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戻りたい
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この結論に至るのは割と早かった。
そして今日までの数日は地獄と同義だった。全部チャラにして、うやむやにしてしまいたいほど現実を見たくなかった。
もちろん、それで解決するものは何も無い。
――気付け、ナギ
だが所詮、これは侑の憶測にすぎない。
他人の都合など誰にも分からない。状況的に『可能性が高い』だけであって『真実』ではない。
そもそも村人の仕業ではなく、本当にヨソ者の通り魔かもしれないのだ。あの夜に目隠しをされたのだって『知り合いだから』という理由もあれど、普通に犯罪行為だ。犯罪者の顔を被害者に見られないようにするのは当然だろう。
――お前はまだ逃げられるんだ
これ以上は追求したくない。
否定して欲しい。否定してくれれば。
――俺たちは、また幼馴染みに戻れる
「…うっ…」
侑が胸中で祈っていると、ふいに呻き声がする。
ナギと目を合わせていられなくて、いつの間にか下に向けていた顔を上げる。そして――ギョッとした。
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