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悪癖を治そうとすると違う悪癖を生む②
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なんとか情欲の熱を沈め、眠れないまま大学へ向かった。
百目鬼さんが帰ってくるなら家で待っていたかったけど、大学をズル休みなんかしたら百目鬼さんは怒る。
それに…、百目鬼さんからは、帰ってくるって連絡は未だにない。
大学では、ちらほらインフルエンザが流行ってて、僕の友達も休んでた。僕は予防接種してるし、今までもかかった事がない。
そういえば前に、矢田さんがインフルにかかってたのに出社して、檸檬さんや百目鬼さんに移って大変だった事があったな…、まぁ、そのおかげで、百目鬼さんと一緒に居られる時間が増えて、熱に魘されて弱気な百目鬼さんについつい告白なんかしちゃって今に至るんだけど…。今年は、まだ誰もインフルになってない。
…もし、僕が病気になったら、百目鬼さんは一緒に居て看病してくれるのかな?
…、な訳ないか、百目鬼さん接客業だし、まぁ、せいぜい事務所の三階に仕事合間に顔出してくれるくらいだろうな。…風邪ならまだしも、インフルになったら、先生の所に戻った方がいいな。百目鬼さん優しいから、気になって仕事に集中出来ないだろうし、一週間僕がいない方が、のんびりできるだろうし。
百目鬼さんは働きすぎなんだよ。
出会ったばかりの頃、矢田さんが、百目鬼さんは仕事ばっかでいつか倒れるから早くお嫁さんに来て欲しいって心配してた。
結局、料理も出来ない僕が恋人になっちゃったから、あまり癒してあげられてないし、むしろ、百目鬼さんがご飯作りに帰ってきて、僕の世話ばかりしてくれちゃうし、夜は僕が我慢出来なくてSEXしちゃうから、寝不足になってばっかで、僕がいる事で益々疲れてるんじゃないかって心配になる。
獰猛な猛獣さんは、世話焼きで心配性で嫉妬深い優しい優しいティーカッププードル。
しなくていいって言われたけど、なんとか僕が掃除洗濯後片付けや買い物なんかはさせてもらえる様にしてもらったけど、僕の夜の発情をどうにか出来ないと、百目鬼さんの寝不足解消にはならないよな…。
矢田さんや檸檬さんや杏子さんには、僕が来て良かったって言ってもらえるけど、3人は知らないもん。
僕と百目鬼さんが、ほぼ毎晩朝までヤってるって。
しかも、渋る百目鬼さんを惑わせて、僕〝が〟百目鬼さん〝を〟食べてるなんて…
だって…、我慢出来ないんだもん。
百目鬼さんの硬くて大きいアレ…
百目鬼さんが不器用に優しくしてくれるたびに、くすぐったくなっちゃって、百目鬼さんが僕とのコミニケーションの割合をSEXから会話が増えるようにしてるのはわかってるけど、そうされるたびに未知の領域が竦むみたいにくすぐったくて…
不器用な百目鬼さんが、なんとかしようとしてるのにスマートに出来ないのが可愛くて可愛くて、悪戯心に火がついちゃうから、興奮しちゃって、百目鬼さんを無意識に欲情たっぷりの濡れた瞳で上目遣いしちゃう。
結局、百目鬼さんを猛獣さんにしちゃって、朝までSEX三昧。
僕は毎晩艶々だけど、百目鬼さんはまたヤっちまったって頭を抱えてる。
前みたいに、落ち込んだりはしないけど、僕の可愛すぎる誘惑に負けたってボヤいてる。
お預けする?って聞いてみたことあるけど、『体は平気か?』って返された。全然平気だよって笑ったら、『誤解するなよ』って言われた。
言葉が足らなすぎて、会話が成立してないんだけど、これでも、百目鬼さんの精一杯考えた言葉なんだ。
