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3百目鬼さんとマキ様
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ープルルルル、プルルルル…
マキ『百目鬼さんどうしたの?!なんかあった?』
杏子からの電話の後、すぐにマキに電話した。
夜中の電話に、マキは心配そうに〝何かあった?〟と聞いてきた。
何かあったのはお前だろ!
百目鬼「マキ、すまなかった」
サンタのプレゼントとして、杏子に枕元に置かせた事を謝ろうとしたら、マキは察したように笑った。
マキ『あぁ、杏子さんになんか言われた?』
百目鬼「なん…」
なんで杏子だと思った。と聞こうとしたら、マキはクスクス笑い出す。
マキ『ふふ♪、百目鬼さんが自分以外の男を家に入れないだろうし、杏子さんなら失敗も無いでしょ、だから直ぐに杏子さんだって気づいたよ♪』
マキは何事もなかったように、明るい声で話しながら、プレゼントの中身の話になるとちょっと興奮気味に嬉しそうに話し出した。
マキ『百目鬼サンタさんプレゼントありがとー♪おっきいライオンさんだね♪タテガミふかふかぁ♪』
体長1メートル近くある、真っ白なライオンのぬいぐるみ。
マキが絶対気にいると思って用意した。
凄く喜んでそのライオンを抱きしめてるのが電話越しでも伝わってきた。
マキを一人にしてる時間が多いいし、時々だが、帰れない日もある。そんな時、抱き枕があったらと思った。だが、ネットで探していたら、あの体長1メートルのライオンのぬいぐるみが目に止まり、マキが喜んで抱きつくのが想像ついて即決したものだ。
マキは喜んでる。
想像どうり物凄く幸せそうだ
…だが…
百目鬼「マキ、寂しいか?」
唐突な問いかけに、マキは一瞬言葉を失う、ほんの一瞬。普通なら見逃すぐらいの…
マキ『大丈夫たよ♪ライオンさん居るし、キングもミケもいるし♪百目鬼さんのベッド百目鬼さんの匂いでいっぱいだし♪』
ヘヘッと笑って答えるマキに、もう一度真剣に問いかけた。
百目鬼「マキ、俺と一緒にいたいか?」
マキ『えっ…』
怯えたような声が漏れて来て、マキが誤解したと気が付き、俺は言葉が少なかったと反省してゆっくりマキに問いかける。
百目鬼「マキ、落ち着け。クリスマスは俺の隣にいたいか聞いてる」
マキ『…、百目鬼さん仕事でしょ…』
百目鬼「仕事だが、俺の隣にいたいか聞いてる」
マキ『…』
百目鬼「なぁ、マキ。俺は無理だと思う事以外、お前の願いを聞いてやりたいと思ってる。…正直俺は寂しいぞ…」
マキ『えっ!?』
電話口から凄く驚いた声が響いてきて、腹が立った。
マキはどうしていちいち…、まぁ、確かに俺は寂しいっていうキャラじゃないかもしれないが。こうでもしなきゃ、お前のとても些細で小さなな願いが聞けないだろ。俺にとっちゃお前が隠してる願い事は、どれも小さくて些細なことなんだよ!なんでそんなちょびっとが口にできない!
百目鬼「もう一度聞く、寂しいか?俺の隣にいたいか?」
マキはモゴモゴ『仕事だし…』というから、「あーそうか、クリスマスを一緒にいたいと思わないんだな!」って言ってやったら、やっと観念した。
マキ『ッずるい…、その聞き方ずるいよぉ…、一緒にいたいに決まってる…』
ブツブツ言うマキに、俺は大人の力を見せつけてやる。
*****************
マキ「うわぁああーーー、一面真っ白……」
朝日が昇った、25日クリスマス。
マキは俺の出張先の長野県にいた。
始発の電車と新幹線で、出張先まで呼びつけた。
百目鬼「少しは寝てきたのか?」
マキ「ううん、ワクワクして眠れなかったぁ♪でも、百目鬼さん、本当に僕邪魔じゃない?」
マキは、うるさい。
そこは嬉しいで終わりにしとけよ。
百目鬼「俺と一緒にいるより、むつや修二たちといる方がよかったからか?」
マキ「そんな事一言も言ってないじゃん」
百目鬼「なら、喜べ。俺は仕事してるが、お前は黙って隣にいればいいだろ」
マキ「うにゅ…」
変な声出すな!
拗ねた上目遣いで見つめるな!
この場で食っちまうぞ!
睨んだら、マキは少し困った顔をして、口を尖らせたかと思ったら、…笑った。口元が緩んで、ふふっと笑って、幸せそうに目を閉じて俺にもたれかかる。
マキ「……黙って隣にいる。幸せ…」
はぁー、こいつはまったく。
クリスマスなのに仕事なのかとか、もっと構ってだとか、ないのか?
本当に黙って一日中隣にいるだけになりそうだ…
マキならやりかねない…
まったくどうしてこんな頑固なんだ…
マキが我儘を言って強請ってくれるのは、まだまだかかりそうだ…
マキが幸せそうに俺に寄り添うから…、一人で家に置いてるより、一人で寂しがらせるよりよかった。
……。
良かった。本当に心からそう思う。
だが、同時に俺の中では始まるんだ。
隣に寄り添うマキを、幸せそうなマキを…
食っちまいたい衝動との葛藤が…
獰猛な猛獣は、こんな穏やかな時間ですら食い荒らそうとする。
だから嫌だったんだ…
ここ最近忙しくて、今マキがそばに来たら、俺はきっと止まらなくなる。
この幸せそうな顔をグズグズに蕩かしてやりたい
俺はそんな野蛮人だ…
マキ「…えへへっ…あったかい…」
グッ…!
俺は、この試練に耐えられるのか?…
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