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トボトボと茜色に染まった路地を歩く。湊は足元に写る影法師で色んな形を作りながら俺の半歩後ろをついてくる。ときたまクスクスと聞こえてくる笑い声に、そう言えば昔もよくこうやって一緒に歩いてたななんて記憶を思い返す。
湊の父親はじいさんの弟子で、俺や秋都が生まれる前から神宮家に住み込んで舞を習っていたんだそうだ。
同じ屋内で育った俺や秋都と湊は幼馴染みと言うより兄妹に近い関係だったと思う。特に俺と湊はお互い持病持ちというのもあって、子供の頃からよく熱を出しては二人並んで布団の中で唸りあったもんだ。
何をするにも一緒で、いつも傍にいて。多分あいつの事は俺が、俺の事はあいつが一番知っていると思う。
でも、今は。
あの時、あいつに見られてしまった秋都との情事。関係。それに対して今こいつがどう思ってるのかがどうしてもわからない。
鈴兄貴に見られた事より、俺は湊に見られてしまった事の方が一番にショックだった。それは自覚している。
けどこいつは?
こいつはどう思っているんだ?
最初は誤魔化せれるならこのまま誤魔化そうも思った。
けど、今の状態は俺にとってはあまりにも……。
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