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まだまだ遠いい……
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賢史「はいはい全員ストーップ!!
おい!緋色くんッ!動かないッ!!」
俺がライブバーのVIPルームに駆けつけた時、まさに乱闘が始まろうとしていた。
マキ「賢史さん♪♪」
マキは、俺の登場にに待ってましたと嬉しそうに可愛らしく手を振って来た。
他の奴らは俺の声に全員動きを止め、名前を呼ばれた緋色は声の主が俺だと気が付くと、ムキムキの4人に囲まれていたくせに「これから活躍する所だったのに」的な顔して残念そうに両手を挙げた。
賢史「はいはい、お巡りさんだから大人しくしてね」
警察手帳を取り出して見せると、マキの上に乗っかってた男と、奥にいたもう1人の男が慌てて部屋の隅の別の出口に駆け込んで逃げる。
賢史「だから動くなっつってんのに…」
緋色「追わなくていいのぉ?」
2人を見送る俺に、緋色はマイペースにツッコん出来たが、俺を力と気合で何とかしようとす何も準備しないで単身乗り込むバカ共と一緒にすんな。
賢史「単身で乗り込むわけないだろ、裏口も表もとっくに囲んでるよ」
マキのふざけたメールの後、居場所を言わなきゃ神にチクるとメールしたら、マキは店の名前を教えてきた。
だが、店の近くまで来てみりゃ、何故か朱雀の下っ端が何人かいやがるし、店内で暴れてる奴がいるとか騒ぎになってるし、全く面倒くせえ。
賢史「ったく!てめーは手錠かけられたいのか!」
緋色「やだなぁw、正当防衛ですよ、見りゃ分かるじゃんw」
そう笑いながら緋色は、ベッドにいるマキを俺に示しながら、マキの方へ近づき、服の前が乱れたマキに自分のしていたマフラーを巻いてやり服装を直し始めた。
緋色「マキちゃん大丈夫?怪我はない?」
うわぁー、キザなガキ。
優しい気遣いマフラーに優しい笑顔…。
かっこいい事してくれちゃって、神くんには逆立ちしても生まれ変わっても出来なさそうなイケメン動作だわ。
マキ「…ありがとう…、…何ともないよ。…緋色さんこそ大丈夫ですか?」
緋色の優しさに、優しくされ慣れない感じの受け答えするマキ。
普段どんだけ神に怒鳴って怒られるばかりかが見て取れちまう反応だ。
……。
これが神だったら、女王様に怒鳴り散らして、罵声浴びせて、引きずるように無理やり連れ帰ってお仕置きなんだろうなぁ…。
まぁ、マキも悪いんだが…、神くんも早く「大丈夫?怪我は無い?」とか言える大人に何ねぇかな。
緋色「俺は大丈夫だよ。ってか、そんなあらたまんないでよ。それとも俺の事怖くなっちゃったw?」
怖がられてると思っちゃいなさそうな、ニカッと子供みたいな表情をしながら、マキを見る緋色は、マキの手をそっと握りながら膝をついてベッドに座るマキを覗き込む。
まぁまぁ整った、やんちゃそうなイケメン面を近づけて、優しく微笑むから、普通の奴ならキュンキュントキメいて落とされちゃうとこだな…
女王様にはどうなんだ?
緋色「ん?」
マキ「そんな事思ってない」
近いからか、照れたのか、マキは顔をそらし、緋色に握られた手を離そうとしたが、緋色の力はマキより遥かに強く、振りほどくどころか逆にグイッと引きよせられ抱きしめられた。
緋色「あははw怖くないなら良かったw」
マキ「!?」
緋色のガッチリとした腕の中にすっぽり入ってしまったマキは、「良かった良かった」と背中をバシバシ叩かれる。
マキは緋色の腕の中から逃れようとしてたみたいだが、瞳をパチパチ瞬くばかりで豪快に笑う緋色の腕の中から逃げられないみたいでビックリしてた。
あーあ、神が居たら大変だなこりゃ。
賢史「マキ、帰るぞ、外で待ってるユリが凍える」
マキ「えっ!?ユリちゃん?」
俺がマキの腕を引いて緋色から引き剥がすと、緋色が引き剥がされた事に意味深にこっちを見て笑いやがる。
こいつ…、マキを狙ってるのか…?