まぁ、僕にはちゃんと意味がわかるから良いんだけど。
男「茉爲宮、午後の講義休講だって、教授インフルらしいよ」
午前の講義が終わったタイミングで、午後の講義が一緒の男の子がそう教えてくれた。
午後の講義は休講のそれ1つ。
お昼を食べずに帰れば、百目鬼さんにお帰りって言えるかもしれない。
マキ「あっ、ミケとキングを迎えに行かなくちゃ」
マキは、携帯を覗いたが、百目鬼からの連絡はまだ無くて、時刻は間もなくお昼の12時になろうとしてた。
水森泉がミケとキングをペットホテルに入れてしまったので、マキはお迎えのため、地図を片手に街を歩いていた。
マキ「えっと、この道を右に…」
「あれ?、マキちゃんだ!」
急に声を掛けられ地図から顔を上げると、そこには大きなシベリアンハウスキーを連れた、高霧緋色がいた。
マキ「あっ」
緋色「昨日の今日で会えるなんて嬉しいなw」
マキは心の中でヤバイなって思ったが、緋色の連れてる眼光の鋭い銀色のシベリアンハスキーに目を奪われた。
マキ「綺麗…」
綺麗な銀色の毛並みに鋭い眼光、緋色の描く絵の中に現れそうな神秘的な空気をまとったシベリアンハスキーだった。緋色隣で、何も言われてないのに緋色が立ち止まったのに合わせてスッとお座りしてこっちを睨んでる。
緋色「だろw。でも気をつけて、結構警戒心強くて、あっ、こいつの名前はジャブダル」
手を出したら噛みつかれるよって言うみたいに、緋色はジャブダルを後ろに隠した。
マキ「緋色さんの犬?」
緋色「友達の犬、ちょっと借りてて」
マキ「へぇ、描いてるの?」
緋色と会話しながら、シベリアンハスキーのジャブダルをじっと見つめ、ジャブダルもまた、マキをジッと見つめてた。
緋色「うん、まぁ」
マキ「撫でても良い?」
緋色「えっ、よした方が良いよ、こいつは…」
緋色が止めようもしたが、マキは、ジャブダルと視線を合わせる様にしゃがみ込み、見つめながら手を出した。人と挨拶して握手するみたいに。
マキ「こんにちは♪、初めまして、僕はマキ♪綺麗な毛並みだね♪触ってみても良い?」
すると、睨む様にしていたジャブダルは、目の前のマキの手に鼻を近づけ匂いを嗅ぐと、まるでマキの言葉が分かったように、その場に伏せてマキの手を受け入れた。
マキ「うわぁ、綺麗でフサフサ、カッコ良いねぇ♪」
緋色「…マジ?」
信じられないって顔した緋色もマキの隣にしゃがみ込み、大人しく撫でられてるジャブダルと、ジャブダルを嬉しそうに撫でるマキを交互に見た。
緋色「俺三ヶ月掛かったのに…」
マキ「そうなの?この子凄く優しい子だよ」
緋色「…」
まるで会話してるみたいに、マキはジャブダルに話しかけ、ジャブダルは完全にマキに気を許していた。
緋色は自分が苦労してジャブダルと仲良くなったのになぁと嘆きながら、ジャブダルを嬉しそうに撫でるマキを見て、ちょっと安心した。
緋色「マキちゃん、平気?」
マキ「この子すっごい可愛いね」
緋色「そうじゃなくて…」
優しげに話しかけられ、それが犬の事じゃないと分かった時には、緋色の手がマキの顎をすくって頬を撫でた。
緋色「顔色…、あまり良さそうじゃないよ。寝不足?昨日は薄暗い所でしか見なかったからそんなにじゃなかったけど、今太陽の下で見たら、クマできてるし顔色も良くないよ。それに…」
そう言って、マキの頬を撫でた手が、頬を包んで緋色の方に顔を向けさせた。
緋色「…泣いた?」
え……………。
緋色「お巡りさんに怒られちゃった?それとも恋人?」
マキ「泣いてないし、怒られてないよ。注意はされたけど」
僕は泣いてない。
きっと、寝不足で目が赤いからそんなこと思ったんだ。
