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まだまだ遠い……
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マキ「なんで?……」
マキは、ここに来るのに確かに応援を呼んでいた。しかし、それは、今ドアの前に立ってる人物ではない。
マキ「な、なんで…、緋色さんがココに?…」
現れたのは、高霧緋色。
緋色「連れ込まれるの見た奴がいてね」
男達には殺意丸出しの目をしたのに、マキに話しかけられて、その目がフッと優しいものに変わる。
緋色は冷静に部屋の中を見回して、マキにのしかかってる男をギロッと睨みつけた。
突然、マキの味方の登場に、部屋の中の男達5人は一斉に緋色を睨みつけた。5人に睨まれたのに、緋色はかかってこいやと言わんばかりに挑発的な目を向ける。
その瞬間、ドアの一番近くにいた若い男が殴りかかった。
が、
その手が緋色に触れる前に、ひらりと避けられ、あっという間に緋色に腕を締め上げられてしまった。
「イテテッ、この野郎…離せ!」
緋色「殴りかかって来たのはそっちだろw」
鼻で笑って相手の腕を一層キツく締め上げ、緋色はマキの無事を改めて確認する。
如何にも悪そうな男に、カメラとライトを向けられたベッドに押し倒され、上着を脱がされかかってるマキ、胸元が少しヨレて広がって、色白の胸元が見えて。首元が見えてるだけなのに、マキの独特の色っぽさは、あまりに淫らな姿に映る。さらにカメラとライトなんて如何にもこれからマキを裸にして犯そうとしるなんて、とてもじゃないが奏一の耳には入れられない現場だった。
緋色は心の中で再確認した…
(やっぱ、この情報俺で止めといて正解だったわ、マキちゃんのこんな状態奏一さんに報告がいってたりして…
〝また〟
こんな現場見た日にゃ、ココは血の海だし、せっかく平和になった奏一さんと修二の関係にもなんかしらの影響が出ちまう)
緋色「マキちゃん、一応確認するけど、この悪人面した奴らはお友達じゃないよね?w」
マキ「違います」
5対1の状況にも平然と笑う緋色。
男の腕を締め上げた緋色の身のこなしやスピードがあまりにも素早やかったので、男達は一瞬呆気にとられたが、直ぐに我に返り、太郎を引きずっていた男が太郎を床に捨てて緋色に殴りかかり、もう1人の若い男も仲間の腕を捻りあげる緋色に襲いかかった。
マキ「緋色さんッ危ないッ!」
マキが叫ぶより早く、緋色はニヤッと笑い、ひらひらと2人をかわして、目にも留まらぬ速さで空を切ったと思ったら、緋色を襲った男達は3人とも床に倒れこんで呻いていた。
そのあまりの速さと華麗さに、マキは瞳を瞬いた。
(うわっ…強っ…、神さんみたいに一瞬で倒しちゃった…。緋色さん、ボクシングやってたんだっけ…)
マキは、緋色の強さに驚きながら、心の中で百目鬼と比べてた。百目鬼も確かに3人相手くらいなら緋色と変わらない速さで倒していた。だけど、百目鬼は、20人位に囲まれても、たった1人でやっつけてしまう。緋色は確かに強そうだけど、百目鬼程ガタイがよくないから、やっぱり神さんの方が強いかな、なんて考えていた。
(ってか、百目鬼さんの強さといい、緋色さんの強さといい、も、もしかして、朱雀の人ってとんでもなく強い?……、ってか、そうだとしたら、…朱雀の特攻隊長の奏一さんって…)
怖いもの知らずのマキだったが、自分の周りにいる人達の強さが、想像の遥か上をいってることに驚いた。
そんな緋色の強さに、ソファーに座ってた男がただならぬものを感じ、慌てて緋色に話しかける。
男2「まて!先に手を出したのは謝るが、連れ込んだのは違う。これは契約なんだよ」
男の言葉に、訝しげに眉を寄せた緋色は、「それで?その続きの言い訳は?」と言いたげに鼻で笑った。
