アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
アルバム絵本
-
獰猛な猛獣さんになった百目鬼さんは、乱暴な運転でライトがキラキラ眩しいホテルに車を乗り入れた。
無言で眉間に寄ったシワ、嫉妬に焼かれて怒ってるんだと、この後どうやって宥めようかと考えたけど、車を降りた後もやまない地響き、睨まれて無言で担がれて、これは今晩覚悟しないとやばいかなぁって思ってたら、案の定、獰猛な猛獣さんはエレベーターに乗り込んだ瞬間に唇に噛み付いてきた。
すっごく怒ってて嫉妬で頭の中が焼けちゃってる。
って思ってた…
噛みつかれたキスは、乱暴なんだけど…怒り任せじゃなかった。押さえつけられて噛み付く唇は熱くて、睨む瞳は熱を持つ、怒ってるって言うより、早急で。
まるでライオンさんは凄くお腹が空いるみたいな、がっついたキス…。
マキ「んんッ…はぁ…、んぅ…」
乱暴なキスはいつもみたいに息するのがやっとだけど、神さんは息するのなんかもったいないみたいに貪るように舌を吸って絡めて荒々しく求めてくる。 怒り任せの時とは違う。荒い吐息、熱い唇、汗ばんだ手が、余裕なく僕を必死に抱きしめる。
神さんの顔は恐くて睨んでるはずなのに、その瞳はとても求めるように潤んで可愛くて、だからつい、「寂しかったの?」って聞いたら、キスに夢中だった神さんの可愛い瞳がみるみる変わって火に油を注いだみたいに益々眉間にシワを寄せまくった恐い顔で「はあ?それはお前だろ」って怒っちゃった。
周りからしたら、ライオンが肉を食い荒らしてる感じみたいに見えるだろうけど。
僕からしたら、ライオンの着ぐるみを着たティーカッププードルが、可愛らしいお口で一生懸命餌をハムハムしてるから「お腹空いてたの?」って聞いたら「お前が食えって言うから食ってんだろ」ってプリプリしながらお腹グゥーって鳴ってて、それを隠してるつもりで一生懸命ハムハムしてるみたいな可愛らしい構図なんだけどね♪。
もう!好きなだけ僕を食べて!
って感じなんだけど!
可愛い神さんに早く食べさせてあげたくて、部屋に入った瞬間服を脱いで抱きつく積極的な僕に、神さんは顔を顰めて「エロガキ」って悪態ついたけど、神さんのはエレベーターの時からガッチガチに硬くて、僕のを擦り付けて「こんなになってるくせに」って笑ったら、神さんは眉を顰め、気にくわないってまた噛み付いて僕の口を塞いで担いでベッドに雪崩れ込んだ。
軋んだベッドの上で、食べちゃうみたいに唇を絡めて強く抱き合い、感じて仰け反る僕の体のラインをなぞるように撫でて足を開く。
いつもと違う、熱っぽく興奮してる神さんは、余裕のないキスと、待ちきれないと言いたげに大きく硬くなった熱いモノを僕に擦り付けるから、僕もとっくに我慢の限界。
お腹を空かせた獰猛な猛獣が息を荒くしながら僕を食べようとしてるのに、今日の神さんはいつもと違う。汗ばんだ肌は熱くて、睨むように見据える瞳からは、いつもより熱い熱量で〝欲しい〟と言われてるみたいに見える。
マキ「…神さ…」
百目鬼「黙れ…」
いつもより早急なキス…。
キレた時のような乱暴さじゃなくて…
荒々しいけど一生懸命で…
優しくしようとあがいてる時の不器用さじゃない…
いつもと違う、がっついたSEX…
マキ「あぁアッ…」
百目鬼「マキ…」
お腹が空いて仕方がないって…、そんな風に熱くー求められたら…
僕…、ビショビショに濡れちゃう…
飢えたように激しく求められて、そんなにキスばっかりされたら、もう…もう…ッ…
イッちゃう……!!
離れて多分たっぷり可愛がるとか言ったり…
こんなにがっつくなんて
…実家で何かあったの?
弾けた熱はほぼ同時で、いつもと違う神さんに僕は早かったけど、神さんもいつもより色々早かった。
熱を一回吐き出した神さんは、いつも正気に戻る。
こうやって荒々しく始まった時は大抵後悔して謝ってきたりするのに、今日の神さんはまだまだ熱が溜まってるみたいで僕の中で硬くて、瞳の色が変わらない猛獣モード。
怒ってる…ぽくはない…けど…
嫉妬はしてそうな苛立った感じはある…
けど…
抑えが効いてないこの熱はなんだろう?
考えながら、荒い吐息を整え探るように神さんを上目遣いで見たら、神さんはまだまだ足りないって目をして僕を見下ろした。
マキ「……神さん、いいよ。僕ももっと欲しい」
百目鬼「……」
怒った時の神さんは饒舌で、意地悪なこといっぱい言うのに、今日の神さんは全然喋らない。無言で見下ろすその瞳は、嫉妬にメラっとしてるっぽいけど、なんかぐるぐる葛藤してるっぽくもあるけど、いつもと違う熱っぽくぐるぐる何か考えてる。
神さんは、大事なことほど口にしてくれない。
人には素直になれなれ言う癖に。
何をそんなに考えてるの?
聞いたらきっとむすっとして有耶無耶にしちゃう。
本当に困ったちゃん。
どうしたの?
何かあったの?
