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アルバム絵本
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【sideマキ】
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後数日で今年が終わる。
年末の追い込みと、新年に向けての支度とでみんなが忙しくしてる中、百目鬼探偵事務所はやっと今年の営業を終えた。
やっとゆっくりできるんだけど。
百目鬼探偵事務所は個人の事務所なので、電話相談は受け付けてるし、知り合いがトラブったら百目鬼さんはすぐさま出動するだろうけどね。
一応長期休み。
僕は、昨日は一日中ベッドの上。
トイレとシャワー以外は降ろしてもらえなかった。まぁ、別に降りたいなんてこれっぽっちも思わないけどね♪
華南も修二と仲直り出来て、むつと3人でラブラブに過ごせてるみたいだし。
とてもハッピーな時間が続いてる。
…。
あの3人は、きっとこれからも大丈夫だ。
むつは、暴走することもあるけど、根本を見失わない超絶まっすぐな男だし。
華南は、………
『マキはすっげー可愛くなった』
『羨ましいなぁーって思うよ。そんな風にマキを変える百目鬼さんも、気持ちの変化が起こってそれにアタフタするマキも』
『マキと付き合ってからのあんたの事は、頑張ってると思うし、まだまだ雑だし不器用だけど、あんたの良さはマキから腐るほど聞いてっし、マキをどんなに大事にしてるか、この目で見てる。だから、体当たりでいつまでも恐れず変わっていこうとするあんたとマキの事を、俺は羨ましいと思ってる。馬鹿な事でもなんでもない』
……凄くいい男だし…ね…。
修二は、日々強くなって、まぁ、まだまだ頑張って素直になってもらわなきゃだけど、あの2人に愛されて幸せいっぱいだし…
このまま、ずっと続けばいいのにな…
こんな幸せな時間が…
******************
マキ「百目鬼さん♪菫ママに出し巻き卵の作り方教わったんだぁ♪形はイマイチだけど味は大丈夫だよ、食べて食べてぇ♪、ハイ♪あーん♪♪」
百目鬼「ッ!?、アホ!自分で食える!」
マキ「ふふ♪、お店のみんなが見てるからって恥ずかしがらないでよ♪♪」
百目鬼「俺の話じゃない!お前の行動が馬鹿だと言ってんだ!」
マキ「…グスン…。出し巻き卵が不細工だから食べてくれないの…」
百目鬼「バッ!んなこと言ってんじゃない!ここは菫の店だぞ、周りをよく見ろ。箸を置け!自分で食うって言ってる!」
マキ「うぅ…、僕の作ったもの食べたくないんだ…」
百目鬼「違っ…んなこと言ってないだろ!」
マキ「(うるうる…)お料理いつまでも覚えられない下手くそだから、あーんさせてくれないんだぁー」
百目鬼「グッ…分かった!食う!食うから!」
マキ「わぁーい♪♪、ハイ、あーん♪♪」
百目鬼「……」
マキ「どぉ?」
百目鬼「…美味いよ…」
マキ「えへへ♪♪、焼いたのは僕だけど、味付けは菫ママだからねぇ♪♪もう一つどうぞ、ハイ、あーん♪♪」
百目鬼「……もういいだろ…、頼むから、膝の上から降りろ…」
マキ「えー、僕重たい?太った?百目鬼さんの手作りご飯美味しすぎて食べすぎかなぁ?、重たいなら少し食べる量減らさなきゃダメかなぁ。あんなに美味しい百目鬼さんの手作りご飯、食べるの減らすなんて出来るかなぁ…、でもデブになって百目鬼さんに嫌われちゃったら…」
百目鬼「ッ。…………分かった、好きにしろ…」
年末の繁忙期に僕を寂しがらせたのを償うみたいに、百目鬼さんは僕の我儘を許してくれる。
菫ママの店のみんなの前でベタベタしても、眉間にシワ寄せて困った顔しながら降参状態。
マキ「えへへ♪♪百目鬼さん大好き♪♪」
周りのひやかすような視線に百目鬼さんは頭を抱えてるのに、背後からジトッとさらなる追い打ち。
賢史「リア充め、喧嘩して揉めてしまえ。そして俺に女王様を一晩貸せ」
