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アルバムをなぞる指先の決断4
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車に乗った緋色さんと少し話をした。
緋色の絵のセンスが好きだったから、そうかなぁとは思ったけど、緋色はラッセンの絵も好きで、その他の画家も僕の趣味と似ていた。
絵の描かれた背景や、豆知識とかも聞けて、車内の会話は盛り上がってしまっていた。
緋色「そーなんだ、マキちゃんは風景画とか結構好きなんだね。そういえば春にラッセンの個展があるけど一緒に行く?」
マキ「え、個展?どこでやるの?」
緋色「銀座だよ」
マキ「やった見に行こう♪、教えてくれてありがとうございました!」
緋色「いやいや、俺と行こうよw」
マキ「んふ♪、1人で行くのでお気になさらず♪」
緋色「あれ?恋人と行かないの?。恋人は絵とか興味ない人?」
マキ「忙しい人だから」
緋色「じゃあ俺と行こうよw」
マキ「僕はゆっくり絵を見たいので♪」
緋色「…、恋人が嫉妬するから?そんなに嫉妬深いなんてマキちゃん窮屈じゃない?」
マキ「ぜーんぜん」
緋色「マキちゃん友達と遊んだり、自由に人と会ったりしてる?」
マキ「してるよ」
緋色「…そお?。そもそも、正月に奏一さんがマキちゃんを迎えに行ったの、あれ、恋人は出掛けてるのにマキちゃんお家にいろって言われたんでしょう?」
マキ「違うよ。実家に帰ってただけ」
緋色「……マキちゃんってさ…」
マキ「何?」
緋色「……なんでもない」
スーパーは、奏一さんがお勧めした大型スーパーに緋色さんの車で連れて来てもらった。
緋色さんは、意外に色々知っていて、野菜の鮮度の見分け方などを教わりながら商品を選ぶ。
神さんとスーパーに来た時は、神さんが黙って選ぶから、緋色さんの話はとてもためになった。
マキ「…」
緋色「マキちゃんが見つめてるそれはニラだからね、買うのは小葱だよw」
僕の前に並んでる、ニラと小葱、僕がちょっとニラを見ていたら、誤解されて笑われた。
マキ「!、知ってます!」
緋色「あははw」
マキ「色々教えてもらったから、ニラならどんなのがいいのかなと思っただけ」
緋色「ごめんごめん。ニラも小葱も鮮やかでピンとしてるのがいいよ」
そう言って緋色さんは僕の頭をポンポンと撫でた。
油断するとすぐ触る。
緋色「次はお肉だね」
緋色さんが、奏一さんから預かったメモを見ながら買い物をする。献立は、奏一さんと相談して、事前に僕が作れそうなレシピを決めていた。
まぁ、だいたいお鍋に入れれば出来るやつね。
緋色「マキちゃんは食べ物何が好きなの?」
マキ「恋人の手料理全部♪」
緋色「…、じゃあ、恋人の手料理で一番好きなメニューは?」
マキ「ハンバーグ♪向こうもハンバーグが一番好きだから得意料理でバリエーションもいっぱいなんだ」
緋色「ハンバーグか、いいなぁ、俺も大好物」
マキ「んふふ♪すっごい美味しいよ、あー、ハンバーグ食べたくなっちゃったぁ」
緋色「帰ったら作ってもらいなよ」
マキ「ダメだよ。今回は僕がご飯用意するんだから!」
緋色「…そっか。…レシピにはハンバーグの材料書いてないね。簡単だしハンバーグの材料も買っとく?」
マキ「……だめ」
緋色「え?、恋人の一番好きな料理でもあるんでしょ?マキちゃんが作ってあげればいいじゃん」
マキ「……僕。……作れない」
緋色「え?、作ったことないの?ハンバーグは簡単だから教えてあげるよw」
マキ「…違う…。何度も…練習…したけど…、微塵切り出来ないし…焦げて…」
緋色「……あー…、そんな落ち込まないで…」
マキ「……同じ味にならない…」
緋色「………えっと、あのねマキちゃん、同じは無理だけど、失敗しないハンバーグの作り方あるよ」
マキ「えっ!?」
緋色は、昔ボクシングで減量していた時、自分で色々作っていて、料理に詳しかった。
奏一さんが何故緋色を代打にしたのかこの時やっと理解した。
緋色「包丁苦手なら、通販とかに微塵切り出来る調理器具売ってるし。焼くの苦手なら、煮込みにしちゃってレンジでチンすればいいし。料理苦手でも方法は幾らでもあるんだよ」
マキ「……でも、なんかそれって…」
緋色「手抜きっぽい?」
マキ「…うん」
緋色「知恵だよ知恵w。今時レンジだけでの料理とか方法として普通にあるし。今は時短が求められてる時代だよ。材料入れればなんでも自動で出来る調理器具も売り出してるし」
マキ「…」
緋色「自動で出来る調理器具に比べたら、包丁じゃなくて便利グッズや時短技使うぐらい良くない?それにさ、なんでも嬉しいと思うよ。マキちゃんの恋人もマキちゃんが一生懸命作ったもんならさ。俺なら焦げてても砂糖と塩間違えてても、ありがたぁーく完食するね」
マキ「あはっ♪、焦げたのも砂糖と塩間違えたのも完食してくれたよ♪」
緋色「ブハッww、マジに砂糖と塩間違えたのw」
マキ「他にも色々やらかしてますが何か?」
緋色「あははっ、マキちゃんの恋人さんは気合い入ってんなw。束縛激しいとは思ったけど、マジ愛されてんなぁw…、どんな人?俺会ってみたいんだけどw」
マキ「だぁーめ、可愛い人だから見せてあげない♪」
緋色「ますます見てみたいわww」
緋色さんはそのあと、写メないの?見るだけならいいでしょってしつこかった。
マキ「今日は買い物に付き合って下さりありがとうございました」
緋色「家まで送るよw」
マキ「大丈夫♪電車で帰れます♪」
緋色「マキちゃんを無事に送り届けないと、俺が奏一さんに怒られちゃうんだけど」
マキ「奏一さんには、僕からお礼しときますんで大丈夫です♪」
緋色「マキちゃんガード固いなぁw」
マキ「ふふ♪」
緋色「でも、モデルの件諦めないよw」
ーピリリリ♪、ピリリリ♪
携帯の着信音にドキっとした。
1日早いのに、もしかしたら神さんかもって胸が躍って、それから緋色さんの前だってことに焦った。
緋色「マキちゃん携帯鳴ってるよ。荷物かして」
マキ「あっ、ありがとうございます」
神さんからだったら嬉しいのに、でも、緋色さんがいるから今は長くは話せない…
あっ、ていうか、今から帰るって電話だったらどうしよう。お料理作るの間に合わない…
ーピリリリ♪、ピリリリ♪
慌てて取り出した携帯の画面に表示されていたのは…
あっ、杏子さんからだ…
なんだろう?
マキ「もしもし、杏子さんどうしたの?」
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