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まだまだ遠いい……。
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また、神をからかってやろうとしたが、女王様に〝首輪〟を付けるほど執着してる神には、筒抜けだったみたいだ。
百目鬼『おい!マキと今晩会うってどうゆう事だ!?』
神くんライオン電話越しで吠える吠える。
女王様に言わせりゃ、これもティーカッププードルが嫉妬で『私の好きな人に近づかないで』とキャンキャン吠えてるように見えるのか?
ライオンの着ぐるみを着たティーカッププードル…、この嫉妬が制御できないヤクザ顔の男が…ティーカッププードルって…
ブフッ…フフフ…
賢史「だって神くんよぉ、俺はちゃんとフォローしろって言っといたのに、女王様にフォローも何もしないで今晩留守にするんだろ?そりゃ女王様も凹むはなぁ。お前の代わりに親友の俺がフォローしてやるってんだ、ありがたく思えよ」
百目鬼『いやらしくニヤニヤしながら何言ってやがんだ!お前のフォローなんかいらねぇーよ!!』
賢史「遠慮すんなよー、落ち込む女王様を手取り足取り…」
百目鬼『殺す!』
賢史「神くんコワァーイ」
百目鬼『クソッ…、電話越しだからって覚えてろよ』
賢史「やだーお巡りさんを脅してるのぉ?神くんってお茶目さん」
百目鬼『…ッ…ッーーー』
賢史「え?何?、小さい声でゴニョゴニョ言われても聞こえないよ」
百目鬼『ッ…ッ…、そ、…そんなに、落ち飲んでたのか?』
マジウケる。
獰猛な猛獣が、可愛らしいティーカッププードルになったもんだよ。
でも、なんでバレた?
マキが神に言ったのか?ブランド屋に行ってたのバレたくないのマキ本人だろ?…、それとも、誰かと会うのをいちいち神に報告してんのか?俺が、マキの秘密を神に言わないと踏んで?
…、俺と出会った頃、俺に何されたか忘れたのかあの女王様は…。散々俺は神の味方で、マキの味方はしないって言ってあんのに…
警戒心剥き出しでヘラヘラしてたマキが、今は俺の前で『賢史さん百目鬼さんのこと大好きだもんね、僕も賢史さんみたいに背中を預けてもらえる男になりたい』ライバル宣言したり、ふざけたり、拗ねたりシュンとしたり、神が大好きだと笑う。
…まったく、食えない奴だ。
電話越しで神がギャンギャン吠えてたが、「マキと二人っきりだ、あー今晩が楽しみだなぁ」と言って電話を切っといた。
メールがジャカジャカ鳴ってたが、知らん。
群将「先輩、携帯めっちゃメールきてますけど」
携帯の待受いっぱいに溜まった同じ相手からの新着メールのお知らせに、群将が引き気味に話しかけてきた。
しかも〝百目鬼〟なんてゴツい名前だしな。
賢史「いーのいーの」
群将「先輩なんかやらかしたんですか?」
賢史「可愛い子とデートの約束したから焼いてるんだよ。ほっとけ」
群将「えっ、可愛い子とデートなんですか?」
賢史「あぁ、モデル並みにメッチャ美人だぞ」
群将「え、そんな?!写真とかないんですか!?」
賢史「バーカ、見せねぇよ」
下手に惚れられたら、それこそ神に殺されちまう。
群将「えー、先輩ずるーい」
その後、しつこい群将を放置して、仕事終わりにさっさと職場を後にした。
18時30分になろうとした頃、俺はマキと待ち合わせた場所にいたが、マキが来ない。
待ち合わせ時間を過ぎても姿を現さず
携帯に連絡したが出ない。
賢史「さては、嫉妬に狂った神が仕事を超早(チョッパヤ)で終わらせて女王様を攫ってお籠りしてやがるな…。まったく、神の奴、都合の付きやすい仕事してるからって…」
ふと、女王様がずっと意味深に笑ってたのを思い出した。
もしかしたら、こうなる事を狙ってた?
俺をダシに使えば、神が飛んできてくれると計算していて、だから、俺と今夜会うことを神に話してた?
賢史「うわっ、俺とした事が…」
やっぱ女王様は、俺が昔した仕打ちを恨んでて、ちょっとした仕返しに当て馬にされたのか…
畜生、可愛いツラしてやっぱ小悪魔じゃねーか…
馬鹿らしい、バカップルはやっぱバカップルなんだな、帰ろ帰ろ…
…そう思ったが…
『…賢史さんの所に行ったんでしょ、神さんまだ怒ってた?』
女王様が、弱気なマキの顔してシュンとしてる姿を思い出して…
ダシに使われたのはムカつくが、なんかあっちゃ困るから、一応確認しとこうと神の携帯にも掛けておこうと携帯を取り出した…。
ープルルルル♪プルルルル♪プルルルル♪
…出ない。
まぁ、最中じゃ出れないわな。
ープルルルル♪プルルルル♪プルルッ…プッ
百目鬼『なんだ?』
不機嫌MAXの神の声は、今にも俺に噛みつきそうで、電話じゃなかったら、かなり危険だ。
賢史「お前、また女王様監禁してんの?」
百目鬼『は?』
その瞬間、俺も、神も、空気が固まったのが分かった。
百目鬼『お前と一緒に居るんじゃないのか?』
時計は、18時35分。
待ち合わせから5分遅れてるが、行方不明という程の遅れじゃない。
だが、マキは過去に攫われて暴行をされた事があり、ゾッと嫌な予感がした。
1月の18時半は、すでに日が沈んで真っ暗。
賢史「半に待ち合わせたがまだ来てない、電話にも出なかったからてっきり…」
神と一緒だと…
百目鬼『俺は今、青森だ!』
こんな時に遠すぎんだろと思いながら、俺は辺りを見渡したが、マキらしき姿は無い。
百目鬼『賢史!お前今どこだ!?』
神に怒鳴られながら居場所を伝えると、神はちょっと待ってろって1.2分してから、『すぐ裏の運動公園東口付近の公衆トイレだ!』と受話器が割れんばかりに叫ぶ。
振り返ると、〝この先右に運動公園〟の看板を見つけて、受話器で吠える神に返事もしないで弾かれるように公園へ…
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