この、恨み節でナンパしながらブーたれてるのは、
賢史(けんし)さん。
百目鬼さんと似た体格なのに、モサっとしてヨレヨレの服に無精髭、眼力のある鋭い瞳で睨みながら、むさいおっさん臭のするこの人は、百目鬼さんの友達で、刑事さん。
そして、見た目の割にめちゃめちゃ観察力と心理戦に長けた仕事ができる人。
そして、百目鬼さんのこと誰よりからかうけど、誰より友達思いの人。百目鬼さんをいじめる奴がいたら、賢史さんが黙っちゃいない。
賢史さんは、身なりを整えれば、それなりのイケメンだろうに、恋人欲しいと言いながら、ちゃんとした格好をせずにふざけてばかり。
百目鬼「ふざけんな賢史、マキを貸すわけねぇだろ!。ナンパが上手くいかなくてクリスマス1人だったからってマキをゲスい目で見るな!」
百目鬼さんは賢史さんを思いっきり睨んで、視界から消すように僕を抱き込んで隠した。
賢史「いいじゃんちょっとくらぁーい、女王様のエロエロにいやらしい体を独り占めなんてズルいぞ。女王様はみんなのものだ、ねぇー菫ママ♪」
賢史さんの問いかけに、菫ママは呆れ顔。
菫「賢史ちゃん、確かにマキちゃんの可愛さはみんなのものだけど、あんたにだけは触らせないわよ」
賢史「えー」
着物を綺麗に着こなした大柄おカマの菫ママに野太い声で怒られて、賢史さんは子供みたいに駄々をこね、そんな2人のやりとりに、百目鬼さんは怒って「ふざけんな!マキは俺のもんだ!」って更に子供みたいに目くじら立て、僕をぎゅっとしてくれるから、僕は嬉しくてにやけちゃう。
それを見た賢史さんが、懲りずに僕にちょっかいをかけてきた。
賢史「女王様はクリスマス恋人に甘えられなくて寂しかったろ、クリスマスだけじゃない、神は仕事人間だからちっとも休みなくて寂しかったよな、俺なら毎晩可愛がってやるぜ、今からでも俺んとこおいで」
マキ「ふふ♪賢史さんだって昼夜問わず呼び出されて忙しいでしょ、それに僕は百目鬼さんと居られればどんなとこにいても幸せだから♪」
賢史「ちぇっ」
マキ「最近仲良しのつよしとユリちゃんはどうしたの?」
僕の後輩のつよしとその姉(あに)のユリちゃんは、いつの間にか賢史さんと仲良しさんになってた。
つよしはまだ高校生で、小柄でおどおど気弱なのに、芯は真っ直ぐのエメラルドグリーンの瞳を持つハーフ君。
ユリちゃんもエメラルドグリーンの瞳でハーフ、そして綺麗な顔立ちの美人なニューハーフちゃん。弟のつよしをすっごく可愛がってて、ナンパで下品な賢史さんからつよしを守ろうと賢史さんに飛び蹴りかましちゃた事もある。
まぁ、そんな事もあるんだけど、賢史さんはユリちゃんの事もつよしの事も気に入ってるから、お得意のナンパな魔術でユリちゃんを口説いたりして、ユリちゃんが恥ずかしがったりしたり、なんかかんか仲良しさん。
賢史「あぁ、あの2人は実家に帰ったよ、年末年始だからな」
マキ「賢史さん、2人が居なくて寂しいんでしょう♪」
賢史「別にぃー、つよしは可愛いけどまだまだお子様だし、ユリはつよしに手を出すなってすぐ噛み付くし、それより俺は甘ーい極上のsexを楽しめる恋人が欲しいぜ…」
いやらしい顔してこんなこと言ってるけど、寂しいくせに。
マキ「恋人欲しいなら、その無精髭そったら?」
賢史「ばーか、そんなことしたらイケメン過ぎてモテまくって大変だろ」
マキ「ふふ♪うわー、自分で言っちゃう?」
賢史「事実だからな。学生時代なんか女切れた事ねぇーんだぞ」
自慢げに話す賢史さん、怪しいなぁと思って百目鬼さんを見たら、「こんな奴がなんであんなモテるか理解できん」って言ってたからどうやら本当みたい。
だとしたら、こんなにふざけないで綺麗な格好してればモテるんだろうに。なんで恋人欲しいって言う割にふざけてばかりなんだろうな…
賢史さんの春はまだこなさそうだなぁ…
と、思ってたら、賢史さんが僕にまたちょっかいかけて百目鬼さんにすっごい怒られた。
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