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言葉責め6(完)
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「へえ、イったんだ?俺、イくなら言えっていっただろ?なのに栄一、なんにも言わずにイっちゃたんだ?」
私の性器の形をなぞるように、指を這わせながら彼はそう言った。
「つかケツでイけるとかまじすげぇ。素質あるね、栄一」
ちがう。
何かの間違いだ。
「ケツん中弄られて、前立腺攻められて、さいっこうに気持ちよかったんだ?それこそ我を忘れて善がりまくっちゃうほどに」
ちがう。
ちがう。
ちがう。
「なあ、次はどうやって犯されたいんだ?バイブでも突っ込んでやろうか?俺に虐められて、散々嬲られて、髪を振り乱すくらい感じさせてやる…っておい?」
ちがう。
自ら彼を求めてしまったなんて信じたくない。
ずっと付き添ってきた大切なケイシさんに、自分から快感を求めてしまった。私は、止めなくてはならなかったのに。自分から…。
「……ッ…ぅ、…」
頬に温かい雫が流れた。
私が育ててきた大切なケイシさんに、とんでもない過ちをさせてしまった。
ケイシさんは生意気だけど、とても可愛い大切な人だ。
そんな大切な存在になんてことをさせてしまったんだ。
例え演技だとしても、こんなことマネージャーなんかにしてはいけない。だから、何があっても冷静に対処しなければならない。
そう、思っていたのに。
ーー犯されたい
そう、思ってしまった。
自分の不甲斐なさに涙が出てくる。
「……ッう、…っぐす…」
私はマネージャー失格だ。
「…すい、ませ…ん、止められなかっ、た…ッ…」
「え、ちょ、栄一さん!?なんで泣いてんのっ!?ご、ごめんっ俺、やりすぎたっ!?」
「五三郎…のせい、じゃないです…っ…私の責任で…す…」
「ちょ、待って!!もう五三郎じゃないからっ、俺、ケイシだから!!」
「いいんで…す…五三郎…本当にすいま…せん…ぐす…」
「〜〜あーもうーっ!!」
ふわりとケイシさんの甘い香りが漂った。
「ごめん!俺が悪かった。五三郎じゃなくて、俺が悪いの!」
頭の上から声が降ってくる。
ぎゅ、とケイシさんに抱きしめられていた。
「こうなったら全部言うけど、俺、ずっと演技してるふりしてました。
俺が、意図的に、栄一さんにしたかったことをやりました」
「…………?」
「あーもー泣き顔の上目遣いとかふざけんな!反則だろ!!」
頭が、回らない。
「…ど、ゆう…意味ですか……?」
「だーかーらー、俺が嘘ついてたの!五三郎のせいにして、俺の欲求をぶつけたの!!」
「な…んで…ですか…?」
「はあ!?まだ分かんないの!?栄一さんが好きだからだっつの!!」
ケイシさんが、私を…好き…?
「すいません、言ってる意味が分かりません」
意味分からなすぎて涙ふっとんだわい。
「切り替えはやっ!」
「そんなことより、先程の意味深な言動の理由をさっさと簡潔に述べてください」
「〜なんなんだよお前っ…!
だから、街で栄一さんに声かけられたあのときから、ずっと好きだったの!栄一さんに一目惚れだったの!!」
「一目惚れ…?」
「あーそうだよ!栄一さん、なんかすっごい堅物そうなのにめっちゃ優しく笑いかけてきたし、惚れないわけないでしょ!?」
彼は真剣な表情で私を見つめた。
彼の熱い視線が突き刺さる。
バカみたいにカッコ良い。
「っ、そんな、の…信じら」
「一つ、真面目な顔して野良猫に話しかけてること。
二つ、どれだけ苦しくても笑っているとこ。
三つ、どんなことがあっても俺を信じてくれて、大切にしてくれること。栄一さんの大好きなところを全部あげるとしたら、丸一日かかるけどそれでもいい?」
「も…う、いいです…!」
顔が火照ってくる。
彼が、そこまで私のことを思っていてくれたなんて全然知らなかった。
「それで、栄一さんはどうなの?」
「…と、言いますと…?」
すう、と大きく深呼吸した後、ケイシさんは私に尋ねた。
いつもと雰囲気が違うくて、少し不安になる。
「栄一さんは、俺に身体触られて嫌だった?本当はもっとされたい、って思ったんじゃないの?」
「………ッ」
彼はとても勘が鋭いと思う。
まるで心が読まれているように感じてしまう。
「ねぇ、答えてよ…俺、栄一さんのこと本気で好き、愛してる。それでもやっぱりダメ?俺みたいな子供なんか好きになれない?ねえ、教えて、栄一さん…」
目にいっぱいの涙をため、子犬のように震える彼を、愛おしく思った。
真っ直ぐに、揺れることないその瞳に吸い込まれてしまう。
街で見かけたあの時もそうだった。
顔やスタイルもそうだが、何より彼の素直さ、純粋さに心惹かれた。
この手で彼を輝かせたい、と思った。
「ねえ、栄一さん…」
不安げに彼は私を見つめた。
とくん、と胸が高鳴った。
ああ、もう、認めざるを得ない。
私は、彼のことが…
「私も、貴方が好きで」
「ゴホッゲホっ…ちょ、ごめ、ゲホっ、なんか気管に入っ、ゲホゲホッ!!」
遠い日の思い出が蘇ってきた。
30秒で30人をぶっとばしたあの日の思いが。
思い出してしまったらもう、あの日の言葉を叫んでしまう。
「なんなんじゃワレいてかましたろか!?あ”あ”!?」
「ゲホッえ、栄一さんて元ヤン!?ゴホッゲホっ」
苦しそうにむせ返っているが、もう知らん。
1人でなんとかしやがれこの○△●☃野郎がっ!!!
「え、待って、さっき栄一さん何て言った!?私も、までしか聞こえなかっ、ゴッホゴホッ」
「もう知りません!勝手になんとかして下さい!!サヨウナラ!」
「ちょ、待って、栄一さっ」
バタンっ
まだなにか言いたそうだった彼を無視し、私は強くドアを閉めた。
部屋を出て、
「最後までしっかりできるようになってから告白しなさい!」
なんて、ボソっと呟いてみた。
まだまだ私たちの物語は始まったばかり。
ゆっくりと一歩、歩きだした。
あ、すっごいお尻痛い。
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