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悪癖を治そうとすると違う悪癖を生む③
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やっぱり、奏一さんと仲良くしてる人だからかな?
緋色さんの中に、どっか奏一さんと似た空気を見る瞬間があるなぁ…
僕を気遣って撫で回す緋色さんと別れ、ペットホテルでミケとキングをお迎えして帰ろうと入り口を出たら、こっちを睨む強面の大男と黒塗りの車が…。
マキ「あっ…、神さん…」
百目鬼「……」
あはは…
やっぱり…
こうなるよね…
せっかくペットホテルから連れて帰ったのに、ミケとキングは移動用のペットキャリーに入ったままリビングで放置。
そして…僕はというと、僕が勉強用に使ってる部屋の椅子に座らされ、仁王立の百目鬼さんに睨み降ろされてるところ…
百目鬼「さっきの男は、高霧緋色だな」
マキに降り注ぐのは、百目鬼の怒気を含んだ低い低い声。
せっかく会えたのに、顔を合わせてからずっと無言だった。
怒ってるのは分かってるから反省しなきゃならないのに。車の中は、百目鬼さんのコロンの香りとタバコの匂いが充満してて、僕の下半身はみっともなくよだれを垂らして張り詰めっぱなしで熱く疼いてばかり。
触って欲しい、キスして欲しい、僕の中をグチャグチャにして欲しい…、卑猥な期待が止まらなくて、頭の中も体もSEXの事しか考えられてない。怒られないように必死に隠したけど、気づかれたら怒られるかもしれないけど、そしたら抱いてくれるんじゃないかって期待しちゃうあたり、ホント、ド淫乱なビッチは困る。
百目鬼の第一声は、想像していた太郎の件のお叱りではなく、もっとヤバイ案件の緋色の話になりそうな空気に気分は落ち込む。
あー…最悪だぁ……
見てたんだ…、これは…もぉ…
あの撫で回されてるの見てたってことだ…、会話は?いや、話が聞こえる距離に神さんがいたら、流石に僕も気が付いた…
緋色さんが居る時に出てこなかったってことは、やっぱ緋色さんと顔合わせたらマズイからかな…。
緋色さんは、百目鬼さんを恨んでる人の中の一人?
マキ「うん、緋色さん。元朱雀で百目鬼さんの事務所に入った高霧さんの弟さんだよね。奏一さんの所に正月に挨拶した時来てて知り合ったんだ。さっきのはたまたま会っただけだよ。僕の事は修二の友達だって認識で、百目鬼さんと知り合いだって話はしてないから安心して」
会ったら、叱られるのは分かってたけど。
本当はギュッて抱きしめてほしかった…
本当は、すぐに抱いてほしかった…
百目鬼「…、そうか」
静かに話すマキに、何かを考え込んでる様子の百目鬼の怒気が弱まる。
マキは内心ほんの少し胸をなで下ろす。
いきなり怒鳴られてベッドに押さえつけられるんじゃないかという落ち込みと、そのままお仕置きになれば抱いてもらえるという浅はかな期待を抱く自分に呆れながら。
少しだけ心配してた。
百目鬼が緋色のように、自分の体調を気遣ってしまうんじゃないかと…、人に心配されるほど顔に出てるなんて、マキにとっては不本意で出来れば気が付いて欲しくない事。
ただ…
気が付いては欲しくないが…
緋色のように…
抱き寄せて撫でては欲しかった…
緋色のように優しく触れて…
抱きしめては欲しかった…
マキ「ごめんね、奏一さんの家に来たの、緋色さんだけじゃなかったし、名前の知らない人もいっぱいいたから…」
百目鬼「いや、いい。…」
触れない指先。
触れない唇。
触れられない距離。
『もっと素直になればいい』
…知らないからそんなこと言うんだ。
『神は、お前に我儘言ってもらいたがってる』
…馬鹿じゃないの…
僕の望みなんかいつも…
1つだけなんだ…
マキ「神さん、ごめんね。怒ってる?」
百目鬼「怒られると思うことをしたからそんな言葉が出るんだぞ」
怒らないで…抱きしめて…
マキ「太郎さんのこと、電話で怒ってるって言ったから」
百目鬼「俺が協力しないと言っても、お前はどうせライブバーに乗り込むつもりだったろ」
…神さんの事、信じてないわけでも、棒扱いしてるわけでもない…、SEX依存のせいにもしたくないけど…
体が言う事を聞かない…
マキ「乗り込んだけど。神さんが協力してくれないなんて思わないもの。それに、神さんがあの場にいたら、僕がやらなくても神さんがそうしてた」
必死に顔に出ないように取り繕ってても、体の奥が飢えて欲する。手がじっとり汗ばんで震えてくる…
百目鬼「はぁー…、お前は本当にどうしようもないな」
…もう…、我慢できない…。
マキ「…、僕は、僕なりに〝いい子〟にしてたよ。人助はしたけど、神さんにちゃんと相談して、一人では行動しなかったし。言い付け守って〝悪い遊び〟はしなかったし、ちゃんとホワイトラインとお留守番してたよ。だから、おかえりなさいのキスしていい?」
触りたい…
キスしたい…
エッチしたい…
百目鬼「…、お前、キスだけじゃすまないって後ろに書いてあるぞ。今怒られてるのに反省するどころか、今の自分がどんな顔してるか分かってないだろ」
怒らないで、お願い
怒らないで、お願い
いい子にするから
我慢するから…
だから…
マキ「…反省はしてるよ。でも、神さんが目の前にいるんだよ、やっと顔見れたんだよ、本当は飛びついて、キスいっぱいして、舐めまわして神さんのいっぱい頬張って、僕の中グチャグチャになるまで抱き合いたいの我慢してるだけお利口さんでしょ?僕が淫乱で卑猥な顔してるなんて元からじゃん、大好物のステーキ目の前にして、不味そうな顔できると思う?」
百目鬼「はぁっ?!お前ッ…ッ!??」
何言ってんだと怒鳴ろうとした百目鬼の前で、マキが床に手を付いたのに驚いて言葉が止まる。
マキがいつもと違う。いつも饒舌に余裕で憎たらしいほど妖しく笑う口調とは程遠いいマキの必死な様子に百目鬼は困惑の色を隠せず、かと言って怒りのボルテージを急に冷ます事もできず眉間の皺も消せない。
マキ「怒らないで、お願いッ、お願いだから。分かってるから、反省してる、反省し足りない分反省するから、お願い、お願いがあるの、お願いだから…」
声がどんどん今にも泣きそうな声になり、百目鬼は床に手をつくマキを落ち着かせようとしたが、その心配は、次のマキの言葉で撃ち落とされる。
マキ「お願いだから、神さんの形のディルド作らせて、神さんの形でなら浮気じゃないから一人エッチしてもいいでしょう?!」
百目鬼「・・・・・・・・」
マキ「お願い神さん、他の我儘言わないから、一人エッチ禁止だけはどうか許して下さい!!」
百目鬼「・・・・・・・・・」
マキ「………やっ…ぱ…ダメかな?」
百目鬼「はぁあ¨あ¨ァーーーッ!!!!!???」
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