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アルバム絵本
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僕は、タカさんと隣の駅に向かい、百目鬼さんと合流した。
百目鬼さんに「もっとゆっくりしてくればよかったのに」って言ったらすごい睨まれた。
やっぱ奏一さんと全然違うなぁ。
ここで「俺と一緒に居たくないのか?」とか聞かれたら、胸キュンなのに…。
まぁ、百目鬼さんはこの睨んじゃうところが可愛いんだけどね。
百目鬼「マキ、改めて紹介する。こいつはタカ、今年から探偵として雇うことになった」
マキ「もぉ、いきなりでびっくりしちゃったよ」
百目鬼「すまない。休み明けに紹介しようと思ったんだが、急遽今日迎えを頼んだ」
マキ「タカさんは元朱雀なんでしょ?」
大丈夫?って首をかしげたら、百目鬼さんは表情を柔らかくしてた。
僕的には、さっきの奏一さんとの話じゃ大丈夫そうだったけど、本人たちとその取り巻きじゃ状況が違うだろうし、タカさんが、奏一さんに会わなかったっていうのも気になる…。
百目鬼「心配ない、タカはこれまでも情報集めに潜入を頼んだり手伝ってもらってた」
ふーん。
百目鬼さんが大丈夫なら大丈夫なんだろうけど。
百目鬼さんは知ってるのかな?
タカさんに弟がいて、弟の緋色さんも元朱雀で、百目鬼さんを恨んでる組かもしれないって…。
マキ「僕だってもっと手伝えるよ」
百目鬼「お前は現場に出せない」
マキ「もう危ないことなんかしないよ、だから…」
百目鬼「黙れ」
百目鬼さんの負担を少しでも減らしてあげたいけど、事務仕事以外はさせて貰えない。百目鬼さんが怒るから、危ないマネだってもうしないと何度も約束してるのに、百目鬼さんはちっとも聞き入れてくれない。
睨み下ろす神さんに、僕がムスッとホッペを膨らませたら、慌ててタカさんが間に入ろうとした。
タカ「あっ、違うんです。百目鬼さんは…」
百目鬼「お前も黙れタカ!」
怒鳴る百目鬼さんに、タカさんは一瞬ビクッとしたけど、呆れたようにため息つく。
タカ「もぉ…、相変わらずなんですね百目鬼さん…。説明不足、すぐ怒鳴る、だから誤解されるんですよ」
百目鬼「!!…、今のはお前が余計なことを言おうとしたからだ」
タカさんは、ビックリはしたみたいだけど、百目鬼さんを怖がってる風じゃない…、むしろ扱い慣れてる感じ…。かなり昔からの知り合いなのかもしれない。奏一さんの扱いも、百目鬼さんの扱いも知ってる。
百目鬼「兎に角、タカ、今日はご苦労だった、今日は帰っていいから」
タカ「いいえ、こちらこそありがとうございました。奏一さんにお会いできるキッカケを頂いて」
この人…、百目鬼さんの意図に気づいてる?
百目鬼「これから宜しくな」
タカ「はい、百目鬼さん、マキさん、宜しくお願いします」
タカさんは深々頭を下げてから、帰って行った。
礼儀正しくて、真面目そうな人。
弟の緋色さんとは正反対そうだけど、瞳の奥に、隠れたものを持ってそう。それは、弟の緋色さんと同じ。
元朱雀なんだから、喧嘩も強いんだろうし、タカさんは、奏一さんとも百目鬼さんとも近い存在で、キレた奏一さんを止めに入った男。
緋色さんが百目鬼さんを恨んでる人かもしれないし…、なんか起こりそうな気もするんだけど…。
まぁ、いざとなったら、僕が百目鬼さんを守る…。
それに、番犬おまわりの賢史さんが黙っちゃいないだろうし。今は、百目鬼さんの見方はいっぱいいる。
百目鬼さんは、もう、昔の百目鬼さんじゃない。
きっと大丈夫。
百目鬼「おい、マキ」
マキ「え、…なぁに?♪」
可愛らしく笑って返事をしたのに、運転席の百目鬼さんはご機嫌斜めで眉間のシワが濃くなった。
百目鬼「なんか不吉なこと考えてるだろ」
マキ「え、不吉?。神さんと二人っきりで考えることなんて1つしかないじゃない♪」
百目鬼「誤魔化すな」
マキ「誤魔化してないもん」
百目鬼「可愛い顔して誘えば誤魔化されると思ってんだろ」
マキ「可愛い顔も、誘ってもいるけど、誤魔化そうなんて思ってないもん。それより何で迎えに来ちゃったの、実家でゆっくりしてきてって言ったのに、おばあちゃん具合悪いんでしょ」
おばあちゃんのことを言われた途端、神さんは気まずそうにした。
ほらほらやっぱりってホッペを膨らませたら、神さんは視線をそらして誤魔化そうとしてるみたいだったけど、何故か、耳が赤くなった。
百目鬼「うっさい、いきなり実家に引っ張られても俺には俺の予定がある、ばあさんにはちゃんと全部話をした、また、改めて顔も出すし、今度からは定期的に…」
マキ「…神さん、何で照れてんの?耳が赤くなってる」
百目鬼「ア¨ぁ?!」
マキ「声裏返ってるよ」
百目鬼「うっさい!」
あれれ?
実家でなんかあったのかな?
百目鬼「ニヤニヤすんな!あんまりしつこいと見せてやらねーぞ!!」
マキ「ふえ?何を?」
百目鬼「実家で保管してる方のばあさんのアルバム借りてきてやった。あれには、俺の持ってるアルバムより沢山写真がある。会いたかったんだろ、昔の俺に」
マキ「えっ…、百目鬼さんの写真…、うん、うん、会いたい」
思わぬおみあげに緩みまくった顔で喜んだら、百目鬼さんは誤魔化せたってちょっとホッとした顔しながら、思い出したように一言付け加える。
百目鬼「それは、ばあさんの持ってるアルバムだから、出会ったばかりの頃の修二や奏一も写ってるぞ」
マキ「えっ!?マジ!?見たい見たい!!」
はしゃいだ僕に、神さんのご機嫌はだだ下がって拗ねちゃった♪
百目鬼「…、…………お前…」
マキ「やだなぁ♪、修二と奏一さんは見たいけど、修二と奏一さんと一緒にいる神さんがどんな顔してるか見たいんだよぉ♪」
百目鬼「嘘つくな」
マキ「やぁん♪可愛い拗ねちゃったのぉ♪」
僕のシートベルトを緩めて、運転席の百目鬼さんにチュってキスしたら、神さんは益々拗ねて強面になっちゃった♪
マキ「へへっ♪そんな眉間くしゃくしゃにしても可愛いだけなんだけど♪」
百目鬼「………覚悟しろよ」
マキ「ん?…、わッ!?」
神さんが唸った瞬間、神さんは突然ハンドルを切って方向転換。
そして…なんか地響き聞こえてきたんですけど…
ーゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
百目鬼「誘われてやるよ。修二と奏一とゆっくり過ごせて休めただろ、離れてた分たっぷり可愛がってやるからな」
獰猛な猛獣スイッチ入りまくりでギロッと睨まれて。こっちは心臓ドキッと跳ね上がって一瞬で顔が熱い。
えええっ…
この人何言っちゃってんの!何言っちゃってんの!?
いきなり過ぎでしょ!顔熱いわ!!
神さんってやっぱりこわいぃー…
離れてたの1日なんだけどぉ……
神さんちゃんと日本語分かって使ってるぅ??
いきなり天然モード入るのやめて…
心臓壊れちゃう…
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