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アルバム絵本
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奏一さんは、昔、修二が監禁されて強姦されてる現場を見た。
大好きな弟を攫われ、リンチされてるかもと心配していた奏一さんには、受け入れがたい光景だったろう。
そんなことがあった修二も、心に大きな傷を負ってトラウマになったけど。今は、修二を支えてくれる恋人がいて、何より、奏一さんがいる。今の修二は、沢山の人に守られ、愛され、心のゆとりが出来てきた。修二の願いは、今まで散々苦労かけた奏一さんに幸せになってもらうこと。
…その気持ちはよくわかる。
マキ「…修二は、奏一さんが男の人を好きになったら嫌なの?」
修二「!?。………」
僕の問いかけに修二がビクッと驚く。少し迷った視線は、複雑に思考を巡らせ、何度か瞬いて俯き、修二は静かに首を振った。
修二「違う…。マキの言おうとしてることは分かる。…ただ…、兄貴は、僕のせいで、7年前から恋愛がうまくいってないんだ…」
…。
だろうね。
弟が強姦された光景を目の当たりにして、奏一さんはすべての責任は自分にあると責めてる節があった。
女の人と抱き合ったとしても、あの時の光景を思い出す事があるんだろう。
奏一さんは強くて綺麗だ。その分、なんでも1人でやろうとしてる。そこんところは、修二とそっくり。
修二「兄貴は、僕のことばかり優先して、片親だから、ずっと父親代わりしてくれて、自分のことは後回しで…、あの時から、7年間ずっと彼女も作らなくて。兄貴モテるのに…。本当は僕が男と付き合うっていうのも抵抗があって、でも、僕のために理解してくれようとしてくれてて…」
マキ「…」
修二「だから…、兄貴にはうんと幸せになってもらいたいんだ。幸せになってもらいたいから、…、だから、兄貴には、嫌な思いして欲しくない…」
マキ「…、遠ざけるってこと?男同士の恋愛から…」
修二「心配しないで、僕は離れようとか思ってない、そうじゃなくて…、兄貴は、まだ気にしてるから、あの時、僕を救えなかったって…、僕は兄貴のおかげで元気になったのに、何回言っても、やっぱり兄貴の中には残ってて、今も無理してるとこあるから…、だから…。アヤさんには悪いけど、あまり兄貴を刺激しないで欲しいと思ってて…、アヤさんはとても良い人なんだよ、兄貴の相談に乗ってくれてるし、兄貴は、凄く頼りにしてるし…、だから、…ごめん…上手く言えないけど、そっとしといて欲しくて…」
マキ「…修二の言いたいことちゃんとわかってるよ。ちょっと意地悪な質問したね」
修二「ううん。…だだ…、ただね…」
マキ「うん…」
真剣な表情だった修二が、両手で顔を覆って蹲りながらため息まじりに嘆き出す。
修二「マキがアヤさんの味方しちゃったら、絶対どうにかなっちゃいそうなんだもん!!」
マキ「あー、僕って片思いの人の恋のキューピッド魔性のマキ様だからね♪♪♪」
ニコッと笑ったら、修二が嫌そうで恥ずかしそうに僕に涙目で訴える
修二「身をもって体験しております」
マキ「叶って良かったでしょう♪♪」
修二「だから怖いんだよー!!」
珍しく困惑して表情がコロコロ変わる修二、なんて可愛いんだろうって思いながら。これが、奏一さんの事だから冷静になれないのか、むつと華南と上手くいって表情が豊かになったのか考えるのも楽しい。
修二「その気がなくてもその気にしちゃいそうで!」
マキ「あはは♪♪、いくらなんでも、その気のない人をその気には出来ないよ♪」
修二「マキはどんなノン気も落すでしょ」
マキ「〝僕は〟どんなノン気もその気にするよ♪僕って可愛いからぁ♪♪」
修二「…ですよねー」
マキ「あはは♪、もぉー、そこは違うだろってツッコんでくれないと」
修二「可愛くて可愛くて恋人(百目鬼さん)は、大変だねぇー」
マキ「えー、そんなツッコミ入れちゃうのぉー」
修二最近直ぐ百目鬼さんの名前を出すんだからぁ…。僕が百目鬼さんに弱いの知ってるからってー…、チェッ、今度むつと華南に新しい大人のおもちゃプレゼントしとこーっと♪♪
緋色「仲良しだねお二人さん、何隅っこでコソコソしてるの?」
ニコニコ緋色さんが近づいてきた。
見ると、緋色さんの後ろで奏一さんが潰れてる。
マキ「奏一さん大丈夫?」
緋色「奏一さんは谷崎さんが見てるから大丈夫。奏一さんずっとマキ君の心配してたよ、俺の餌食になるんじゃないかってw。マキ君は奏一さんに随分気に入られてるんだね」
マキ「…ふふ♪僕って可愛いから♪」
緋色「確かにw。……」
チャラく笑った緋色さんの視線が、僕を上から下までじっくり見つめた。
…やっぱり、その視線はいやらしくはない…でも、ずいぶん僕をじっくり見るんだなぁ…、視線だけで撫でまわすような、芸術的観点からなのか…、僕の姿を覚えておくようしてるように見える。
マキ「そんなに見つめて♪、僕のこと気に入った?」
緋色「あはは、気に入った気に入った、すっごい可愛いから、是非モデルになって欲しいなぁw」
どうしてだろう。
緋色さんはまるで僕の思惑が分かるのか、疑うとスルリとかわして笑う。それはどこから奏一さんに似てる、僕のこと、分かった上で子供扱いしてるみたいな不思議な感じ。
ーピーンポーン
その時、玄関のベルが鳴った。
奏一さんが潰れてるので、修二が玄関に向かう。
また、朱雀の誰かが挨拶に来たのかも…
ーガチャ
修二が玄関を開けると、その人は元気よく飛び込んできた。
「奏一さん、修二君、あけましておめでとうございまーす!」
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