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俺たちの始まりは【華南】17
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俺を抱きしめてた修二の腕に、そっと力がこもる。
俺の考えがバレてるんだ。
だって修二の声がどんどん優しくなっていく…
修二「華南の声が好きだった、気持ちが落ち着く優しい低音、慣れないナンパしてるみたいに一言を選んで話しかけてくれて。お菓子とか野菜ジュースとかいっぱい差し入れてくれようと気遣ってくれる優しさが嬉しかった。華南の大きくな手が、触れて抱きしめてくれたらって思ってた」
華南「ッ、抱きしめてやりゃよかった」
修二「ふふっ、あの時の僕ちゃんには難しかったかな。あの時は整理出来てなくて。でも、その気持ちやその時感じた華南は正しかった。2年生になって知り合った華南は、やっぱり、優しくて頼れる奴だった」
華南「…マジ?エロ魔神じゃなくて?」
修二「華南はずっとエロ魔神だよ♪」
華南「…」
修二「落ち込まないでよ、良いじゃないエロ魔神、だから二人も相手にできるんでしょ」
クスクス笑われて〝良いこと〟だとは思えない、けど、修二がそんな風に笑うなら、それはそれで良いか…。
華南「…もっとカッコ良いのが良かった。むつみたいに、ヒーローみたいだとか…」
修二「華南はヒーローだよ。むつが太陽のヒーローなら、華南は風のヒーローかな、穏やかな春を運んでくれて、時に強く背中を押してくれて、落ち込んだら頬を撫でてそよいでくれる」
華南「…いいな」
修二「ふふっ、でしょ。華南はずっと僕ちゃんのヒーローだよ。カッコよくて優しくて懐の広い…エロ魔神♪」
華南「…何で最後落としちゃうの…」
修二「落としてないよ、良いことだよ」
華南「どこが?修二のこと抱きまくって動けなくしちまうとこが?」
修二「……」
真っ赤な顔で睨む修二。
あぁ、可愛くてまた抱きたくなっちまう。
修二「もぉ…、こんなに正直に話してるのに、まだへこむの?」
華南「悪かったよ、もう、こんな俺止める」
修二「……………、違くて…」
華南「ん?」
顔を赤らめた修二が困った様に俯いて眉間に皺を寄せたと思ったら、何かを決意した様に勢いよく俺の顔を両手で挟んでキッと真っ赤な顔で睨む。
え?エッ?
怒った?怒った?
何で??
修二「馬鹿ッ!」
華南「ッ…ごめん」
修二「僕も華南と同じに好きだって言ってんの!」
ええッ!?
修二どうしちゃったの!?今日は熱烈!!
って!!俺が惚れ薬飲ましたからだろうが!!
でも!それでも心の準備が!!想像の遥か上の告白っぷりで、俺鼻血出そう!?
修二は俺の反応が、気に食わないみたいで、どんどん困って恥ずかしそうに真っ赤で、今にも爆発しちゃいそうで…
修二「ッ…ッ…」
華南「しゅ、修二?」
修二「ッ…言わなきゃ…伝わらない…のか…」
華南「えっ、伝わってるよ!修二が俺を好きでいてくれてるって、ちゃんと分かってるよ!」
修二「ッ…だから…」
羞恥で苦悩する修二が、今にも弾けちゃいそうなくらい真っ赤っかで、俺と目を合わせるのに耐えかねて俯いたと思ったら、胸ぐらガッと掴まれた。
修二「華南が言ってくれた言葉と同じに、僕も華南を好きなんだよ!」
華南「えっ?いっぱい好きってことだろ?だからちゃんと分かって…」
やべー、修二の血管切れちゃいそう…
修二「ッッッーーーッツ!!
だからッ!ッッッッツー!!!
…こ、恋人がッ!!!いん…!、…ぇ…っち…な…のは、…僕にはおいしい話でッ、嫌な記憶なんか無くなるくらい、いっぱい、何も考えられなくなるまでこうして、だ…、だ…、抱きしめてもらえて上書きして貰えた!!!華南は何にも出来なくない、集団の中にもいられるようにしてくれた!
自分の言ったこと忘れんな!!」
あっ……………
その言葉……
華南『俺、気の利いたことは言えないし、治してはやれないけど、…恋人が淫乱って、俺にはおいしい話だし、お前の嫌な記憶が無くなるくらい満足するまでヤって上書きすればいいだろ?』
百目鬼との過去を話してもらった時、俺が言った言葉…………。
修二「華南、忘れちゃってるみたいだけど、僕はずっと覚えてた、華南は優しい言葉をくれるし、治せないとか言ったけど、僕は華南とむつのおかげでこんなに変わった。ちゃんと伝えらあれなかったかもしんないけど…。僕ちゃん話したよね。何をずっと隠したかったか、僕…、僕は…」
修二は、SEXに溺れた自分をむつに知られるのを怖がってた。
そうだ…
修二は、タガが外れるといつも「もっと…」って言う。普段からは想像できないくらいエッチで甘えたで、キスが好きで何度もしたがる…
そうだ…
そうだった…
修二は、頑固で恥ずかしがり屋だった…
そうだった…
2年以上付き合って今だにキスで照れちゃうくらい恥ずかしがり屋で、腰抜けちゃうくらい感じ易いエロエロちゃんなんだ…
修二「…ちゃんと伝えられてないかもしれないけど、僕だって男だし、い…、いっぱいシたいよ?……だけど華南とむつに抱きしめられるとすぐ飛んじゃって、とんでも無いことばっか言っちゃって死にそうだし、結局感じすぎて動けなくなっちゃっうし……、その度に気遣って貰ったり悩ませたり申し訳なくて……、なんか無理に自粛させて。言わなきゃ伝わらないって分かってたけど恥ずいからホントどうしたらって…。マキにはずっとそのまま言えばって笑われてて…」
華南「はっ?!マキ!?」
修二「……マキは、ほら、何でもお見通しだから…」
あれ?
