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まだまだ遠いい……
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結局、俺1人馬鹿みたいにハラハラしてワタワタしてたわけだ。
フッ…やってらんねぇ…
そして、すべてはマキの思惑通り……。
警察に保護された太郎くん(仮名)は、マキの説得の甲斐あって、彼氏の正体を知り、警察に全て正直に答うだそうだ。
マキ曰く、太郎は彼氏の正体を〝知った〟というより、薄々気付いてはいたが、太郎にとっては、初めての彼氏、初めての相手だった。彼氏のことが好きで好きで、いつかなんとかなるという期待を捨て切れない状態だったようだ。
マキは、初めっから気付いていたんだ。
太郎のどうにもならない気持ちにも、何か知っていながら見て見ぬふりをしている事も。
そして、思ったんだろう…
好きで好きで、期待を捨て切れない状態がどんなに辛く、切ない時間か…
そんな風に片想いした奴が、どんな苦悩の繰り返しとジレンマの渦の中で迷子になるのか…
迷子の迷子のティーッカッププードルを思い出したのか…
はたまた、そのティーッカッププードルを想って泣いた日々が過ぎったのか…
ハァー…
警察では、太郎の証言から家や貸し倉庫を捜索。
中からわんさか脅迫や暴行の証拠が出てきた。
彼氏は、裏AVを作る男たちと仲間だった証拠も発見され。
しかも、借金は全てギャンブルによるもので、逮捕される直前も返すどころか膨らみ続けていた事も…。
太郎は、今は辛いだろうが、悪夢が終わったと思って今は乗り越えて欲しいところだ…。
どうせ太郎が立ち直るまで、マキは関わり続けるんだろう…。
ライオンさんを困らせても…。
ホント、いい加減にして欲しい…。
どうしてマキはおとなしくできないんだ…。
どうして、神が心配するような事ばかりするんだ。
マキがワザとやってるようにしか見えない…。
だってよ!!
太郎が保護されてやっと方が付くと思ったのに、本当は神君に相談してたとかなくない?、俺、神君に怒られちゃうじゃんか!
しかも、神も協力的なのかと思いきや、『神さんは怒ってるけど』とか、やっぱ怒ってるんじゃんか!お仕置きされちまうんじゃないか!
しかも変な若くてカッコイイ虫はいるし!
今、神君は、女王様との年の差気にしてるんだから止めてくれないかな!
しかも黒歴史を刺激する朱雀の人間とかダメでしょ!!
あの馬鹿神君は、日々可愛くなる女王様の表情や仕草の1つ1つが堪んないらしく、めちゃくちゃにしてまた暴走しそうだとブツブツ言ってるし。可愛らしいマキの隣にいるためには、どうしたら変じゃないかとかアホな事まで考え始めて、女王様のファッションだけじゃなくて、自分の若作り用のファッション雑誌読み漁ってっし。まぁ、最初は笑って馬鹿にしてたけど、神君凝りだすと止まんないやつだから、最近は結構、年の差とか、マキの同世代とか結構気にし過ぎてヤバめなのに、こんな時に朱雀で若くてカッコイイ緋色が横恋慕なんか入れてきたら、絶対神君プッツンしちまって、女王様監禁して、自分のやった事に落ち込んじまうのに…。
あの、緋色ってやつは…。
太郎が警察に保護されて、ライブバーからユリの家に帰ろうとした時だ…
帰ろうとした俺は、終電ないし酒が入って車置いてきてたしでタクシーを捕まえようとした。
だが、緋色が車で来ていて、みんなを送ってくれると言いだした。
緋色「今日は寒いし、終電過ぎた週末なんてタクシーはアテになりませんし、乗ってって下さいよ」
ありがたい申し出だが…。
どうも、緋色がマキとの接触の機会を増やそうとしてるようにしか見えない。
俺は抵抗したが、緋色は話が上手く、結局ユリの家まで全員乗せてもらうことになった。
車の中も何事もなく、ユリの家の近くで降りた時の事だ。
マキは、運転席のそばまで行って緋色にお礼を言った。
マキ「緋色さん、送ってくれてありがとうございました」
緋色「いいのいいの、今度体で返してくれればww」
!?
緋色の言葉に絶句した俺に、緋色は何かを企んでるのか、はたまたもともとそういう憎らしい顔なのか、笑いながら
緋色「賢史さんってさ、マキちゃんのお兄さんってわけじゃないよね?」
賢史「はあ?!俺がマキの兄なわけないだろ、顔が似てないどころか別物だろ」
緋色「そうっすねw。いやー、あんまりにも触んなオーラが凄いからw」
ケラケラ笑う緋色は、俺の威嚇に気付いてた。気付いていながらこの態度なんだ。
賢史「触んなって思ってるからな、マキは俺の友達と付き合ってる。そいつはかなり嫉妬深い恋人だから、後々マキが困る事になるし、俺の友達が嫉妬に狂うところも見たくないんでね」
緋色「ああ、分かる分かる。マキちゃん綺麗過ぎて誰にも見せたくない感じだよねw」
俺の言葉の裏側に気がついてるはずなのに、緋色はそうそうと普通に返してくる。
圧力を掛けてもまるで効いてない…、だが、圧力に気が付かないほど馬鹿にも見えないし、拾うところは拾って会話してる。
緋色「マキちゃんの恋人ってどんな人?」
賢史「…、一途でちょっと(?)不器用だけど、マキにベタ惚れで、マキを大事に大事にしてる奴だよ」
緋色に喧嘩を売るつもりで言った言葉だった。
だが、緋色は純粋な目をして「へー」と言いながら、マキを見ていた。
マキが、俺の言葉に顔を真っ赤にして俯いていやがった。
いやいや女王様!!なんでそこで可愛い面して照れちゃうの!?
緋色「マキちゃん顔真っ赤w、すっごい可愛いんですけどw」
ほらほらぁ!
神が壊したマキの仮面なのに、そのマキの素の表情は、別の奴らにも見られてて…
女王様が人間に近づくのは良いことだが…
ライバル増やしたら元も子もないなぁ…
意味深にケラケラ笑う緋色が車で帰るのを見送り、俺とマキとユリはユリの家に帰った。
あー…、緋色の存在を神になんて説明すれば良いんだ…。ちょっかいかけてくる奴がいるのは言っといたほうが良いんだろうが…
賢史「つよしー!ただいまぁ!!」
つよし「お、おかえりなさい、賢史さんにマキさんにユリちゃん」
神に、朱雀の緋色のだと言うべきか…
賢史「つよしー!疲れたぁ!一緒に寝ようぜー」
つよし「えっ!?」
ユリ「人の弟に何しとんじゃ!!」
ーバシッ!!
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