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ケイシ×栄一3
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「…その後は13時から撮影です……って、ケイシさん聞いてますか?」
結局ケイシさんの家でスケジュール確認をすることになったのだが、彼はずっと上の空のままだ。
「栄一さん」
「はい?」
「さっきの、何」
ようやく口を開いたかと思えば、そんな質問をされた。ずっと下を向いたまま私と目を合わせないようにしていた彼の声はなぜだか少し震えている。
「さっきの…と、言いますと?」
「あのマゾ男のこと」
「ああ、有弘ですか。五三郎事件の時に言ったでしょう?親戚に厄介なマゾヒストがいると」
「そうじゃなくて!」
ケイシさんは急に声を荒らげた。
一瞬、何が起こったのか分からなかった。
その場に勢いよく立ち上がったケイシさんは反対側のソファに座る私の元まで来るとその場にどさりと押し倒した。
「ケイシさ…ぁんっむぅ!?」
どうしたんですか、なんて聞く暇はなかった。荒々しく両手を掴まれ、ぎゅっときつく握りこまれたまま唇を奪われてしまい言葉を発することができなかったのだ。
「んんんー!」
やめろ、と叫んでも舌を絡め取られてしまい反抗ができない。
舌先で歯列をなぞられ、上顎をざらざらとこすりあげられる。
ゆっくりと嬲るように舌でくすぐられると、ひくんと身体が軽く震えた。
「んぷっ、んぁ……!」
「栄一さんは分かってない。俺がどれだけ貴方を好きでいるのかを。そして…貴方自身がどれだけ男を魅了するものなのかを」
「ッはあ…はあ…な、にを言ってるんですか…」
「ねえ栄一さん、あの有弘って男とどんな関係なの?」
「っ!」
ぞくりと悪寒が走った。
私を見つめるケイシさんの目や雰囲気、全てが普段の彼が放つ柔らかいものでなく、鋭く突き刺さるようなものだった。
思わず目を逸らそうとしたが、それはケイシさんによって憚られた。
「なんで目を逸らそうとすんの?そんなに俺に言えないような関係なわけ?」
ぐいっと顎をとられ、強い力で顔の動きを抑制する。逃げることはできず、彼の視線が私と絡む。
「一緒にお風呂入った?一つのベットで寝た?何それ。まじでムカつく」
「っぅ、痛い、です…ケイシさん!」
怒気を孕んだ声と共に私の手を握る強さもより強くなった。
「お互い呼び捨てで呼んだりして栄一さんも満更じゃない顔してたし。そんなにMな人が良いの?違うよね。この前俺が栄一さんを手酷く襲った時、気付いてた?栄一さんの顔、真っ赤で恍惚としてて、それはもう酷くされるのが好きなドMそのものの顔してた。実際今もそういうのを望んでんじゃないの?例えば、こういうものとかね」
カシャリ、と金属音が鳴った。
音が聞こえた瞬間、今までケイシさんに握られていた手に違和感を感じた。ひんやりしていて重い、何かで手首が繋がれた。
「栄一さんって意外と無防備だよね」
その正体は、手錠だった。
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