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ハロウィン前編(大学生×中学生)
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「トリック オア トリート!お菓子くれなきゃ理翔(りと)のこと、”付き合ってまもない子にすぐ濃厚なキスをする気持ち悪い男”とか、”偽装垢作って年がら年中気持ち悪い発言する男”とかその他もろもろ2ちゃんに顔写真とともに書き込んで社会的に抹殺するぞ♪」
玄関を開けるとすごく陰湿なイタズラ内容を言いながらハロウィンに便乗している近所のちびっ子がいた。
*
「で、お前は何しに来たんだ郁也(いくや)」
「いやだからトリック オア トリートだって。お菓子くれなきゃ社会的に抹殺するぞ♪ってこと」
永瀬 郁也。
このクソ生意気なちびは近所に住む中学生。昔は理翔ちゃん理翔ちゃん、って俺を頼ってたのにどこでどう道を間違えたんだか今ではこんな有様だ。
「んで、俺は何すればいいわけ?」
「お菓子よこせ」
「今ないもん」
………会話終了。
さあとっとと帰りやがれ。
「嘘つくな。理翔は大学生になってもまだチョコレートがないと生きていけないって聞いた」
「…誰に?」
「みゆきおばちゃん」
「…………」
しまった。
みゆきおばちゃんは回覧板を置きにくるときいつも俺にチョコくれるいい人のことだ。すごく良い人。そういえば俺この前、
『おお!ありがと!俺チョコないと死んじゃうんだよ〜!!』
おばちゃんがいつものようにチョコをくれたときにそう言ってしまった。それが郁也にまで伝わっていたなんて恐るべし、おばちゃん。
「つーかまず俺は、付き合って間もない子にベロチューしたり偽垢つくって気持ち悪い書き込みしたりなんかしない。ベロチューにおいてはする相手いねぇし」
「えっ、理翔彼女いないの?」
「あん?あーまあ、いたけど別れた」
前付きあってたのは確か茶髪ロンゲの巨乳女…だったはず。自慢じゃないが俺はそこそこ顔が良いらしく、それに惚れて言い寄ってくる女がまあ、なんだ、結構いた。
つっても、そいつらはすぐ俺の性格に冷めるらしく早々とフられるんだけどね。まあ面倒くさいのは嫌いだし、俺にとっても都合は良い。
って…あれま?
「…おーい?郁也くーん、どうしました〜?」
俺が彼女はいない、って言った瞬間郁也は俯いて黙ってしまった。
どうしたんかなー?と思い軽い気持ちで顔を覗き込むと。
「っ…なんだ、彼女……いないんだ…」
真っ赤になって安堵の溜息をつく郁也が。
心底ホッとしたような、嬉しそうな、なんとも言えないその表情に俺は気付いた。
「なにお前、俺のこと好きなの?」
「はあ!?」
「うっわ、すげぇ真っ赤。図星突かれて焦ってんの?」
「な、なに言ってんだよ!気持ち悪い…!」
「そんなこと言ったって顔は真っ赤だし目は泳いでるし、これは完璧だろ?」
「いっ、意味分かんない!!」
郁也はまるで、ピンク色の髪の毛をした、高校一年生になってもまだサンタさんを信じるツンデレ某キャラクターのようにツン全開でそう言った。
その必死さがなんだか妙に可愛く見えて、良いことを思いついてしまった。
「まあとりあえず、あがれよ」
「…お、お邪魔します……」
急に威勢をなくした姿に内心笑いつつ、俺たちはリビングへと向かった。
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