僕が全部受け止めてあげるから、その牙ごと噛み付いていいんだよ。
両手を広げて微笑んだら、神さんは一瞬眉を寄せたけど、力を抜くみたいに僕腕の中に来て僕を抱きしめた。
マキ「神さん…大好きだよ」
百目鬼「……お前は、そうやって…なんでもお見通しか……」
僕を抱く神さんの瞳が、チラリと実家から持ってきたアルバムに注がれた。
……あぁ…、それでか…
納得、ちょっと浮かれて見落とした。
あのアルバム写真には、仲良しだった頃の修二と奏一さんとの写真がある…
マキ「大丈夫だよ神さん、あの頃みたいに仲良くなれるよ…」
元には戻れなくても、奏一さんも修二も、今の神さんと新しい関係を作ってる。
きっとまた話をできるようになる。
そう神さんの頭を撫でたら、その手をどけられた。
百目鬼「は?お前何言ってんだ?」
あれれ?
まるで見当違いなことを言ってるって怪訝な顔されちゃった。
百目鬼「お前はまたおかしなこと考えてるのか」
マキ「え?」
百目鬼「…俺に突っ込まれながら、何考えてるんだ」
マキ「あァあんッ!!…」
入りっぱなしのもので急に突き上げられたら、頭の奥痺れちゃう!
ってか、おかしなこと?
実家帰って昔のこと思い出して修二と奏一さんのこも考えてたんじゃなくて?
マキ「やり直せたらって…、アッ…、思ってるんじゃないの?」
百目鬼「やり直したいって言ってたのはお前だろ」
マキ「ふえ?僕?修二の事じゃなくて?」
百目鬼「ッ!!…、チッ、クソが…」
ってきり、昔を、修二と奏一さんに酷いことしたことをやり直したいってことだと思ったけど、神さんは違うことを考えてたみたいで、ムスッとして僕の体を乱暴に揺すって奥ばかり狙って動き出す。
いきなり良いこと攻めにされたら、気持ち良くて頭真っ白になっちゃうじゃんか!
マキ「アアッ…ッ!?な、なぁに?…」
百目鬼「ッ…、お前が見たがったんだろうが、この頃の俺を」
マキ「えっ、うん。ッひゃぁっ…あん…、あっ、や、やり直したいって?」
百目鬼「………もういい」
マキ「やぁん♪、いじけないで、可愛すぎてイっちゃう♪」
百目鬼「イキ狂ってろ!」
マキ「あぁああッ!!…ッ…アンッ、やぁぁあん…イっちゃうからぁああ!!」
怒ってるみたいに乱暴なんだけど、真っ赤な耳でプリプリされても、こっちはなんのことか考えられないくらい胸キュンしちゃって、可愛すぎる神さんにまた今日も主導権奪われっぱなしのセックスは、朝まで僕に反撃の余地はない……
何?
奏一さんと修二の所に居たから嫉妬してるっぽいは嫉妬してるっぽいのに、僕の中を掻き回す行為はなんだか焦ってるみたいに色々拙くて、まるでセックスに慣れてない学生みたいな…がっつくような熱くて夢中なセックス…いつも恥ずかしいのは僕なのに、今日の神さんはずっと耳が真っ赤で、何かを恥ずかしがってるのか照れてんのか…。
実家に帰って昔を思い出して何かぐるぐるしてるっぽいはぽいけど、悩んで入るけど、耳赤いしマイナス面じゃなさそうだし…
やり直す?なんのこと?
この頃の俺を見たがった?
いや、見たがったし知りたがったし会いたがったけど…
うーん…
あっ!
もしかして…
外からは雀の声が聞こえ出し、そろそろ朝なんだという時間だけど、僕と百目鬼さんはいっぱいセックスして今から寝そうにウトウトしてたとこ。何度も何度もイッたグチャグチャのベットでくっついたまま、僕は思いついたことを抱きついた神さんに言ってみた。
マキ「もしかして…、昔の自分に嫉妬したの?」
ウトウト目を瞑ってた神さんが、図星だったのか急にビクッと目を見開いた。
マキ「僕があんまり昔の神さんに会ってみたかったっていうから、年のこと気にした?」
そこまで言ったら、神さんの反応が少しおかしくなった。これは半分当たってるけど、半分違うって感じ…
百目鬼「……」
マキ「今日は何をそんなにぐるぐるしてるの?神さんが喋らない時って、大抵悩んでる時だよね」
百目鬼「…俺自身のことだ、いちいち口にすることじゃない」
マキ「僕には、なんでも素直に言えっていうのにぃ?」
百目鬼「拗ねるな、また食われたいのか」
マキ「食べて♪」
百目鬼「はぁーッ…」
さっきまで、もう出ないってイヤイヤしてたのはどこのどいつだっけって呆れた顔してため息つかれちゃった♪♪
百目鬼「俺はお前より10も年上なんだ、年上らしくさせろよ」
マキ「神さんはカッコいいし頼りになるし強しい、可愛いよぉー?」
百目鬼「ッッッ…」
本当のことなのに、可愛いって言うと、いつも神さんは『お前の頭はどうかしてる』って顔するんだー。
神さんはこんなに可愛いのに。
結局不毛な言い合いはいつものごとくエンドレスして、『可愛いもん』『可愛くねぇ』『病院行ってこい』って、そろそろバターが出来ちゃいそう♪♪、そんなぐるぐるエンドレスと自身のぐるぐるの悩みに疲れたらしい神さんは、頭を抱えて唸りながら、この会話で何を考えてたのか、はたまた思いついたのか、唐突なことを言ってきた。
百目鬼「…、…、…、こんど…、俺の実家に行くか」
会話の流れが、おかしすぎて、神さんが言ってることが分からないでいたけど、やっと理解した時には、目が覚めるほど信じられない言葉だった。
はッ!?!?
何言っちゃってんの??!!
.
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
66 / 170