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まだまだ遠いい……
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賢史「あー、頭痛てぇー」
ユリの店に行った翌日は、大抵二日酔いで記憶が曖昧だ。
ユリの奴、度数の強い良い酒ホイホイ飲ましやがるから、飲み過ぎで記憶は半分飛ぶし頭痛が酷い。
群将「せんぱーい、また、グロッキーなんですかぁー?」
呆れた様子で話しかけてきたのは、後輩の群将 武(むらまさ たける)
スポーツ刈りの細身だけどガッチリ筋肉を付けたモテ顔のこいつは、お偉いさんの孫で、コネで入ったと言われていたが、顔がイケメン中身もイケメンでしっかり実力ありのスーパールーキーだった。
賢史「むーらーまーさー君、人を〝いつも〟飲み歩いてるみたいに言うなよ」
群将「だって先輩最近合コン断ってばかりいるのに何処かで深酒してるから、みんな失恋したんじゃないかって影で噂してますよ」
群将は、正直で、ストレートに物を言う。
周りの意気地のない奴らが目をそらす中、群将は悪びれる様子もなく素直な目で俺を見てくる。
賢史「失恋なんかするかよ、よいどりみどりだっつーの」
群将「その言い方じゃ彼女が出来たって訳でもないんですね」
頭がズキズキしてんのに、心までズキズキすること言いやがって。
賢史「女には困ってない」
群将「えー、とか言って、先輩クリスマスに空いていなかったじゃないですか」
賢史「お前ねぇ、無駄口が多いが仕事は終わったのか?午前中にまとめるもんあったろうが」
群将「終わりましたよ。終わったんで早めの昼休憩行くんですが、先輩一緒に行きません?」
相変わらずクソ優秀。
賢史「悪い、二日酔いで食えそうにないから1人で行ってくれ」
群将「はーい。なんか二日酔いのドリンク買ってきましょうか?」
賢史「ありがとよ、でも外の空気吸いたいから自分で行くから」
群将「了解ッス」
ストレート過ぎる物言いもあるが、基本気の利く良い奴の群将。だから同僚には人気だし、上司受けも良いときてて顔も良い。
なんだか自分が老けた気になるんだよな…。
って、大人の渋み断然俺のほうが勝ってるけどな。
30って3が付いただけで、なんだか急に年取った気になるんだよな。
マキと神のバカップル見てるからかな?
19才と30才、マキはもうすぐ20歳。まさに人生これからと、20歳の時ってどうしてたっけと右往左往する神を見てると、俺まで老け込んだ気になっちまう。
はぁー。
駄目だ駄目だ、ここらでリフレッシュに一発ヤッてこようかな…。
…と、昼休憩に外に出たら、とあるブランドのお店から、買ったばかりだろう店のロゴ入りの小さな袋を嬉しそうに抱えて出てくるマキを見つけてしまった。
噂をすれば何とやら…。
ってか、このブランドって、神が好きな店だな…ってことは、神にプレゼントか?
あーあ、こんな高い店で買ったら神の奴怒るぞ…、今1月だぜ?なんの日でもねーだろ。
去年の神の誕生日に女王様の奴、学生の癖に10万以上する時計買って、クリスマスにもなんか高価なもののカタログ見てて、何も買うなって神が怒ったらしいからな…。
ってか、女王様は好きな相手には、貢ぎ尽くし三歩後ろを歩くってか?
ククッ…ホント面白い奴。
どんな境遇に追い込まれても、壊せるもんならやってみろって不適で妖艶に笑って挑発的な態度取る癖に、心を許した好きな相手の前では、驚くほど脆い。その癖、何もかも分かってる風に自分を殺して納得させ、常に相手が一番大事…。
…ほんと、高飛車な折れない女王様かと思いきや、マジもんの女王様みてーに、国の平和のためにその身を投げ打つみてーな…、一体いつの時代のお姫様だよ…。
ったく…。
…。
…。
って…
おいおい、女王様の奴、20メートル進むごとにナンパやら勧誘やらされてるんですけど…
ブランド店から満面の笑顔で歩く女王様に、チャラそうな男やら、名刺を持ったスカウトマンやらが話しかける。女王様は断り慣れてるらしく、歩みを止めずに通り抜ける。
…。
確かに、ウルフカットの長い髪に、きつね色のモコモコのマフラー、膝まですっぽりの紺のモッズコートを着てて、色白で顔がめちゃめちゃ綺麗だったら、男か女かわかんねーわな。
って!
俺は別に女王様の跡をつけてる訳じゃない!
