アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
戻りたい
-
侑は両の拳を強く握った。
整理しきれない感情が渦巻いている。怒りなのか悲しみなのか悔しさなのか、分からない。
何と言えばいいのか。残念とでも言えばいいのか。
そんな単純な言葉で、この情を断ち切れるものか。
侑は立ち上がる。震えないように、なるべく冷静に告げた。
「この封筒と中身は、お前に返す。二度とこういうの送るな。…それと」
侑は酸素を吸って一気に言った。
「俺はナギの事を大切な幼馴染みだと思ってる。これはこの先も変わらない。だからお前にも、俺の事をそう思っていて欲しい」
「独りよがりだけどさ」と侑は今までの幼馴染みとの記憶を雪崩のように思い出す。
「お前とはガキの頃から一緒に育ってきたから、これからも一緒に成長していきたいんだよ…」
共に高校は行けなくても、大学生になろうが社会人になろうが。
アドバイスや愚痴を言い合って駄弁って、一緒に酒も飲んでみたいし結婚する時には一番に祝う。
なあ、ナギ。そんな関係じゃ、ダメなのか?
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
90 / 474