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アルバム絵本
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マキ「…えっ…、神さんの…実家?」
なんでなんで急に?
やっぱ実家でなんかあったんだ!?
驚いて脳内ワタワタしながらも、かろうじて顔には出さずに聞き返したら、神さんは僕の反応が意外そうに答えた。
百目鬼「…、行きたかったろ?」
昨日実家に連れてってもらえなくて、僕が拗ねたとでも思ったんだろうか?だから奏一さんの所に行ったって思ったのかな?
だから突然こんなこと言いだした?
なんだ、びっくりさせないでよ。
マキ「昨日のは、たまたま奏一さんから連絡あって呼ばれただけで…」
百目鬼「ッ…、そうじゃない」
えっ?
えっ?
そうじゃなきゃどうなの?!
ってか!〝そう〟なの?!
避けてた言葉が脳内を過ぎりまくる。
〝紹介〟とか〝挨拶〟とか!!
想像して爆発した
無理無理無理無理!!
だって僕男だ…し…、ハッ!?
百目鬼さんの家族を前に自己紹介されるところを想像して、百目鬼さんの家族の顔を思い出してハタと気がついた。
しまった…
僕…
百目鬼さんのおばあちゃんと一部の義兄弟に顔を知られてるんだった…
去年の夏に百目鬼さんと別れてた時の約2ヶ月の間…
奏一さんに連れられて百目鬼さんの実家の定食屋さんに食べに行ってた。
奏一さんは元々百目鬼さんのおばあちゃんと知り合いだし、こないだ百目鬼さんを迎えに来てた蘭さんとも知り合いだった。僕はお店の人と喋ったりしなかったけど、外見を取り繕う余裕がなくて、黒目のコンタクトとか入れてなかったから、かなり目立った客だったと思うし、毎日食べに行ってたから顔を覚えられてるだろうし。
どうしよう!!
百目鬼さんの実家になんか行ったら、神さんと別れてた間、定食屋さんに通ってたのがバレちゃう!!
百目鬼「マキ、どうした?」
マキ「…え?」
しまった!僕ってば顔に出てた!??
百目鬼「緊張してるのか?もっと喜ぶと思ったんだが…」
バレてない…
鈍感神さん万歳!
マキ「そりゃ驚くし緊張するよ、…ってか神さんそもそも家族にカミングアウトとかしてるの?」
百目鬼「いや」
随分あっさり返された。
ん?。もしかして僕の早とちりだったりする?
ただ単純に、連れてくだけ?
紹介とかじゃなくて、事務所のアルバイトとか?
あっ、実家って言われて勘違いしちゃった、もしかして、定食屋さんに連れてってくれるってことかな?それなら、『バイトを食わせに来た』とかで済むもんね。
マキ「あっ、そっか、定食屋さんの方か♪」
百目鬼「いや、自宅の方だ」
自宅!!!!
百目鬼「とぼけるなんて、お前でも緊張するんだな」
マキ「ちょっとちょっと神さん!!どうしちゃったの急に!やっぱ実家でなんかあったんでしょ!」
百目鬼「………」
分かりやすく黙るしぃーー!
百目鬼「特に無い」
マキ「イヤイヤあったんじゃん!」
百目鬼「無い」
マキ「あったでしょ!」
え?何?このあからさまな嘘は、なんか言えないようなこと?
いきなり僕を実家に連れてくようなこと??
マキ「ハッ!?、もしかして見合いでも勧められたの?だから僕を連れてくの?女装すれば彼女がいるって言えるもんね、そっか、そうゆうことか」
百目鬼「お前、今日は変だぞ。見合いなんか勧められてない」
マキ「変なのは神さんじゃん!」
百目鬼「何をそんなにテンパってるんだ。お前がそこまで慌てるとは思わなかった」
マキ「カミングアウトしてないんでしょ、だったら連れてくとか簡単にできないでしょ!」
百目鬼「…、行きたくないのか」
マキ「いや、そういうことじゃなくて…」
百目鬼「俺のばあさんに会ったら、昔の俺の話が聞けるぞ」
えっ?えっ?
そっち?!
そうゆうこと?
昔話聞けるぞ的な?
家族に紹介とかじゃなくて、昔話聞けるぞ的な?
…でもダメだから!
おばあちゃんに会ったらバレちゃうから!!
あー!でも!
断ったらおかしなことになっちゃう…
ここは、はずかしがってる振りをしておこう!
あーん!
神さん恋しさに定食屋さんに通い詰めたあの頃の僕を説教したい!!
マキ「でもぉ、ご家族に僕をなんて紹介するのぉ?」
百目鬼「…普通に紹介する」
マキ「だから、なんて言うの?」
百目鬼「…、そこはちゃんと考えてあるからお前は心配するな」
するよ!
するに決まってるでしょ!
なんで黙るの!
そこは言おうよ!
いきなり男の僕を連れてってカミングアウトするつもり?!
ダメでしょ!
百目鬼さんの家族は再婚相手と連れ子の兄弟が居るんだから、せっかくいい感じに仲良しなのに複雑になっちゃうじゃん!
みんな卒倒しちゃうよ!!
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