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6百目鬼さんとマキ様
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ズーーーーーーーン。。。
ッ…
また、
やっちまったッ!!
ベッドの上には、ドロドロでぐったりしてるマキ…
しかも、休憩で入ったラブホテルは制限時間を超えて追加料金発生中…
帰るための最終電車はとうに行っちまった。
あ¨ーークソっ!!
クリスマスケーキ、パティシエの雪哉に頼んで特別に閉店後に取りに行く約束だったのに…
プレゼントはまぁ、もう渡してあるから問題ない…
問題…な…
…。
そのプレゼントに嫉妬して、こんなことに…
いったい何やってんだ俺は!!
…しかも…
プレゼントの入ったリュックを真っ白に汚しちまった。
…いや、汚したのはマキで…
…いや、こいつが離さないのが悪い…
マキの精液でよごれたリュックは、取りあった時に開いたのか、中身が少し見えていた。
真っ白なホワイトラインのつぶらな瞳……
チャックを開けて見てみると、見事に真空パックされてたキュッとペタンコになったブサイクなライン。いくら真空パックっていっても、よくこんなデカイのリュックに押し込んできたなと、呆れたような感心したような…
それでいて口元がにやけるような…
マキは、俺の中の色んな感情を揺さぶる。
平和で静かであろうとする俺を、荒波の中に引っ張り出す。マキと居ると、名前も分からない感情ばかりと出会う。
腹がたつのに可愛くて
むかつくのに閉じ込めたくて
苛立つのに抱きしめたくて
素直にならな過ぎて泣かせたくなって…
こんなちぐはぐな感情ばかりで…
これを何というべきか分からない…
こんな華奢なマキの体に
俺は牙と爪を立ててばかりいて…
泣かせてばかりで…
それでもマキは、俺を受け入れ微笑む…
でもやっぱり、こうして無茶させた後は、後悔と反省が後を絶たない…。こんな風に落ち込めば、マキがまた誤解するかもしれない…
でも、傷つけたくないのに傷つけて、泣かせてばかりだと…さすがに…
男として情けない…
それでもマキは、俺に笑うんだ…
〝大丈夫♪何ともないよ♪すっごい気持ちよかった♪ふふっ♪大好きって言われてるみたいで幸せだよ♪〟
そうやって俺の何もかもを…
許してしまう…
マキ「ッ…」
気を失ってたマキがゆっくり目を開けた。
こんな日に俺は暴走して、マキをこんなにしちまったことは反省したいが、これ以上、マキに誤解させたり気を使わせる訳にはいかないと気持ちを切り替えようとした、その時…。
マキは、俺の持ってるドロドロのリュックとホワイトラインを目にして絶叫した。
マキ「あ¨あ¨ーーーーーーッ!!!!」
マキの反応に驚いて固まってると、マキはふらつきながら起き上がり、俺の手からリュックとホワイトライン真空パックを奪い取った。
マキ「酷いー!酷い酷い!神さんの馬鹿ッ!」
涙目のマキが怒った…
マキ「アーンっ!ドロドロ…」
百目鬼「汚れたのはリュックだけだ、ラインは無事だろ」
真空パックされてるんだ、外のビニールは汚れたかもしれないが…
マキ「そういう問題じゃないもん!」
ほっぺを膨らませて涙目のマキが、キッと俺を睨みつける。
始めての反応に驚きもあるが、俺の中を占めるのは、またしてもライオンライオン言ってるマキに対する苛立ちだ。
百目鬼「…汚したのは、お前のだぞ…」
思わず意地悪に言うと、マキは益々怒り出した。
マキ「神さんがワザとかかるように僕に出させたじゃんか!」
百目鬼「…」
