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俺たちの始まりは【華南】12
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せっかく相談に乗ってもらったのに、結局解決にはいたらなかった。
華南「…ただいまー」
…我慢はするな、無理をさせるな…
それが一番難しい…
修二「おかえり、華南」
頭を悩ませて家に帰ると、修二がリビングから足早に玄関にやってきた。
…珍しい…。俺の時は滅多に玄関に迎えに来ないのに…。っても、いつもは俺が帰るとだいたい修二は料理中だからなんだけど…。
あっ、そうだ、俺、修二に怪しまれるほど顔に出てたんだった。なのにマキを送って遅くなったら、何か話してたって気付かれるよな…
修二「外は寒かったでしょ、明日は雪が降るって」
修二に変わった様子はないけど、意識してそうしてるんだと思った。
修二「今、むつがお風呂に入ってるから、華南も入ったら?」
百目鬼さんもマキも、俺に素直になればいいと言った。だったら…
俺を気遣っていながらそうじゃないふりする修二を、健気で可愛いから押し倒してしまいたいって思ってんのを実行してもいいんだろうか?
うぅ…
修二「それとも暖かい飲み物入れようか?」
華南「…あぁ、コーヒー飲みたいな」
修二「分かった」
修二が微笑んでリビングに戻って行く。
結局、俺は修二を押し倒すのを躊躇した。
いやいやいや、盛ればいいってわけじゃねーし。
頭を振って俺もリビングへ向かう。
修二にコーヒーを入れてもらい、修二も紅茶を用意してテーブルに向かい合わせに座った。
たわいもない会話をして、むつが風呂から上がってくると、修二はいつものようにむつの世話をやきだす。むつも俺も明日は仕事。むつはもう寝るわとリビングの隣の和室に引っ込んだ。修二は明日は寒いからと、布団を足しにむつを追いかけ、リビングには俺1人になった。
正直1人になった瞬間ホッとした。
修二に今なんか聞かれたら、うっかり全部行っちまいそうだったから…
しかし、その時。
とんでもないメールが届いた。
差出人はマキ。マキは今頃百目鬼さんとお仕置きという名のイチャイチャしてるんだと思ってたから一体なんだと思ったら…
〈修二が本音言ってるか知りたいなら持って帰った惚れ薬を一滴飲ませてみたら?僕と百目鬼さんはそれで相性いいの分かっちゃったし♪華南に惚れた状態の修二との違いがわかるよ( ๑ ❛ ڡ ❛ ๑ )テヘペロ♪〉
は?
え??
なッ!?
し、しまったーーーーー!!!!!
百目鬼さんから隠したつもりが惚れ薬と媚薬持って帰って来ちまったぁあ!!!
しかも何の罠なんだ!!修二の飲みかけの紅茶が目の前にあって修二が不在とかタイミング良すぎだろうよ!!ええっ!?試されてんのか?俺は神様に…いや、マキ様に試されてんのか!?
いやいやいや!!
迷っちゃダメだろ俺!!
しかし、目の前の修二の紅茶が誘惑してくるように見える。
《華南に惚れた状態の修二との違いが分かるよ》
ぐぬぬぬっ…
《華南に惚れた状態の…》
うぐぐぐ…
《僕と百目鬼さんはそれで相性いいの分かっちゃったし…》
うわぁぁぁぁあ…
《テヘペロ♪》
………………………。
修二「もう!むつのバカ!明日仕事でしょ!」
顔を真っ赤にした修二が、服を乱しながら和室から逃げ出してきた。
むつとキスしたんだろう。汗ばんだ額を拭い髪を整える修二の唇が少し濡れて首まで赤く染まってる。
修二「華南ごめん、僕ちゃん先にお風呂入るね」
華南「…あぁ…」
修二はコップに入ってた残りの紅茶を全部飲み干して、台所に引っ込んだ。
華南「修二…」
ーゴトッ!
俺が呼ぶと、台所のマットの上に陶器の物が落ちた音がして修二が台所から顔を出した。
修二「な、…なに?」
華南「……大丈夫か?」
修二「…あはは、大丈夫大丈夫、ちょっと滑っただけ、コップは割れてないから」
修二は照れ笑いしながらコップを拾い、真っ赤な顔を隠すように風呂場に消えて行った。
……。
……。
……。
……紅茶…全部飲んだんだよな…
俺の顔見た…よな……
一滴って書いてあったよな…
バクバク激しい俺の鼓動は、緊張感だけじゃない、悪いことをしたって罪悪感を含んで…
でももう後戻りできないからだ………
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