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ならしてるとかならしてないとか、そーいう問題じゃねぇよ、そーいう問題じゃ。
2・3日置きならまだしも、毎晩だぞ? 毎晩! こっちは美月に煽られてる作曲の締切をこなすのに必死だっつーのに「そんなどうでもいい事、今はいいじゃない」てこいつは押し倒して来るんだ。
どーでもいい事だったら既に自ら放り出してるっつーんだよ。
「大体同じ顔で同じ身体した俺なんか抱いて何が楽しいってんだ。お前はナルシストか」
「まぁ見た目は似てるけど。双子なんだし。でも……そうだね。じゃあたまには……」
言いながら俺の前__机の上へと腰を下ろす秋都に訝しげな視線を向ける。
「おい、どこに座ってんだよ。そこ今楽譜……」
「じゃあ今日は君が僕を抱いてよ」
奴と俺の声が重なる。
「……は?」
あまりにもさらりと軽く言われた言葉に、初め理解が追いつかず間の抜けた返答を返してしまう。
「あれ、聞こえなかった? 僕を抱いてよって言ったんだよ今」
にんまりとした笑顔を顔全体に刻んでもう一度吐かれたそのセリフに、俺の表情が歪む。
「頭わいてんのかお前」
「あ、なにそれ。人がせっかく突っ込ませてやるって言ってるのにその返し?」
「つっ」
こませてって……。
到底奴の口から飛び出たとは思えないセリフに、俺はぎょっと目を向いた。
「海都も男の子だしね。いつも組み敷いてばかりじゃそりゃ嫌気もさすだろうし。僕も君になら抱かれてもいいよ、別に」
抱かれてもいいよ、別に。って……そんな簡単に言い切っていいのか? 実の弟にヤられるって、そんな軽いもんじゃ……いや、こいつにとっては蚊に刺される様な些細な事なのかも知れないが。
「どうする? お希望なら自分から脱いであげようか。今、ここで」
上から俺を見下ろしながら、クスリと微笑む秋都。どことなく、挑発的に言われている気がするのは思い違いだろうか。
そう思うと、このままこの申し出に乗るのも癪に障るというもんだ。
「断る」
スパッと切り捨てる様に言い切って立ち上がる。
え、と惚け面で今度は俺を見上げてくる秋都を横目で睨み付けつつ「断る」ともう一度同じ言葉を口にした。
「俺は男にヤられる趣味もましてヤる趣味もねーんだよ。たまってんなら部屋帰って一人でヌケよ」
「や、別にそういうわけじゃないけど……って、あれ。何で怒ってるだい? 僕変な事言った?」
俺の態度に本当に意味がわからないと言ったふうに瞬く秋都の頭を平手でバシッと軽く叩く。
痛っと声をあげる奴を仁王立ちで睨み下ろし「馬鹿野郎」と吐き捨てる。
「前にも言ったと思うが、俺は男に掘られる趣味も掘る趣味もねーんだよ」
「だって君が受身の気持ちも考えろって言うから、じゃあたまには僕が受けてあげようかって思っただけなんだけど……」
なんで怒るんだよ、と実に不満気な顔でこちらを見てくる秋都の頭をもう一度バシンッと叩いた。
「った!! だからなんで叩くんだよ!?」
「お前、もう金輪際俺に触んな」
「え?」
「次触ったら二度とたたねぇようにするからな!」
「え、ええ!?」
言い捨てる様にそれだけ言って、ダンッダンッと不機嫌前回な足音を立てて部屋を出た____。
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