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「ナギって、泳ぎ得意だよな?」
しかし、声にする前に侑が先に発言してしまう。
前後の噛み合わない内容に、そのままの形でナギは「え」と言った。
「いやさ、もうすぐ夏じゃん。小学生のころ行った海で競争したの覚えてねえ?」
「あ…うん、覚えてるよ。林間学校だったっけ。侑くん、砂に足取られて転んだよね」
「うわっそんなダッセーこと覚えてんなよ~!なぁ、カイたちとした花火も面白かったよな。祥さんに釣り教えてもらったりさ」
「うん…」
相談はどこへやら、思い出話をする同級生に戸惑いながら「あ、あの侑くん」とナギは口を開く。
「なんだか今日、変だよ…何かあったの?」
楽しそうに喋っていた侑は目を伏せる。ナギの心に不安がよぎる。
「別に…あの頃は良かったなって話」
爺くさいよ、と通常の友人同士ならツッコミが入るだろう。
この二人も友人だ。だが、とても茶化せる雰囲気ではない。
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