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アルバムをなぞる指先の決断3
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あの綺麗なペガサス、奏一さんだったことにすごく納得がいく。
正直ちょっと悔しいけど、僕は緋色の描いてる絵がだいぶ好みなんだよなぁ…
奏一さんからラフを見る許可をとった僕。
緋色さんは、「俺の車あっちだから」って、奏一さんの店のすぐ隣の駐車場に向かった。
緋色「乗ってw」
嬉しそうにニコニコしながら助手席のドアを開けた緋色に、マキはキョトンと瞬きした。
マキ「え、なんで?」
車に絵が置いてあるのかと思ったら、どうやらそうではないらしい。
マキ「車に置いてあるのかと思った」
緋色「アハハw、残念、絵は俺の家にありまーすw」
マキ「じゃあ遠慮しときまーす♪♪」
くるりと向きを変えようとしたけど、緋色はがっちり僕の肩を抱きしめた。
緋色「別にとって食やしないよw。フフッ、こないだ会った時よりすっごい顔色良くなってるねw」
スッと目元を撫でられ、馴れ馴れしさに百目鬼さんが嫉妬した姿が過ぎった。触るなって気持ちを顔には出さずにへらへら触るなオーラ出しながら手を避けた。
緋色「恋人に怒られちゃう?」
僕の心の声が聞こえたかのような反応の良さ。
驚いて瞳をまたたいたら、緋色はまったく気にしてないように笑う。
緋色「あははっw、マキちゃんって真面目だね、怒った顔も魅力的。大丈夫だよ、家に連れ込んでどうのとか考えてないし、モデルの件も…」
マキ「前から思ってたんですけど、緋色さんは、そっちの趣味があるの?」
緋色「…、あー、そっちって、男が恋愛対象かって話?」
マキ「そう」
緋色「んー、男だけが好きとかはないな。ただ、ボクシングしてたせいもあるけど、綺麗についた筋肉とか、あとは綺麗な人とかは好きだなぁ描きたいなぁって思うよ。奏一さんとか内に秘めたカッコいいとこ描きたいと思ったし、マキちゃんは見た目も中身もすっごい神秘的で興味津々ww」
ヘラヘラ笑ってるけど、その瞳は真っ直ぐ曇りなく。
その言葉に嘘はないと思った…。
芸術的観点からなのか…
あとは、この人の元々のキャラ?
緋色「俺は男同士とか偏見ないよ。人としてみるからね。それに、俺の周り案外そういうの多いいんだ。男子校通ってた奴らとか結構聞くし、絵画の世界でもいるし、知り合いにもいるし。男同士だと気兼ねしなくていいから結構楽なんだって。そういうの聞くと、そういうもんなんだぁとは思うけど。マキちゃんはそういうの受け入れられない人?」
マキ「!」
緋色「っていうより、美人さんだからそういう目で見られて苦労してきたって方かな?」
至近距離で顔を覗き込まれ、気がついたら、車が後ろにあって逃げ場がない。
緋色「俺はいきなり襲ったりしないから安心して。やっぱ恋愛には心がなくちゃ。…。
…マキちゃんの恋人ってぇ、彼氏の方なんじゃない?」
!?!?!?
マキ「なんで?」
緋色「おっ、動揺しないんだw」
マキ「びっくりしたよ」
緋色「んー、なんとなく?
俺がマキちゃんに引っ付くと嫉妬深い恋人がいるからやめろってみんな言うけど、俺がくっついたくらいで女の子がそうまで嫉妬するかなぁって…。それと、奏一さんもあの賢史って刑事もだけど、マキちゃんをお姫様みたいに扱ってるからかなw」
この人の随分よく見てる。
マキ「んふふ♪、内緒♪」
緋色「えー、教えてよ」
マキ「やだよー」
緋色「奏一さんのラフ見せるからぁ」
マキ「それは奏一さんがいいって言ったから今度持って来てください」
緋色「えー。じゃあ、俺の持ってる朱雀時代の特攻服姿の奏一さん見せるからぁ」
マキ「えっ!」
緋色「おっ、食いついた」
奏一さんの特攻服姿は見たい。
だって、修二のアルバムにも百目鬼さんのアルバムにもその写真はなかった。
マキ「見たいけど、家にはいきませんよ」
緋色「えー、彼氏に怒られちゃうからぁ?」
マキ「ノーコメントです。さ、僕帰るんでどいてくれません?」
緋色「分かった、分かったよ。この話はおしまいにするし、今度奏一さんのラフも特攻服の写真も持ってくるから。買い物には付き合わせてよ、奏一さんの代わりなんだから、遂行できなきゃ俺が怒られちゃうよ」
降参とばかりに両手を上げて、僕から離れた緋色は、怒る奏一さんを想像したのか本当に困ったように焦ってる。
それに、僕にとっても、奏一さんの提案を無下にはできない。
マキ「…わかりました」
緋色「良かったw。じゃあ早速スーパー行こう!」
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