アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
言葉責め(人気アイドル×マネージャー)
-
「ちょっと栄一さん、練習台なってくんない?」
「……………」
『今をときめく人気アイドル、若狭ケイシ』
そうでかでかと書かれた雑誌を読んでいた私はその、今をときめく人気アイドル、とやらをチラリと見やった。
ちょっと意味が分からないことを言っているコイツは、私の担当する若手アイドルだ。
彼の名前は若狭ケイシ。サンシャインプロダクション所属。歳は19で血液型はB型。誕生日は11月25日。
容姿端麗、頭脳明晰、アイドルとは思えないほどの演技力。
世に言うイケテル男子とはこの人のことを指すんだろう。
そんな完璧な彼のデビューは15歳だった。このころのケイシさんはとても可愛く人懐こくて、本当に天使のようだった。
だけど可笑しい。
どこで育て方を間違ったのか、今じゃ10も歳上の私を練習台呼ばわりするほどだ。
撮影時などでの彼の態度は、大人顔負けの世間慣れした姿で毎回思うが本当に素晴らしい。
しかし、悲しいことにそれは全て偽りなのだが。
あるときは頼れる先輩。またあるときは元気で天然な後輩。
と、いうように、ケイシさんは自分の見せ方を相手によりコロコロと変えられる。
そのおかげもあり、彼の周りの評価は全て最高。悪い噂も一切なし。
私としては良いことだらけだ。
だが。
普段そうしてネコを被っているせいなのか、デビュー当初からマネージャーを務めさせて頂いている私に対しての彼の態度は、少々問題があると思う。
現に今、この私を練習台などと呼ぶのだから。
「…練習台、とはなんですか?」
ふう、と呆れ気味にため息をつき、私は手にしていた雑誌をパタンと閉じた。
顔をあげるとケイシさんと視線が絡む。
くそぅ。イケメンめ。
視線を絡ませながらケイシさんはにっこりと笑って一言。
「なにって…
言葉責めの練習台、だけど?」
「…………………。」
意味が、分からない。
なーにを言っているんだねコイツは。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
1 / 183