でも…、ゲイには見えないんだが…
マキを狙ってるなら、それなりに欲情するはずだが、緋色からはそんな感じはしない。
ただどうにも、さっきっから若干挑発的な目をする時があるんだが、裏があるようには見えないんだがな…。
それに、緋色の兄貴は、素直なタイプで、緋色を見る限り、雰囲気は素直タイプの兄貴そっくりだ。まぁ、見た目はだいぶやんちゃ系だけど…、街中で見た、緋色の絵を思い出すと、とても繊細なタッチで綺麗な物ばかりだった。緋色は、マキや神みたいな闇属性タイプには見えない…。
でも、やたらマキに構いたがってることだけは確かだ。
用心する事に越した事はない。
俺がVIPルームの部屋の外に出ると、俺が呼んでおいた警官が入れ替えで中に入る。
ここは警官に任せて外に出ようとしたら、マキが太郎に話しかけた。
俺が、「そいつは事情聴取があるから連れて帰れないぞ」って言うと、マキは分かってると答えながら、太郎に何か言って優しく笑いかける。マキの優しい表情に涙ぐむ太郎にマキは「終わったら連絡して」と声をかけて、俺と緋色と一緒に外に出た。
外には野次馬がたかってて、他に、数人の警官と、朱雀の下っ端とユリが待っていた。
ユリ「マキちゃんッ!!」
俺とマキが出てきたのを見て、ユリがマキに飛びつく。心配の現れなんだろうが、マキの体を男の力でぎゅうぎゅう抱きしめるから、マキが潰れそう…
ユリ「心配したんだからぁ!」
マキ「ごめんねユリちゃん」
マキはしおらしく謝ってたが、俺にはそれが心からの言葉には聞こえない。ってか、謝ってても反省したと言っても、この女王様はまた危険に首をつっこむに決まってる。
俺とマキと緋色は、来ていた警官に簡単に何があったか説明し、夜遅いので詳しくは後日って事になった。
俺たちが話してる間に、中にいた警官が、如何わしい裏モノDVDやらテープやらを押収、そして、太郎と太郎の彼氏、この撮影に加担してた店のスタッフに、部屋で伸びてた3人と逃げた男2人、全員まとめてパトカーに押し込まれた。
ぶっちゃけこれだけじゃ逮捕に持ってけるか怪しいところだが、俺の隣で、マキはニコニコしていた。
賢史「で?、俺の言い付け守らずに危ない事に首突っ込んだ成果はあったのかよ」
マキ「んふ♪言い付けは破ってないよ♪でも成果はバッチリだよ♪」
隠し持ってたICレコーダーを出してにっこり笑うマキ。
マキ「それに、太郎が全部正直に話してくれるよ。彼の悪夢は終わったんだから♪」
賢史「…、太郎の目を覚まさず為に、わざわざ1人で乗り込んだのか?」
マキ「1人じゃないよ♪」
賢史「作戦も聞いてねーで、後から必死に駆けつけた俺を共犯者にするなよ」
マキ「ふふッ♪大丈夫♪僕の協力者は檸檬さんと杏子さんだよ♪警察出てきたから、もう外に居るだろうけど、ちゃんと店内にいたよ♪」
可愛らしく笑ったマキに、俺は心の底から声が出た。
賢史「はあぁッ?!」
ま、まさか!!
賢史「〝あいつ〟は、知ってるってことか?!」
俺たちの会話に「〝あいつ〟?」って緋色が首を傾げ。
マキは〝あいつ〟と聞いて、〝神〟のことだと分かったんだろう。
ふふっと良い顔して笑いやがった。
マキ「やだなぁ、僕、賢史さんと約束守ってるよ♪良い子にしてるでしょ♪」
太郎の事、俺が必死に隠してたのに、マキはとっくに神に相談してたってことか!?
マキ「まぁ、怒ってるには変わらないんだけどね♪」
可愛らしく笑ったマキを、一瞬殴ってやろうかと思ったぐらいビックリだ。
怒ってるって、怒ってるのはお前にだけじゃなくて俺にも怒ってるってことじゃねーかッ!!
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