俺の向かった薬局が進行方向にあるだけなんだが…
なんの偶然か、女王様は、俺が目指す薬局屋に入って行ってしまった。
…。
てか、一体何を買うんだ?
気になったので、女王様が何を買うのか遠巻きに観察していたら、とある棚から、大きめの箱を5つほどカゴに入れレジへ向かう女王様。
いなくなった棚の前に来て、カゴに入れてた色と形を探し、商品を見た俺は、唖然とした。
〝お徳用コンドーム、0.01㎜付けてない感覚を味わえるビックホースサイズ12個入り〟
…。…。…。
…。…。…。
流石と言うかなんというか…
流石、歩く魔性の誘惑フェロモンエロエロビッチ女王様…
神君……凄く苦労してるんだねぇ…
……大変だね……。
…。
一体1日に何個使うつもりなんだ女王様の奴。
まさか一箱?
あはは、まさかね。
神よ、女王様の相手しきれないなら一回代わってあげようか?
クックックッ…
そんなこと言ったら、怒り狂うだろうな…
あー、面白い。
あいつらがどんなSEXしてるのか一回覗いてやりたいな。
ってか、魔性マキ様のSEX、一回は見てみたいな。どんなノン気もその気にするエロボディ…。
魔性マキにも興味あるが、女王様は、大好きな大好きな神の下で一体どんな風になっちまうのか興味あるんだけどな。
…、あー、クソ、やっぱ欲求不満だわ…、
誰か今晩空いてねーかな。
マキ「ふふふ♪、スケベだなぁ♪コンドーム目の前に欲求不満って顔で超難しい顔してどおしたの?賢史さん♪」
どわっ!?
びっくりした…
気配も無く、いつの間にか横に立ってた女王様は、意味深にニヤニヤしてやがった。
賢史「…お前…、いつ俺に気がついた」
マキ「10分前くらい♪」
おいおい、最初っからじゃねーか。
賢史「なんで声かけてこなかった」
マキ「変な質問だね♪声かけてこないで跡つけてきてたの賢史さんじゃん♪」
賢史「…じゃあ、今それ(コンドーム)買ったのはワザとか」
マキ「んふっ♪」
小憎らしくも可愛らしい顔して笑いやがって。
賢史「なぁ、それ、何日分だ?」
マキ「ん?1週間分くらいかな♪♪」
ホクホクと嬉しそうに笑った女王様。
なんだか…神が不憫になってきた。
賢史「…、神相手じゃお前も大変だろうと思ってたけど、心配するのはお前じゃなくて神の方だったか…」
マキ「ふふっ♪冗談だよ♪。
でも、心配するのは百目鬼さんの方で合ってるよ♪、
……。こないだも僕のせいで神さん怒らせちゃったから、…、賢史さんの所に行ったでしょ?百目鬼さんまだ怒ってた?」
さっきまでのイタズラっぽい笑顔が消えて、ちょっと困ったような潤んだ瞳で申し訳なさそうに上目遣いで聞いてくる女王様。
いや、最近増えたこの表情は、女王様ではない、きっと、マキ自身の表情だ。等身大の、付き合うことに臆病で愛されることに不慣れな子供。
…ってか、神君よ…
10も年下の子にこんな顔させるなよ。
きっと、神が怒った意味を誤解してるぞ…
賢史「神は怒ってない、ドツボにハマってバタついてるだけだ、気にすんな。まさかとは思うが、それでさっき神に何か買ったりしたのか?」
マキ「…、内緒にして」
さっき買ったであろうブランドのロゴ入りの小さな袋を持って、人差し指を口元に当ててシーっと言うマキ。だが、その行動は、神を宥めるには逆効果だと思うのだが…
全く…手のかかる二人だ…
マキ「賢史さんが勤務中に、像か馬のサイズかで迷ってコンドーム買おうとしてたの内緒にしてあげるから♪」
って!人が真面目なアドバイスしてやろうとしたのに、このクソビッチが!
賢史「馬鹿野郎!俺は買おうとなんかしてない!」
マキ「え?賢史さんのってもっと小さいの?Mサイズ?それともS?」
賢史「アホ!俺のはそんな小さくないわ!」
マキ「だよね♪賢史さんのってこんくらいだもんね♪」
そう言って親指と人差し指で輪っかを作ったマキ。
何故かそのサイズが、俺のモノのマックス時のサイズぴったり。
賢史「な…」
マキ「んふふ♪、顔見ればその人の息子さんの顔も分かっちゃうんだ♪」
賢史「どんな特技だよ」
マキ「賢史さん、今、二日酔いで頭痛くて疲れて癒されたくて欲求不満って顔してる♪」
賢史「……」
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