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俺達兄弟の父親である実は、おふくろと引っ付く前は故郷であるイギリスで既に違う女と結婚していたらしい。その女との間には子供が2人。それがシェリーと鈴音。
医者をやめて芸人になると言った親父に嫌気がさした(らしい)前妻は親父と離婚。鈴兄貴を親父が。シェリー姉貴は1度前妻側に引き取られたらしいけど、医者になるのが夢だったらしい姉貴は自ら医者の名門で、親父の実家であるミラグロス家に戻ったと聞いた。
でも、そうか。ここが奥村の実家って事は……。
「ママ、お客さんキタノ?」
その時、玄関の引き戸が開かれ1人の女がその奥から顔を覗かせる。少しウェーブのかかった金髪を片耳の横あたりで結わえた、鼻筋の通った綺麗な人だった。
その女の見覚えのある面差しに、今度は俺と秋都が目を見開き驚くこととなる。
「マリーアちゃん、ほら早く。出ておいで」
俺の腕を掴んだまま早く早くと手招きするばあちゃんに、マリーアと呼ばれたその女は不思議そうに笑みを浮かべながらこちらへと歩いてくる。
「ドウシタデスカ?」
「ほら、この2人がミナルティさんの息子さんだって。秋都くんと海都くんだって!」
「ミナルティ……?」
ポツリ、とオウム返しにつぶやかれた名前と共に女の口が驚きに開かれる。
「oh〜! よく来たよ!!」
いうなりガバッと抱きついてくる。そしてさっきばあちゃんがやったように俺達の手をつかむと、ブンブン上下に降った。
てかここの家族にはあれか、これが握手のつもりなのか?
「ワァオ、近く見たらリーオンそっくりね2人。可愛い!」
キーキーと甲高い声に2人で耳を抑えて耐える。このアホみたいなテンション……それにこの顔。
秋都も俺と同じことを思っているのか、少しだけ不機嫌そうに眉を寄せている。
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