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まだまだ遠いい……
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マキ様を恋人にするって事は、物凄く大変な事だって分かってたし、分かりきってた事だ。
妖艶で胡散臭くて、美人で可愛くてエロすぎる。誰をも魅了してその欲を見透かす。綺麗で可愛いから、すぐ虫が寄ってくるし、本人は自分の行動に自信があるから危険極まりない事も平気でするし、大人しくしてればいいのに世話焼きでお節介だし。
だから、いくら物凄く美人で可愛くても、綺麗な薔薇に棘があるように、恋人になった奴はただじゃすまない。相当恋愛慣れしてて、あのマキ様をコントロールできる奴じゃなきゃヤバい目に遭うことは分かってたのに……。
よりによって、その超絶魔性のマキ様が神の恋人って!
……やっぱ不釣り合い過ぎなんだよ。
あの超短気で嫉妬深い神がだぞ!
好きであればあるほど暴走しちゃう恋愛偏差値小学生以下が、魔性の女王様をコントロール出来るわきゃないし、トラブルだらけの女王様相手に苛立たない日はねーし!
いや、分かるよ?
あの二人はちゃんと好き合ってる。
でもさ、相性というか…
恋愛偏差値が違いすぎだろ!
神は好きな子を苛めて嫌われて落ち込むタイプだし。
マキ様はマキ様で、普段の魔性振りが嘘みたいに自分に自信がねぇーし、愛され慣れてねーし、ある意味幼いし。
二人とも馬鹿だし!アホだし!面倒くさいし!
ただでさえ平和じゃないのに、怒られるって分かっててマキは無茶ブリ治んねぇーし!馬鹿だし馬鹿だし!
魔性なんだか健気なんだか、マキが何考えてるか分からねぇし!
いい加減、魔性ビッチはビッチらしく、神にズブズブに愛されとけや!!
ユリ「もう、マキちゃんの悪口言わないでよね。いくら大好きな百目鬼さん取られたからってぇ。マキちゃんの事そんな風に言うなら、なんで尾行までして世話焼いてるの?本当は好きなんでしょう、だってマキちゃん可愛いもの、そうなんでしょ」
マキの得体の知れなさを愚痴りに、また、ユリの店に来た。
ユリはマキが大好きだから、いつも俺がマキの話をするとむくれた顔してる。
ユリとマキは意外に長い付き合いみたいで、弟のつよしがマキの後輩で、エスカレーター式の学校にいたかららしい。だから、ユリはマキの事をある程度知ってる。マキの情報を聞き出すには、丁度いい相手だ。
本当は一番詳しそうな水森泉に話を聞けたらいいんだが、あいつはマキと同じぐらい曲者だし、俺が昔マキをいじめたから、俺を敵視してる。
…超怖いんだあの眼鏡君。
賢史「俺がマキを好き?冗談じゃない。あんな危なっかしいの好きなわけないだろ、命がいくつあっても足りなさそうだ。まぁ、SEXの相手ならいつでも歓迎だけどな」
ユリ「賢史さん最低」
プイッとそっぽを向いたユリは、口を尖らせて視線だけで俺を睨む。
ユリ「本当はそんな風に思ってない癖に…」
賢史「は?。本当だよ、一発くらいなら…」
ユリ「賢史さんすぐふざけるんだから。そうやって言うの、言い訳にしか聞こえない」
呆れてるのか、面倒くさいのか、ため息まじりに肩をすくめ。
ユリ「……」
数秒黙ったかと思ったら、哀れむようにじとっとした目付きで見ながらとんでもない事を言い出す。
ユリ「賢史さん…。なんだかんだ言って、本当は…マキちゃんの事…好きなんじゃない?親友の百目鬼さんの恋人になっちゃったから、そうやって悪態ついて誤魔化してるんでしょう」
賢史「ばッ…馬鹿ッ!違う違う!!」
ユリのトーンがあまりにもマジトーン過ぎて、慌ててユリの口を塞いで思わず周りをキョロキョロ見回した。
幸い周りの人間はそれぞれ客と話に花を咲かせていてこっちを誰も見てないし聞いてない。
ユリ「ンー!!ンー!!」
賢史「あっ、悪りぃ」
勢いでユリの口を塞いだら、鼻まで塞いじまってて、息が出来ずに暴れてた。直ぐに手を離して謝ったが。ユリは窒息寸前で顔は真っ赤だし涙目。
そして変な誤解は深まる。
ユリ「や、やっぱり。そんなに慌てるなんてマキちゃんのこと…」
賢史「馬鹿馬鹿違うよ!その単語をマジな顔して言うな!」
ユリ「図星だから慌てるんでしょ」
賢史「違う違う!神の耳に入ったらマズイ!」
ユリ「そりゃそうよね、親友の恋…」
賢史「だから違うって!、神は滅茶滅茶嫉妬深い!マキが酷い目に遭うことになるぞ!」
ユリ「えっ…」
賢史「神は探偵だ。何処ぞに神に情報提供者が居るか分からないんだぞ!あいつは、裏に顔が効くんだ。こういう所は得意中の得意だし。ましてや今は神が出張中で、帰ってきたらマキの周りを調べるに決まってる。ただでさえ、あの馬鹿マキは面倒ごとに首突っ込んでて俺にとばちりが来てるっていうのに…」
ユリ「…」
納得がいかないって、眉間に皺を寄せるユリの言いたい事は分かる。
『そんなに気にしてるって事はやっぱり好きって事じゃ…』とでも言いたいんだろう。
賢史「…昔の神は、荒れまくりで警察のお世話にはなるし、仲間思いな癖に言葉選びが下手だし短気だから怖がられるし、友達いねーし。恋愛偏差値小学生以下だから恋愛しちゃあ好きな子苛めちまって避けられまくるし、そんな宇宙一不器用不良息子なんだよ。
例え話になるが、そんな不器用不良息子が、ある日急に更生して、無理はしてるが『優しい男になりたい』って努力してたら、応援したくなるだろ。」
ユリ「…」
賢史「……ただ、その劇的な更生理由が、なんと、銀座のキャバ嬢No.1と付き合ってるってなったら、そりゃ世話も焼きたくなるし、騙されてるか心配にもなるだろ」
ユリ「………。マキちゃんは銀座のキャバ嬢じゃないよ」
例えだ話だと言ってるのに、ユリはポカンとした表情で言ってきた。
賢史「いや、だから、例えだよ!。俺的にはそうゆう心境なんだよ」
ユリ「まぁ、マキちゃんなら銀座でNo.1取れるだろうけど」
賢史「そうだろ、マキはそうゆう奴なんだよ」
ユリ「…それは違うよ」
賢史「は?」
ユリ「マキちゃんは、No.1は取れるだろうけど、マキちゃんに銀座のキャバ嬢No.1は向かないよ。マキちゃんは、たった一人の天使で、天使のように愛されるべき子だもの」
賢史「天使?」
まぁ、神にとっちゃそんな存在だろうが。俺にはもっと複雑なもんに見えるが…
ユリ「賢史さん、マキちゃんのこと誤解してる。マキちゃんは、もっともっと可愛い存在なんだよ。……。見せてあげようか?本当のマキちゃんを…」
賢史「は?。本当のマキ?」
ユリ「うん。本当のマキちゃん」
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