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手紙
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封筒には写真の他に、印字のメッセージカードが三枚入っていた。
『他人が撮った貴方は不細工だ。二度と撮らせないで下さい』
『あの夜は楽しかった』
『貴方をずっと見ています』
お前は何を言ってるんだ。
素でそう問いたくなるくらい意味を掴みかねる内容だ。というか掴みたくない。
まさか自分が。いや、でも。
僅かに芽生えた堂々巡りの嫌な疑惑はどんどん膨れ上がる。
これはもしかして。
ストーカー、というものではないのか。
同性だったからだろうか、犯された時もしんどかったがどうにか耐えられた。でも、今回ばかりは参った。
『貴方をずっと見ています』。この言葉が少年を縛る。遠くから視線を感じるとか、超人的な事はない。だが、何をするにも『今見られてるのではないか』という警戒心を抱く。
これは相当、神経を削った。部屋の窓はおろかカーテンすら開けられなくなった。
「侑兄さん、最近疲れてませんか?」
朝、学校に向かうバスの中でカイが訊いてくる。
相変わらず大人たちによる学生の登下校の護衛は続いており、慶弥が外に向かって手を振っていた。窓の先には薫の姿が小さく見える。
送迎の必要性がもはや無いことは、侑とストーカーしか知らない。
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