涙目に怒るマキは珍しい…
その不思議な感覚と、驚きと、俺よりぬいぐるみを取るのかという苛立ち…
マキはほっぺを膨らませてプリプリしてる
マキ「だいたい神さんは、どうして僕にプレゼントくれるとそれを汚そうとするの!精液とか!汚れたら元に戻せないじゃん!」
百目鬼「お前が悪い」
ムスッとされて、ムスッと返すとか大人気ないが、俺は自分の複雑な心境を制御できない。
ライオンに嫉妬して、大事にしてもらえて嬉しくて、怒るマキは珍しくて嬉しいようで…
マキの腕の中のライオンにやっぱりムカつく…
マキ「ッ…そりゃ、無理に持ってきたのは僕だけど…。あーあ…、やっぱりリュックの中にも染みちゃってる…」
涙目のマキは、今度は泣きそうに拗ねる。
リュックは汚れても、ライオンは真空パックだから汚れないだろと思っていたが、マキは、リュックから何やら違うものを取り出した。
マキ「グスン…。ヨレヨレ…」
百目鬼「なんだソレは」
薄桃色の四角い紙らしきもの。
マキの精液で湿って皺くちゃだった。
マキ「…っ…僕から…」
そう言いかけたマキの気まずそうな声に、それがどんな物かピンときて、思わずマキを睨んだ。
百目鬼「なっ…、お前は買うなって言っただろ!!」
この馬鹿は、いったいいくら無駄金使う気だ!
学生の癖に、もっと金を大事に…
マキ「……違うよう、…買ってない、神さんがダメだって言うから…、僕は用意したかったけど…、神さんに隠れて用意しても、…怒ると…思って…、だから…、買ってない…、これは…気持ち…だから」
おずおずと差し出されたのは、薄桃色の封筒にデッカくて真っ赤なハートのシールの貼ってある代物。
百目鬼「は?」
マキ「……」
百目鬼「……」
マキ「……」
百目鬼「……」
現実では見慣れない漫画のようなこれは何だ?
典型的な、ラブレターのように見えるんだが…
これは一体なんだ?
買ってないって、ならいったい何が入ってる?
思わず睨むように見下ろしているだけの俺に、マキは困って悲しそうに笑いながらその封筒を引っ込めた。
マキ「あは…は…、要らない…よね…」
百目鬼「…!?、要らないとは言ってない、いったい何が入ってる。またピンクとかハートとかふざけて」
こないだの誕生日プレゼントも、ピンクのリボンで可愛いラッピングしてあった
マキ「…あはっ、…手紙…だよ…」
百目鬼「は?手紙?」
マキ「……」
手紙?俺に?
ピンクの封筒にハートのシールの付いた、手紙?
俺の人生に、最も縁遠いいものが目の前にあって困惑したが、普段ヘラヘラで済ますマキが緊張気味に持ってるから、一体何が書いてあるのか…
まさか、〝もっとエッチしたい♪〟じゃないだろうな…。いや、あり得る…
百目鬼「…何だ、握りしめてちゃ読めない」
手紙を隠すように握ってたマキから手紙を貰った。
マキは気まずそうに恥ずかしそうに俯いて、視線だけチラチラと手紙を見る俺の様子を見ていた。
ピンクの封筒には、可愛らしい便箋が入っていて、そこには、便箋5枚に渡って俺への感謝とマキの気持ちが綴ってあった。
〝神さん、大好き。いつもいっぱい僕の事考えてくれてありがとう。どんな神さんも頑張り屋さんで大好きだから、もっと自信持って。こんなに幸せにしてもらえて、大事にしてもらえて、僕もいっぱい返したいのに神さんがいっぱい僕を甘やかすから、ちっとも返せない。頑張り屋の神さんは大好きだけど、反省はもういらないよ、僕はこんなに幸せで、神さんが大大大好きだから〟
百目鬼「………………………………」
俺は…
乱暴で無神経で…
マキを喰らう獰猛な猛獣だ…