アレレ?
マキは、全部知ってたのか…
俺側の悩みも、修二側の悩みも、全部しってたんだ…。
だからずっとニヤニヤ笑って…
あっ、
…なんか嫌な予感がする…
華南「…も、もしかして、俺のことマキから聞いてた?」
修二「……華南がマキに何て言ってたかは聞いてない、マキは華南の様子がおかしいのに気付いてる僕ちゃんに気付いて話をしてたから。
でも…」
ーゴクリ
嫌な予感に大きな音を立てて喉が唾を飲み込む。
その予感を現実のものだと知らしめるように、修二の顔は恥ずかしそうに俯いた。
修二「…華南が帰ってくる前にマキからメールが来た」
華南「………」
修二「…マキが華南に惚れ薬持たせたって」
NOoooOOOOッ!!!!!!!!!!!!!
マキ様!!NOoooOOOOッッッッ!!!!!
ジーザス!!!!!
クレイジー!!!!
マキ様クレイジー!!!!
えげつなさすぎじゃないッ!!!!
!!
え?
じゃあ修二は仕込まれてたの知ってたの?
ってか仕込まれてるって分かったなら惚れ薬避けて飲んだフリとか?
いやいやいや、目の前で飲み込んでるの見たし!!
じゃあ飲んでたんだよな?
惚れ薬効いててこんなこと言ってるんだよな??
惚れ薬効いてるから俺とあんな大胆なエロエロSEXしてこんな大告白してくれてんだよな??
あれ?
俺…………………、修二とSEXしたんだよな。
………あれ?
修二はエロエロで、素直で…
今もまさに素直真っ只中で…
惚れ薬…効いてるんだよな…
あれ?
修二とSEXしまくったのに…惚れ薬今だに効いてる?
あれ?
じゃあ…もしかして…
今の修二って…
修二「……なんて顔してんだよ馬鹿」
華南「しゅ…」
修二「馬鹿だね華南」
華南「ッ…ごめん…」
修二「ほら…」
真っ赤で恥ずかしそうな修二が、両手を広げてくれた。
俺のために…
優しく優しく包み込むように…
心臓バックバクいってる。
華南「ははっ、修二の心臓出ちゃいそうだな…」
修二「そうだよ、心臓飛び出して世界一周しちゃいそうだよ!」
華南「…俺も、心臓飛び出しちゃうくらい大好きだよ」
修二「ッ……僕ちゃんも大好き」
華南「………………、修二…」
修二「ん?」
華南「和室に移動しよっか…、3人で一緒に寝よう」
抱き合った修二の自然な心臓の鼓動を聞いて、なんだか全部に安堵した。
修二「うん、きっとむつが大の字で寝てるけど」
華南「むつもいっぱい抱きしめようっと」
修二「…、僕ちゃんとこんなにシたのに、寝てるむつ起こさないであげなよ、明日仕事だし」
華南「ハハッ、むつはまた明日いっぱいチューする。今夜は抱きしめるだけだよ。だから、その前に…」
修二「うえっ?…は?え?…」
華南「修二をもう一回抱きたい」
修二「ええっ!ま、待って、もう僕ちゃん腰立たな…」
迫る俺を押しのけようとする修二は、待ってとは言ったけど嫌とは言ってない。
華南「ははっ、いいよ、俺、いくらでも〝待つから〟。その代わり朝になってむつが起きるまでに返事してくれないと、むつも入って3人になっちゃうよ」
修二「ッッッ!!」
華南「いくらでも待つよ、それが俺の良さだもんな。あと一回修二に甘えたら、もう元どおり元気いっぱい性欲魔神に戻るよ。むつと修二2人を後ろから支える風のヒーローに…」
修二「…………………。
明日…華南が晩ご飯作ってよ…」
華南「あぁ、だから、修二はむつが仕事から帰ってくるまで〝ゆっくり寝てて〟」
修二「………」
『寝ててっていうか、足腰立たないからでしょ』って仕方がないなって顔した修二が、恥ずかしそうにキスしてくれた。
それは、お許しのサイン…。
惚れ薬を飲んでも飲まなくても修二は変わらない。
ただ、ちょっと恥ずかしがり過ぎるだけで
飲んでも飲まなくても同じなんだ。
惚れ薬の効果が無くなるのは、
自然と切れるのを待つか
もう一度飲んで別の人に惚れさせるか
一度射精させれば消える…
そもそも、マキから貰ったり真っ赤なハートの小瓶は、本当に惚れ薬が入ってたのか…
入ってたとして…
いつから修二が自分から心の内を見せてくれたのか
惚れ薬に頼ろうとしたズルい俺には分からない。
ただ俺たちの始まりは、きっと、マキと出会って3人でSEXする前から、心のどこかで始まってたんだ…、それぞれがそれぞれを、尊敬して憧れて…好きだったんだ…
〈俺たちの始まりは【華南】完〉
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