶつけるが痛みを感じている余裕はない。
彼の視線は大量に床に広がった小さく四角いものに釘付けになる。
目を離したいのに離せない。何故なら、その一つ一つに自分と同じ顔が映っているからだ。
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