マキ「…ねぇ、神さん、僕はね…、神さんが怖がるほど壊れ物じゃないんだよ。…壊れたりしないよ、だって神さんがこんなに僕を思って愛情注いでくれてるんだもん」
怯えた子供の目をしていたはずのマキが、優しく包み込むように俺を抱きしめる。
その瞳は、俺を宥めるように、優しく細められて、ほんの少し甘みを帯びる。
マキ「神さんが大好き、ずっと好き。僕は神さんに大事にされてるし、幸せだよ」
百目鬼「……お前は…どうして…」
マキ「ふふ♪神さんが可愛いから♪」
百目鬼「…お前は可愛くない」
マキ「んふ♪ごめんね」
百目鬼「凶悪だ」
凶悪で壮絶にクソ可愛い…
百目鬼「すぐそうやって俺を許しちまう」
マキ「神さんが頑固すぎるだけだよ、過去を反省するのはいいけど、反省しすぎて僕に慎重すぎなんだよ」
百目鬼「お前は、過去の俺を知らない」
マキ「んふふ♪僕を見縊らないで♪僕は、いつの神さんと出会っても神さんを好きになるよ♪」
百目鬼「…それは無理だ」
マキ「ううん、絶対好きになった。だって神さんはいつだって神さんだもん♪僕と出会う前の神さんが暴走してたって、神さんの真ん中は、いつも誠実で優しくて不器用で可愛いもん」
…こいつは本当に…
百目鬼「…他人のことを言う時は饒舌だな…」
マキ「!」
百目鬼「自分のこともそんくらいペラペラ喋りゃいいのに、お前の気持ちを俺にも分かるように言ってくれりゃ、俺はもっとお前を知れるし、もっと返せるのに」
マキ「え?」
返したいのは俺の方
いつもいつも見透かされて
フォローされて…
百目鬼「……お前の我儘が聞きたい、お前をもっと甘やかしてやりたい、もっと…」
閉じ込めて離したくない…
マキ「ッ…、もう十分甘やかされてるよ!」
百目鬼「足んねぇ…」
マキが足りない
マキがもっと欲しい…
百目鬼「こんなんじゃ足りねぇ…」
マキ「じ…」
足りないんだ…
優しくしても優しくしても
足りないんだ…
百目鬼「…好きだ…、マキ…、お前がもっと欲しい…」
マキ「あっ…、じ…ん…ッん」
甘くとろける瞳が足りないんだ
もっともっととろけさせたい…
人生で初めて貰った手紙は
俺のことばかり書いてあった
マキの性格を物語るように
俺を気遣い好いてくれる優しさと愛情に溢れてた
こいつをどうやったら解いて全部俺のものにできるだろう…
人生で初めて俺を好きだと言ってくれるこいつに
俺はどれだけ応えてやれてるだろう
幸せにしたいんだ
泣かせたくないんだ…
めちゃくちゃにして壊してしまいたくない
繊細で優しいこいつを
もっと甘やかしてトロトロにしたい…
この気持ちをどう伝えたらいい?
この感情をどうしたら伝えられる?
百目鬼「マキ…、もう一回…いや、三回…」
マキ「にゃ?!」
百目鬼「そしたら夕食に好きなもの食いに行こう、ケーキもな。腹一杯になったら、もう一回抱かせろ」
マキ「ふえっ!?」
百目鬼「明日1日中可愛がってやる」
マキ「……明日…一日中…って、まだ今日終わってな…」
百目鬼「それでもまだ足りないがな…」
マキ「!?」
百目鬼「お前の気持ちに応えなきゃな」
人生で初めて俺を愛してくれる人に出会った
マキは、クソ可愛くてどうしようもない
平和であろうとする俺を荒波へ連れ出す
人生で初めてラブレターを貰った。
一生縁がないと思ってた贈り物
こんなに嬉しいものはない
マキの気持ちのこもった可愛らしい便箋5枚ぎっしり
その何倍も俺の気持ちを返したい
百目鬼「…一生を貰っても足りないから、安心して抱かれてろ」
マキ「ぁっ…神さ…、………………熱い…」
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