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アルバム絵本
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神さんは、仲良しの義兄弟の凛さんと蘭さんと甥っ子姪っ子に囲まれて、凛さんの運転する車に押し込められるよう実家に連れて行かれた。
神さんは、自分の車で行こうとしてたけど、ちょっと顔出して帰るつもりでしょと蘭さんに怒られ、可愛い甥っ子姪っ子に一緒に遊んでよとせがまれ、渋々、凛さんの車に乗った。
あーあ、あれは今晩帰ってこれないんじゃ無いかなぁ。
って、思いながら車が見えなくなるまで見送って、僕は、百目鬼事務所の三階の自宅に戻った。
玄関ポストには、年賀状が数枚届いてた。
その中には、僕宛に、先生と泉から。
家出中お世話になった先生と泉には、百目鬼さん家の住所を教えてある。2人とも達筆な筆で書いた手書きの年賀状だった。今まで一緒に住んでたから、年賀状が来るのがなんだか不思議な気分。不思議なんだけど、ああ、百目鬼さんと一緒に暮らしてるんだなって改めて感じて、なんだかニヤニヤしちゃった。
マキ「ただいまぁー、ミケ、キング」
家の中には、放し飼いの猫のミケと、ゲージの中の子犬のキングが僕の帰りを喜んで迎えてくれる。
2匹は最初はあまり仲良くなかったけど、今は大の仲良し、放し飼いのミケは、僕と百目鬼さんが出掛けると、いつもゲージの中のキングの側に行って、2匹で仲良くお話ししてる。
マキ「ねぇねぇミケ、キング、聞いてよ。今ね、事務所の前で百目鬼さんの妹さん達と甥っ子と姪っ子に会ったんだよ♪」
キングは、〝百目鬼!?また百目鬼の話かよ〟って顔を顰め、振ってた尻尾を下げちゃった。
キングは本当に百目鬼さんにそっくりになってきた、僕を独り占めしようと百目鬼さんと張り合う。
百目鬼さんは百目鬼さんでキングに似て子供みたいに子犬と同じ目線で喧嘩する。
なんかかんか喧嘩はするけど、結局食いしん坊のキングは百目鬼さんの作るご飯が大好物だし、百目鬼さんはキングの世話をこまめに欠かさずやってるし、仲良しなんだけどなぁ…
それに比べて、猫のミケは百目鬼さんの妹と聞いてちょっと嬉しそうに僕にすり寄ってきた。
ミケ「ニャーゥ」
マキ「ミケは百目鬼さんの妹さんや甥っ子姪っ子に会ったことあるの?とっても可愛いよね♪」
ミケ「ニャー」
マキ「ミケもそう思う♪?」
擦り寄るミケの頭を撫でると、ミケはゴロゴロ喉を鳴らしながら気持ちよさそうに僕の膝の上に乗ってきた。
ミケの温もりがなんとも言えない、ぎゅっとしたい気持ちになるけど、ミケはぎゅっとすると逃げちゃうんだよなぁ。ミケは百目鬼さん大好きだけど、束縛されるのは嫌いみたい。
マキ「百目鬼さんがご家族と仲良しで安心した」
ミケ「ゴロゴロ」
マキ「甥っ子姪っ子と接してる時の百目鬼さん、とても優しい顔してたんだ、相変わらず困ったように眉間にシワが寄って睨んでるみたいになってたけどね。目がね、困ってうるっとしちゃってて、すっごく可愛かったぁ」
百目鬼さんはいつも、大事にしたい相手の前で困ってる。自分が触ったら壊してしまうんじゃないかって、凄く怖がってる。
そんなことないのに、すっごく優しいのに。困った顔しちゃうから眉間にシワができて、睨んだみたいになっちゃうだけなのにな。
ミケは「そうなのよ困ったご主人様」って感じで返事してるみたいで。
キングは、僕に抱っこされてるミケに嫉妬して、僕も抱っこしてって吠えてる。
吠えてばかりだけど甘えん坊。
キングは百目鬼さんみたい。
吠えてばかりだけど、本当は大事な人たちと一緒にいたいだけ…
ーピリリリン♪ピリリリン♪
夜7時過ぎ、キングとミケと遊んでいたら、寝室の方から携帯の音が聞こえた。
マキ「あっ、そうだ、僕、携帯忘れてた」
キングを抱っこしたまま寝室に取りに行く、ベッドサイドに、僕と百目鬼さんが行ったデートのお土産のぬいぐるみがぎっしり置かれてる脇で、僕の携帯がチカチカ光ってた。
電話は、百目鬼さんからだった。
顔出して終わりのつもりだったけど、夕飯を食べていく事になったとの事。
百目鬼『すまないマキ、夕飯だけ食べたら帰るから』
あーもー、電話越しでもわかる。きっと今凄く困った可愛い顔してる。
電話してる百目鬼さんの後ろで、さっきの甥っ子姪っ子や、他にも沢山の子供達の声が聞こえてる。
『おじちゃん帰っちゃうの?』
『だっこー』
『ずるいー、あたちもー』
ふふふ♪、百目鬼さんが子供達に囲まれてるとこ生で見たかったなぁ。
百目鬼『うるさいテメ…、うるさいぞ、電話できないから、あっち行ってなさい、こら、膝から降りて…』
タジタジの神さん、なんて可愛いんだろ♪
マキ「いいよ、ご飯なら菫ママんところに行けばいいし、僕の事はいいからさ、神さん泊まって来なよ」
百目鬼『は?…、いや、帰る』
マキ「…久々の実家でしょ、それに、そっちで気になる事あるんじゃない?」
神さんは、妹の蘭さんに〝おじいちゃんおばあちゃん〟のこと言われた時、目が心配そうにしてた。
それに、僕知ってるんだ、おじいちゃんもおばあちゃんも、足が悪くなったから、定食屋さんで働けなくなったって…
百目鬼『……』
マキ「ね、ゆっくりしてきて、お土産に帰ってきたら兄弟と甥っ子姪っ子の話を聞かせてよ♪」
百目鬼『…いや、だか…』
マキ「ね♪、側にいてあげて」
百目鬼『……分かった』
マキ「やだー暗い声出さないで♪僕楽しみなんだから、あっ、写真撮ってきてよ、いっぱい撮って今の神さんの家族を見せてよ♪」
百目鬼『…ああ』
百目鬼さんは、最後まで心配そうにしてたけど、メールいっぱいするからって事で納得して、実家にお泊まりする事になった。
百目鬼さんは忙しくて、僕の知ってる限り去年は一度も実家に行ってない、きっと、行きづらいんだろうな、あんなにわんさか小さい子に囲まれて、オロオロする姿が目に浮かぶもん♪
どんなおみあげ話が聞けるか楽しみ♪♪
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