緋色「契約?なんの契約?お巡りさんに報告できる内容じゃないよね」
男2「あんたのお友達はこっちの商売を1つダメにした、その賠償責任がある。私達との契約がなくなって困るのは、あんたのお友達の方だぞ」
男の放った言葉に、緋色が視線をマキに移す。
緋色「って言ってますけど、マキちゃんどうなの?」
マキ「損害賠償を請求されてるのは本当、だけど、契約した覚えはないよ」
緋色「…だってさ」
緋色はそらみろとソファーの男に振ると、ソファーの男は思い出したかのように、正座してる太郎の彼氏の肩を掴んだ。
男2「こいつと組ますなら契約すると言っただろ!」
その言葉を受け、呆れた様子の緋色がまたマキに視線を移す。
緋色「って言ってますけど、マキちゃん?」
マキ「じゃあ、調教させてくれるってことで良いのかな♪」
にっこりマキが答えると、太郎の彼氏が慌てたように肩を掴む男の顔を見たが、男は、こうなったら出演しろと睨むので、太郎の彼氏が青ざめた。
彼氏「冗談じゃない!俺は出ないぞ!」
マキ「自分の借金でしょ♪、自分の体で払いなよ♪」
彼氏「お前の背負った借金を返すんだろ!だったらお前が調教されればいいだろ!」
マキ「いつまで恋人を使うつもりだ。あんたがこっちの世界へ巻き込んだんだろ、自分で責任取れよ」
妖しい笑みでへらへらしていたマキが、太郎の彼氏に冷たい眼差しをむけ、口調を強める。
すると、その意味を汲み取るように、緋色が太郎の彼氏を笑いながら睨んだ。
緋色「あんたが元凶って訳だ。ふーん。よくも俺たちのマキちゃんをこんなもんに巻き込んでくれたな」
彼氏「…違…」
緋色「あんた分かってないみたいだから教えてやるよ、俺の名前は高霧緋色、朱雀特攻隊長二代目、高霧緋色だ」
〝朱雀!?〟
緋色の威圧感と朱雀の名前に、その場にいた男達は震え上がった。
〝朱雀〟といえば、ここら辺で一番勢力のあるグループ。しかも、その特攻隊長といえば、一番の暴れ馬で腕っ節のある人物。彼一人だとしても、この場で手に負える人物ではないし、ましてや、朱雀の人間に手を出して、無事でいられた者はいないと言われている。
そんな人物の友達であるマキに何かあれば、ただでは済まない…。
彼氏「っ!?…お、俺は関係ない!あ、あいつが勝手に連れてきたんだ!俺は関係ないぞ!」
太郎「!?」
朱雀の存在に怯えた太郎の彼氏が、太郎を指差して叫んだ。
太郎は、驚いて目を見開き、緋色の方を見上げる。緋色の恐ろしい眼差しが自分に注がれてるのを見て、床に座り込んだままガクガク震えだした。
緋色「って、言われてますけど?あんたがマキちゃん連れ込んだの?」
太郎「ッ!!…、ぼ、…ッ、僕は…」
今にも泣き出しそうな太郎に、緋色が近づく。
太郎「ッ…ッ…」
緋色「ん?」
ニッコリと笑う緋色の目は、今にも太郎に殴りかかりそうな殺気に満ちていて、震える太郎は無意識に後ずさり、恐怖で声が出せなくなっていた。…
男2「ッ!!」
緋色の注意が太郎にそれた瞬間、男がテーブルの下のスイッチを押す。
押されたスイッチは、裏方に繋がっていて、バーのボディーガードが直ぐに駆けつけてきた。
緋色よりも一回りもデカイ、ムキムキの男達が3人と、ドアの枠を潜らないと通れないほどの長身、まるで壁のような男、身長が2メートル近くある外人が1人。
ガード「どうしました」
ガードマンのガタイの良さに、緋色が眉を上げた。
緋色「おっとぉ…」
流石の緋色も、総合格闘技やってそうな4人を相手にヤバイと感じたのか、殺気立ってた表情からペロッと舌が出た。
その表情を、男は見逃さなかった。
男2「こいつを取り押さえろ!!」
男の合図とともに、4人が一斉に緋色に襲いかかる。
緋色「ッ!!…」
マキ「緋色さん!逃げてッ!!!」
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