アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
友達
-
そう、解決したのに何故か壬生が離れない。
コントローラーから手は離したものの、そのまま腹に回される。後ろからハグされている状態だ。密着する背中がじんわり温もってくる。
「壬生、ちゃん?」
壬生は喋らない。侑は心配になる。
「どうした?具合でも悪…っ!!ひゃっ、あ、あっはははははっ」
言葉の途中で侑の脇腹が擽られる。
しまった、こういう罠か。騙された侑は心配した事を悔やんだ。
「ふぁっ、や、あははっ!や、やめろって壬生ちゃん!」
尚もコチョコチョ攻撃は続き侑は身を捩って逃げようとする。その拍子にバランスを崩し床に倒れこんだ。
ようやく壬生の手が離れ息を整える。全くもってズルい。侑は脇腹が弱いのだ。
「何があった?境木ちゃん」
文句を言おうとしたその矢先、上から壬生の声が落ちてくる。
「え…」と侑が天井に視線を移すと眩しいライトと共に真剣な表情の壬生の顔があった。濡れた髪が色気を増している。
「境木ちゃんに『何か』あったのは態度で分かるよ。様子おかしかったもん。で、『何が』あった?」
侑の心臓が、口から飛び出るんじゃないかってくらい跳ねる。暴れる鼓動が耳に煩く響く。
やばい。勘付かれている。『何もないよ』では、きっと通用しない。壬生は確信している。これを訊くために、彼は侑を自宅に招いたのだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
70 / 474