緋色「なんか嫌なことがあるなら、お兄さんが聞いてあげるよ」
ヤンチャそうな顔が、優しげに気を使って明るく首を傾げる。顔に似合わず可愛良い慰め方に、マキは慌てて否定した。
マキ「嫌なことなんて…」
緋色「俺じゃ嫌なら、奏一さんに相談したら?」
マキ「嫌とかじゃないし、奏一さんに余計なこと言わないでよ」
緋色「ふーん、奏一さんに言われちゃ困ることなんだ」
マキ「そうじゃなくて、何にもないのに余計な心配するでしょ、奏一さんが物凄い心配性なの知ってるでしょ」
緋色「あぁ、そうだね。過保護過ぎる物凄い心配性だねw」
分かってくれたなら良かったと安心したが、緋色は、何か言いたげにマキを見つめてきてて、マキはジャブダルに構うふりをして目を逸らした。
緋色「…じゃあさ、なんでずっと警戒してるの?」
マキ「えっ?…」
緋色「俺の事、最初っからずっと警戒してる」
優しげな表情がちょっといじけたみたいに眉を下げて見つめられ、マキは答えに困った。
マキ「そんな事…」
緋色「そう?マキちゃんは、出会った頃のジャブダルみたいな目をしてる。ジャブダルがマキちゃんにはすぐ懐いちゃったから伝わんないかもだけど。俺ってそをそんな怖い?」
怖いなんて一度も思わないが、本当の事が言えないのから。普通の人が緋色を見たら、いかにも不良してましたって風貌だから、ここはそれに乗っかるしかなかった。
マキ「ちょっと…、昨日のとか、すっごい強かったし」
一瞬で3人をノックアウトさせた。
緋色「…奏一さんのこと怖がってないのに?俺より奏一さんの方がずっと強いんだよ」
マキ「奏一さんは怒ると怖いけど、凄い頼りになるし僕なんかの面倒も見てくれる優しい人だって知ってるし」
緋色「敵わないか…壮大な大人の魅力あるし…、足元にも及ばないのに奏一さんと比べた俺がバカだったわ」
緋色がショボンとしながらジャブダルに癒しを求めるように頭を撫でたら、ジャブダルをはプイッと横を向いてしまい、振られた緋色は益々落ち込んでしまった。
緋色「ジャブダル冷たい…」
マキ「緋色さんを嫌ってるわけじゃないよ、ちょっと僕って人見知りだから」
あまりに落ち込むからフォローのつもりで嘘を言ってみたが、緋色はマキの肩を左手でガバッと抱き寄せる。
緋色「だったら、お兄さんに寝不足の訳を言ってごらん?力になるよ」
いじけたり落ち込んだりしていたはずの緋色が、真面目な顔で眼力のある瞳で真っ直ぐ見つめてきた。
マキ「…ただの夜更かしだよ」
一瞬、奏一さんの、相手とキチンと向き合おうとする真っ直ぐな瞳を思い出して答えるのが遅れたが、顔に出さずにうまく笑えたと思う。
僕の答えを聞いて、緋色さんは納得したのか諦めたのか、優しく微笑んで僕の頭を撫でてきた。
緋色「…本当に顔色悪いよ。今日は真っ直ぐ帰って寝んねしなね」
緋色の手は、優しい奏一さんのとも、ゴツくて温かい百目鬼さんのとも違って。
ボクシングしてるからかガッチリしてるけどそんなに大きくはない、そして、ヤンチャそうな顔からは想像できない…、びっくりするくらい柔らかく触れてくる…
マキ「僕って色白だから、クマが出来てそう見えるだけだよ。ホントなんともないですよ」
緋色「確かに色白でほっそいけどね。今日大人しく寝なかったら、奏一さんに言っちゃうかもだけどね」
マキ「だから…」
緋色「はいはい、ヨシヨシ。よく寝られるようにおまじない」
マキ「緋色さん、僕犬じゃないから撫で回さないでよ」
緋色「はい、いい子いい子」
マキ「…」
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