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まだまだ遠い……
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女王様の表情に戻ったマキは、見透かしたように妖艶に微笑んで、悪戯っぽい上目遣いでからかう。
まるで、『恋愛相談に乗るよ♪キャハ』とでも言うように…
賢史「弱みでも握ったつもりになってるのか?握ってるのは俺なんだがなぁ」
俺がドヤ顔で、マキの手に持ってる某ブランドのロゴの入った紙袋を指差すと、マキは一瞬眉を下げて困り眉になりながら、どこかまだ上に立つように表情は笑ったまま妖しい笑みを向けていた。
マキ「そういうつもりじゃないよ♪、賢史さんにも春が来れば良いなぁって♪」
賢史「相手にゃ困ってねぇーっつーの」
お前に世話焼かれたら、ハチャメチャなイベントが発生しそうで遠慮したい。
マキ「えー、でもぉ、百目鬼さんに、お前のせいで彼女を作る暇がなかったってボヤいたんでしょう」
バカップルめ!話が筒抜けかよ。
賢史「酔っ払いの戯言をいちいち真に受けるな、あれはお前らがバカみたいにイチャイチャしてるから嫌味を言っただけだ」
マキ「でもぉ、彼女いないんでしょぉお?♪」
賢史「ウキウキすんな」
マキ「ウキウキしてないよ♪ワクワクしてる♪♪」
賢史「…」
マキが首突っ込もうとしてるってことは、つよしとユリからもなんか聞いてやがんな…。
ってか、どんだけ仲良しなんだよ、つよしもユリも神も、なんでも女王様に言いやがって。
二日酔いで頭痛いしめんどくせえ。
賢史「俺は仕事が忙しいんだ。だから、あ・え・て・作ってねーの」
マキ「モテない人の常套句だよね♪♪」
ニッコリ可愛らしい笑顔がホント憎たらしい。
賢史「俺は〝モテる〟し、マジに忙しいんだよ。それに休みも不定期だし、休みに召喚されるのもしょっ中なんだよ。今は教育係もやってっし、そいつが偉いさんの孫だからめんどくせえ事も色々やらなきゃならないし、そんな状態だから前もって休みなんかわからなねぇからな、都合が合わせらんないの」
マキ「ふーん、そういえば、前もそんなこと言ってたよね。ドタキャンとかで振られるって」
賢史「そんな事お前に言ったか?」
マキ「うん♪聞いたよ♪」
何故、そこで意味深にニコニコしてやがるんだ。
なんか怖いんですけど。
賢史「女王様よ、さっきっから俺になんか言いたそうだな、ニコニコ胡散臭い笑い浮かべてねぇで言えよ」
マキ「えー、僕じゃなくて賢史さんが僕に言いたいことがあるんじゃない?」
は?
賢史「…一発ヤらせろ?」
マキ「僕に調教して欲しいの?♪」
こいつ、なんか企んでるのか?
それとも〝知ってる〟のか?
賢史「……。
…慣れた顔して返答すんな。お前のそういう所、神を怒らせるんだぞ。だいたい、そんなブランド物なんか買って、神のご機嫌取ろうとしてるなら逆効果だからな」
「神を怒らせる」そう言われたマキは、妖艶な女王様からみるみるうちに迷子の子猫ちゃんみたいに潤んだ瞳でシュンとしだした。
あー…。神がこいつをメチャクチャにしたい気持ちがよく分かる…。
これが神が時々ブツブツ言ってる、猫耳と尻尾の幻が見えるってやつか?
ベッドでグッシャグシャにしたら、さぞ快感だろうな。
女王様かと思いきや、恋人に嫌われたくないと怯える子猫。子猫かと思いきや、決して屈しない精神力を持つ女王様。
ぶっ壊してひん剥いて、中身を曝け出させて、こいつの素を見てみたい。
神みたいなヤリ方で暴こうとは思わないが、こいつの中身を暴いて組み敷きたい欲求は良く分かる。
こいつは、本当に面白いし、神や俺たちみたいな人種にゃ相当美味そうな獲物だ。
本当の部分を露出して、相手に甘える女王様はどんなか。
甘えられて甘えられる存在。
欲しいとは思うが、そう出会えるもんじゃない。
ましてや共に生きれる相手なんて…
仕事は忙しくてもやり甲斐がある
同僚と飲みに行く時間も欲しい。息抜きもあるが、いろんな場面を目にして挫折しかける奴らのフォローもある。
それに、神と酒飲む時間もからかう時間も欲しい
神なら、ドタキャンしたって、また今度で済む。
一人の時間も欲しい。
時間はいくらあっても足らない。
そんな中で、更に彼女の時間となるとな…
この忙しい毎日を理解してくれる奴はそういない…
だから、羨ましい。
超ド級の不器用暴走男が、本当に大事にしたい相手と一緒に居られる事も…
この自己犠牲の激しい女王様の我儘を言える相手が、クソ独占欲の塊で一途な神である事も…
…まぁ、こいつらの場合、相手がいることは羨ましいが、お付き合いの内容が、まだまだ幼稚だがな…
そこはちっとも羨ましくないぞ神くんにマキちゃん
賢史「今度は一体、何を思い詰めてそんなもん買ったんだ?神は怒ってんじゃない、自分に飽きるれてじたばたしてるだけだぞ。なのにそんな高価なブランド物渡してみろ、火に油だ」
マキ「…、でもぉ…買っちゃったもん…」
賢史「可愛く上目遣いして誤魔化すな。仕舞っとけよ。今渡しても逆効果だ。話なら聞いてやるから、今日の夕方なら神も帰ってないだろ」
マキ「神さんならねぇ、今日は出張で帰ってこないよ」
…。
あーーもーー。
だからさっさと仲直りしろっつったのに…
優しく抱いてやりゃ済むことなのに、何をグダグダやってんだあの馬鹿は…、だから恋愛偏差値小学生以下だってんだ。
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